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魔森編7 ~初めての人族と『・・・』~

初めての主人公以外の人族です


セリ「暁様、起きて下さい暁様。ご飯が出来ましたよ!スイもシルクもご飯ですよ」

セリが体を揺らして起こしてくる


暁「セリありがとう、スイ、シルクご飯食べるよ」

少し眠った御蔭で疲れを取ることができた



セリ「久しぶりの料理でしたので上手くできたかわかりませんが・・・どうぞ」

ただ肉を焼くだけなのに何か緊張したような面持ちで料理を差し出してくる

暁「ありがとうセリ美味しそうだね! それじゃあ、いただきます!」

手を合わせいつもの習慣をおこなうとセリとスイが不思議そうな顔をしてたずねてくる



セリ「その、いただきますっというのはなんですか?」

暁「食材になった生物や食材を作ってくれた人達、そして料理してくれた人への感謝の言葉みたいなものだよ

食べ終わったら ごちそうさまでした っていうんだ

食べるときの挨拶みたいなものだよ」


そう教えると感心したような顔になって 食前の挨拶をおこなう二人

シルクも一咆えすると食べ始めたどうやらシルクなりのいただきますのようだ



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



食事も終わり後片付けを協力して終わらせると皆でゆっくりとする

今日あった事や新しく見つけた果実などをセリに渡し雑談する


暫くするとスイが眠ってしまったので皆で眠る事にする

セリが夜の番をすると言い出したが流石に悪いので改善策をさがす


暁「(出来れば結界みたいな魔法があればいいんだけど・・・)」

また頭に呪文が浮かんできた


暁「(これ便利だけど・・・本当にどうなってるんだろうか・・・)」

そんな事を考えつつも折角の解決策なので深く考えないようにする



暁「『聖域(サンクチュアリ)』」



この魔法は指定した空間に結界を張り許可されたモノ以外の進入を阻むもののようで他にも効果はあるようだがそこまでは分からなかった


暁「これでこの洞窟の周りには魔物は近寄らなくなったから大丈夫だよ」

そういってセリの方を見ると今までにないぐらい驚いた顔で固まっている

目の前で手を振っていると気がついたのか慌しく問いたててくる



セリ「暁様!結界魔法が使えるのですか!?これは『失われた魔法(ロストマジック)』と言われるもう誰にも使う事のできないです!さすが暁様です!!」

なにやら評価が凄い事になっているが気になった点があった


暁「セリ、『失われた魔法(ロストマジック)』ってどういう事だ?」


セリ「大昔にあった人族と他種族の大戦で失われた魔法や技術が数多くあるのです

それでも懲りずに人族は他種族に戦争を仕掛けてますが、他種族はそれに反省して事を荒立てないようにしています・・・」


どうやらこの世界の人族は救いようが無いようだな・・・

暁「そうかあまり人目につかないようにするよ」


セリ「人族の悪口を言うわけではありませんが・・・人を騙して利用する方ばかりだと聞いていますのであまり人前では使わないほうがよろしいかと・・・」



暁「そうだったのか・・・教えてくれてありがとう助かったよ

人前では使わないようにするさ、とりあえずはコレで大丈夫だし夜番の必要はないよ」

そう伝えると寝床に行き横になる


セリ「ありがとうございます暁様!暁様は本当にすごいお方ですね!」

嬉しそうに言うセリに手を振り答えるとそのまま眠りに落ちた



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



セリ「(暁様は本当に素晴らしいお方です!あんなにも優しくて強くてカッコイイだなんて・・・)」

少し頬を染めながら身もだえしているとシルクが不思議そうに此方を見つめているのに気づき急いで平静を装うと寝床に入る


セリ「(暁様に出会えた事に感謝しなくては・・・何か私でお役に立つことがあればいいのですが・・・)」

寝床に潜ってからも色々と考えてしまいなかなか寝付けなかったが久しぶりの安全な状況に安心したのか何時の間にか眠ってしまった



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



翌朝、皆で朝食を食べると、この森についてセリと話す


スイには難しい事なのでシルクと一緒に遊びに行ってもらうことにした


暁「スイ、これでシルクと遊んでおいで」

スイにシルクお気に入りのフリスビーを渡すと投げ方をレクチャーする

嬉しそうにシルクと外に駆けて行く二人の後姿に拠点の前だけで遊ぶように伝える




セリ「まったくスイったら・・・すいません暁様」

暁「子供は元気じゃないとね、アレぐらい元気なら見てるこっちが嬉しくなるよ」

やはり子供は元気な方がいいな・・・と思いつつセリにこの森の案内を頼む


暁「セリはこの森は詳しいか?

出来ればある程度把握しておきたいんだけど・・・」


セリ「一応探索はしているので案内は出来ますよ」

鬼人族であるセリは魔法は苦手だが身体能力は高いようで魔物と遭遇しても逃げていたようだ


暁「じゃあ案内を頼むよ」


セリ「よろこんでお付き合いします」

にっこりと微笑んで了承してくれるセリに見惚れてしまうが、どうにか頭を切り替える



外に出るとスイとシルクが楽しそうに遊んでいた


暁「少し森を見て周るからこの拠点の周りで大人しくしてるんだよ

お昼は中にあるからお腹が空いたら食べるようにね」

二人にそう伝えシルクにスイの護衛を頼むと嬉しそうに了承してくれた


暁「それじゃあいってくるよ」

スイ「いってらっしゃいおにーちゃん!お母さん!」

手を振り見送ってくれるスイに癒されつつ探索に出発する



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



セリと森の中を走り水場や果実のなる木の群生地を教えてもらう

珍しい果実や調味料になりそうな実はボックスに仕舞っていく

魔物も数体遭遇したが石刀で先制攻撃して倒していく

もちろん使えそうなものはボックスに回収していく



セリ「さ、暁様はすごいですね!こんなにも森を走っているのに疲れてるように見えませんし・・・

この森の魔物をあんなにも簡単にお倒しになるなんて・・・

それにボックスでしたか空間魔法まで使えるなんて、流石暁様です!」


なにかセリの中での自分の評価の高さが気になったが女神様からの加護の御

蔭だと伝えておく



セリ「女神様から加護を授けられているのですか!?

この世界で加護を持っていた方々は英雄と呼ばれる者達だけですよ!!

すごいです暁様!!こんなにお優しい方が英雄と呼ばれる方々と同じだなんて・・・」


英雄の評価が少し微妙だったのが気になって尋ねてみると、どうやら英雄と呼ばれる者達は荒くね者が多かったらしく所謂『脳筋バカ』だったようで冒険者や騎士には受け入れられていたが一般市民からは敬遠されていたようだった



暁「なるほどね、おそらくその加護は戦いの神様の加護を貰った人達なんじゃないかな

俺は『木の女神様』と『大地の女神様』、『天空の女神様』に『知恵の女神様』最後に・・・」



最後のイレーナ様の加護を伝えようとした時、周りに何かの気配を感じて黙ってしまう



セリ「そんなに沢山の女神様から加護を頂いているなんて・・・やっぱり素晴らしい方なのですね暁様は!!

・・・暁様?どうされましたか?」


様子のおかしい暁に気づき急いで周囲を警戒すると何かに気がついたようだ



暁「何か集団が魔物に襲われてる・・・のか?

魔物にしては感じる力が弱すぎる・・・セリなんだと思う?」


セリの方に視線をやると怯えたような様子だ


セリ「お、おそらく・・・人です・・・種族までは分りませんが・・・魔物に襲われているようですね」


人・・・セリやスイの事を考えるとあまり近づきたくはない


暁「一応様子を見に行ってみよう、助けるかどうかは相手によるよ」

セリにそう伝えると不安そうにしながらも了承したので急いで反応のある場所に向かう



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



セリのスピードに合わせて走ったので時間がかかってしまったが何とか反応のあった付近に着く事が出来た

そこは信じられない光景が広がっていた



反応のあった場所では首輪を着けられた獣人や魔族の人々が魔物と戦っていた

亜人達は女性ばかりで中には小さな子供も混じっていた



人族(男)「おらおらぁ!お前らは魔物を引き付けやがれ役立たずどもがぁ!」

そう言いつつ男は魔物の攻撃を受け倒れてしまった魔族の子供を蹴り飛ばす


魔族(子)「あぐぅ」

獣人(女)「くそったれ人族め・・・小さな子が魔物と戦えるわけが無いだろう!!」


そう悪態をつきいた魔物と戦い続けている獣人の女性に男は鞭を振り上げる


人族(男)「お前達は黙って魔物と戦ってればいいんだよ!

てめぇらは消耗品だ!変えはいくらでも居るんだよこの醜い亜人どもめ!」


そう言って鞭を振り下ろし悪態をついた獣人を叩く


人族(男)「貴様らの様な醜い亜人は我々人族に使われるために存在するんだよ! 我々人族の役に立てる事を光栄に思うがいい!!

たまにはこうして間引いてやらねぇとお前達はどんどん増えるからなぁ

おらぁ!ここの魔物達を倒してこの森を開拓できたら助かるかも知れんぞぉ?」


この森の開拓など普通には出来ないことが分っているが諦めきれない人族は他の種族を奴隷にし、開拓のための礎としてこの森に送り込んでいた





ふざけた事を抜かしながら鞭を振り回す人族の男に怒りを覚えつつセリに尋ねる


暁「セリ・・・人族は皆あんなのばかりなのか?」

湧き上がる怒りを抑えながら尋ねる暁の様子にどう答えていいのか迷っていたが



セリ「はい・・・人族はあの様な者が殆どです・・・ですが暁様は違います!暁様はお優しい方だと分っていますから・・・」


そう辛そうに教えてくれるセリの頭を撫でて言う


暁「ありがとうセリ、そう言ってもらえると嬉しいよ

ところであの首輪がついている人達は奴隷であってるのかな?」


セリの御蔭で少し冷静さを取り戻した暁は怒りを押さえ込み状況把握に努める



セリ「ええ、アレが隷属の首輪ですアレを嵌められると登録された所有者の命令に逆らえなくなるそうです

解除は奴隷商人か奴隷の持ち主にしか出来ないと聞いています」


虐げられている亜人族を見て辛いのか苦しそうに教えてくれるセリを抱きしめ落ち着かせる


暁「大丈夫だセリ、セリは俺が必ず護るから心配要らないよ

奴隷については良く分ったよありがとう」


抱きしめられて落ち着いたのかセリはお役に立ててよかったですと嬉しそうに笑った


セリを抱きしめつつ、どうすればあの奴隷達を助けられるかを考える


暁「(まずは人族の排除、コレは決定事項だな慈悲は無い。)」


子供を魔物と戦わせている事や亜人を消耗品と言った事、死んでいった者達を役立たずと罵るこの男を許す事など出来ない



暁「(次は隷属の首輪か・・・コレは魔法でどうにかならないだろうか?)」


そう考えるとまた頭に呪文が浮かんできた


暁「(えーっと呪文は『支配解除(コントロール・リリース)』か・・・効果は言葉の通りだな)」


奴隷解放の目処も立ったので救出に動く事にした



暁「セリ俺はあの亜人達を助けてくる、セリは身を隠していてくれ

何か起こったとき護りきる自信が無いからな」


そう伝えるとセリは顔を輝かせて頷いた


セリ「やっぱり暁様はお優しいです!ですが・・・あまり無茶をなさらない様にしてくださいね」


暁「分った無茶はしないよ、じゃあ行って来る」


少し不安そうなセリの頭を撫でて立ち上がると亜人達の下へ走る



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



獣人(女)「くそぉ・・・もう駄目か・・・」

激しい魔物の攻撃に耐えられず吹き飛ばされてしまい意識が朦朧としてしまう


獣人(女)「(せめてあの人族の男を道づれにしてやりたいものだな・・・)」


こんな死に方をするなら最後ぐらいは憎たらしい人族を殺してから死のう


隷属の首輪のせいで叶わない願い・・・そんな事を考えていると何かが戦場に飛び込んできた


その何かはどうやら人族のようだ


獣人(女)「(ちくしょう・・・人族の応援か・・・あの人族だけ生き延びるのか・・・許せねぇなぁ・・・)」


そんな事を思ったときだった


飛び込んできた人族が鞭を振り回していた人族の頭を切り落としたのは


獣人(女)「なっ!いったいなにが起こってるんだい・・・」


その人族の男は同じ人族の頭を切り落とすとそのまま魔物達を屠っていく


獣人(女)「いったいどうなって・・・」


目の前で起こった信じられない事に理解が追いつかない


唯一つ分るのは魔物の脅威はもう無くなったという事だけだだった



●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



亜人族達の所にたどり着くとそのままの勢いで逃げ出そうとしていた人族の男を切り裂く


暁「お前は絶対に逃がさねぇよ!!」


人族の男が死んだのを確認するまでも無く周りの魔物達を倒していく


暁「おらぁあああ!!今の俺はイラついてんだよ!少し八つ当たりさせてもらうぜ!!」


この世界の人族・・・自分と同族の人がこんなにも屑な者達が多い・・・その事実が許せなかった



暁「俺はもう人族だろうが・・・同族だろうが関係ない!害をなすのなら全てぶちのめしてやる!」


少し期待していた人族に対する思いを踏みにじられた

全ての人族がそうじゃないのかもしれない、でも人族はこういうものだと理解して動く事にする


自分の仲間を危険に晒さない為にも・・・



暁「お前で最後だぁ!」


最後に残っていた魔物を切り裂くと少し呼吸を整える


頭に上っていた血を押さえ冷静さを取り戻す



暁「ふぅー・・・ふぅー・・・うし!落ち着いた!」

落ち着いてから亜人達に振り向く


暁「俺は敵じゃない、お前達を助けに来たんだ」


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