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そしてここ4週間の主な成果はこんなとこです。
オーブ
秘薬
機織り
糸車
舟
高級肥料
他にも細々としたものはあるけど、大きな成果と言ったらこんなとこですかね?
まずオーブ。
これは何に使うかわからないのでとりあえず放置してます。片手で掴めるくらいの丸い玉。野球ボールより大きいかな?
錬金素材らしいけど、何かと合成するればいいのか、材料が不足しているので後回しになってます……。
次に秘薬。
これは凄い。生産する時に使えば生産したアイテムの説明文を弄れるんですよ?しかも登録しておけば《時間短縮》でも使えるという優れもの!
これは、使えるよね?
そして機織りと糸車。
引きこもり中に1度行ったリルマの街であったコトです。しつこい勧誘の人を振り切るのに迷い込んだ路地で偶然出会ったNPCのお姉さん達に、ちょっと匿って貰ったんです。相手は男性で、女だらけの作業場に入る勇気もなかったのか、そこで諦めてくれて本当助かりました。で、そこで出会ったお姉さん達ですが、じゃぶじゃぶ洗濯みたいなことやっていたので何をしているのか聞いてみたら、なんと洗濯じゃなくて布を染めてるとこでした。
そこでお手伝いクエストをクリアして染料のレシピを教えて貰ったので今度染めてみたいなぁ、と思ったわけです。
布を織る道具や染料は道具系のスキルで作れるんだけど、実際に織ったり染めたりするのは裁縫のスキルがないと出来ないらしい。
ということで〈裁縫〉のスキル取得です。
実際に服を作ったりは私にはできなそうなので布織ったりするだけだろうけどね。だって自分のセンスが信じられない……。
自分が織って染めた布でルルさんに服を作って貰うのが今の目標です。
因みにクエスト内容のお手伝いは、染料やまだ染めてない布を運んだり、水を変えたりといったお手伝いでした。……力仕事はやっぱり辛いです。
いつか織る布の為に今は機織りと糸車を最高rankまであげました。
……木材を集めるのが大変でした。
あとは舟です。
桟橋からの釣りはちょっと飽きてきたので、舟から釣りをしてみようと思って作りました。
ただ、普通の手漕ぎボートは不安定だったので、改良してちょこっと大きめの舟を作ってみました。更に安定感を出すため2つ繋げて双胴船ちっくなものになりました。いやー、思った以上に木材使用率高くて材料集めが大変だった。アラミアからリルマに行く森にいるウッドランっていうモンスターとたまに出てくるその上位種であるウッドランナーっていうモンスター、これがドロップする木材が使いやすいので使ってました。乱獲してきました。はい。
因みに機織りと糸車もこの木材を使っている。使いやすかったので舟でもそのまま使ってしまったんです。他の材料試している時間とサンプル素材もなかったしね。
そんなこんなで木材集めまくって舟を作りました。これはかなり時間はかかったけど良い出来栄えです。
……ええ、船だけで1週間半も使ったんだから良い出来でないと困ります。
湖に浮かべて使ってみたけど、やっぱり安定感が全然違います。移動は1人で漕ぐのは無理なので、まっちゃに引っ張って貰って移動です。2船の前にフックを取り付けロープを括り付け繋ぎ、それを嘴で引っ張ってもらうのです。スピードは出さないので今のところ舵はつけてません。
最近は湖に船を浮かべて、そこで釣りがお気に入り。まっちゃは日向ぼっこでごろごろしてます。
最後に高級肥料。
やっと手に入れましたよ、このレシピ!
薬草のrankAですが、やっぱり肥料のrankAで育てる事が出来ました。色々実験してみたんだけど、肥料を使わなくてもrankBまでは作る事が出来るようだ。これは単純にスキルのレベルが上がればrankC、そして収穫のタイミングではrankBになるらしい。肥料は収穫までの時間を短くする効果と、rankAの肥料を使って収穫タイミングが合うとrankAの作物が育つらしかった。これもミーア達が頑張ってくれてるおかげでわかったんだよね。今度またお菓子焼いてあげるからね。
高級肥料の材料は土、草、滋養根、強壮根である。そして草の数を増やせばrankが上がる。これはキノコや木になる作物に効くらしい。効果は肥料と同じで育成速度の短縮っぽい。まだrankAまで作れてないので確実ではないが。
このレシピを手に入れる為、1回リルマへ行ったのだけど……タゴサクさんと話せて良かった。これすら出来ずに帰ってくることになってたら泣いてたよ。
主な成果はこんなものですかね?
他にもお菓子やその他の料理、細々したものはあるけどそれはおいおい。
本当はもっと鍛冶とか特化魔結晶とか作りたかったんだけどね。鍛治では材料不足、特化魔結晶ではレシピが足りなくて作れずじまい……。レシピの取得出来そうな場所は何となく予想出来るので、そろそろ取り掛からなくちゃね。
明日は応援、そしてレシピ探しにいくぞー!
ということで今日はここまで。
次の日の1回目のログインはお薬作りをした。
rankAの薬草を作れることにより、それを材料としたポーションの効果も上がった。
なんとrankCのポーションで、rankCの薬草で作るポーションのrankAと同じ効果があった。
時間もそんなに無かったので今回はお薬作りの研究。
前にフルーツとポーションを組み合わせたら味付のポーションが出来た。今度は更に上を行けないかと考えたのだ。
果物系のアイテムでも美味しいポーションは作れるのだが、もっとお腹も膨れるものが作りたい。
ということで試行錯誤。
今回作るのはプリン味。
まずはプリンをお皿に出してアーツを使用。
「《乾燥》《粉砕》」
粉々になったプリン?を料理用のすり鉢でサラサラの粉状にして鍋へ投入!
さぁ、どうだ。
……失敗です。
HPを回復しない(失敗作)が出来上がった。
んーやっぱり無理だったか。
なんか乾燥させた時の感じがヤバメだったしね。
が、爆発しないということはプリン味はできるはず!
でもそのままを投入は違うと思うんだよね。
試しに抽出してみたけどよくわからない汁が出来た。
それを混ぜてみるもやはり失敗。
「なんか使えるアーツあったっけ?」
メニューを開きアーツを一覧で確認する。
でも分解とか腐敗とか結合とか、使えなそうだよね。
あとは……あ、プリンだし料理系のアーツ使えるかな?
みじん切りとか千切りとか、切り方シリーズのアーツは違うよね。あ、新しいの覚えてる。
「フリーズドライ?」
ん?これって乾麺とか作るやつだよね?
もしかして乾物とかできるんじゃない?
あ、昆布!
インベントリを開き、まな板と濡れたままの昆布を出す。
「《フリーズドライ》」
しゅっという音と共にピカリと光ると、そこには立派な昆布の乾物が置かれていた。
「おおー!」
これは使える。
ドライフルーツ作ったりも出来そう。干物も!
っと。
脱線してしまった。
昆布とまな板をしまうと再度プリンと向き合う。
新しいものをお皿に出しいざ勝負!
「《フリーズドライ》!」
ピカリと光り出てきたのは……なんだろうこれ?
恐らくプリンの乾燥物。
さっきの《乾燥》で作った物より色も圧縮度合いも良い。
これを《粉砕》からのゴリゴリ潰す。
サラサラになったところで鍋に投入。
どうだ!
ピカリと光って出来上がり。
瓶に移して……。
ーーーーーーーーーー
ポーション(プリン味)
rankC
HPを50回復する
ETを30%回復する
ーーーーーーーーーー
「おおー!出来た!」
やったー!
本当に出来てしまった。
お味の方はどうでしょう?
コクリ
……プリンだ。
飲むプリン。
しかもETの回復量も高いから一石二鳥だよね。
今度カレー味とか作ってみたいな。
カレーって本当美味しいよね。
3食食べても飽きないです。
クオに感想聞こう、と思い道具を片付けログアウト。
学校が始まってからは夏休みのように頻繁にログイン出来ないので時間短め。
学校から帰ってきて時間がある時は1、2時間ログイン。基本的には夜9時〜12時までログインする日々です。休みの日は予定が無ければ夏休みと同じように出来るんだけどね。
今夜はヤトの応援頑張るぞー。
ということでログアウトです。
本日2回目のログイン。
武闘会は夜9時から始まる。クオはリアルの8時45分ころホームに来るのでその前にちょこっと畑のお世話などをやってしまう。
「らららー!」
「ららら〜」
ミーアとキララが楽しそうに畑に水をあげている。なので私も水魔法でお手伝い。
「災なる水よ、我が手に集え、さあ、彼の地に降り注ぎ、その威をふるうのだ《レイン》」
天に片手を上げると雨がざぁっと目の前に降りそそぐ。2m四方といったところ。
魔法はスキルにセットすると視界の右下に専用コマンドが現れる。これは表示・非表示・戦闘時等設定を変えることが出来るみたい。
ショートカットに呪文をセットすれば、よく使うものは直ぐに選択する事ができたりする。
そして魔法を使うときはコマンドから呪文を選択し詠唱する。カンペみたいに視界に呪文が浮かぶのだ。それを口にし最後に魔法名を言うことで魔法を放つ事が出来るようになる。ただし詠唱には決まった時間があり、早く詠唱し終わっても魔法は放てない。カラオケのように視界に浮かぶ呪文の色が少しずつ変わっていくのだが、全て変わらないと魔法名を唱えることが出来ない。
実際口にする事は出来るが、余計な詠唱とみなされ魔法自体がキャンセルとなってしまう。全て色が変わってしまえば待機状態になるので魔法名以外を話してもキャンセルされることはないらしい。そこまでは詠唱以外は話せないのだ。あと詠唱を間違えてもキャンセルとなるので戦闘で使うのは慣れが必要だろう。
にしてもどんな調子で呪文を唱えていいかわかりません。ちょっと恥ずかしいよね。
ま、そんなわけで私は主に畑の水やりにのみ魔法を使ってるのです。
「ハナ、おはよ」
「あ、クオいらっしゃい!」
そんな時、扉からひょこっとクオが現れた。
「丁度一段落したし、とりあえずリビングいこっか?」
そして揃ってリビングへ移動です。
まだ多少時間があるのでちょこっとお茶して行きましょう。
「私も精霊召喚する為精霊石集める」
「本当に?クオって畑今は人雇ってるんだっけ?」
コクリと頷くクオ。
「ホームも欲しい」
何度かクオもこの家に来てるのだが、来るたびに魅力的だと思っていたらしい。
うん、憧れますよね、マイホーム。
「きゅきゅきゅ〜!?」
「ん?あ、ヤバイ!まったりし過ぎたね。ありがとまっちゃ!」
「行こ」
あぶない、あぶない。
このまままったり話し込みそうなところだった。
「ミーア、キララお留守番よろしくね」
「またね」
「きゅっ!」
そして3人で転移陣に乗りギリアートへ。
街につくとそこには人があふれていた。
今回は公式イベントということもあって、いつものようにイベント専用サーバーへと飛ばされるらしい。
ギリアートにいないと参加出来なかったので間に合って良かった。
ヤトは先に来て集中するって言ってたけど、大丈夫かな?
そして暫く話しているとイベント開始時間になった。
空にでかでかと『武闘会』の文字。
そして目の前にいつもの如くウィンドウが開く。
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『武闘会』開幕!
ついにこの日が来た!
強者よ集え!そしてその力を知らしめるのだ!
※専用のフィールドに移ります。イベントはこれから現実時間で3時間行われます。途中退出した場合戻れないので御注意下さい。また今回武闘会に参加しない観覧希望の方や屋台を出店する方も専用フィールドへ移動をお願いします。
イベントに参加しますか?
YES/NO
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クオとまっちゃとはパーティーを組んでいるのではぐれることはないだろう。
クオに一つ頷きYESを選択。
すると視界が暗転し気付いた時には観覧席のようなところに座っていた。となりにはクオ、腕の中にはまっちゃがいる。