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短編集  作者: るむるむる
3/19

異世界トリップ


 「東京都にお住まいの、河口雄介さん(17)が、二日前から行方不明となっており、現在、警察で行方を追っています。河口さんは、二日前に友人と行動しており、友人とは二日前の夕方ごろまで一緒にいたと供述しており、警察は友人達の話を聞くと共に、何らかの事件巻き込まれた可能性もあるとみて、事件、事故両面から捜査を行っている模様です。それでは続いてのニュースです」


 そんなニュースが河口家のお茶の間に流れていた。

「まったく、雄介ったら……帰ってきたら、ただじゃおかないんだから」

 そんな事を言うのは雄介の母親だ。言葉とは裏腹に、顔色は悪く、息子の身を案じているのがよく分かる。


「大丈夫だよ、母さん。ほらよくあるでしょ? いわゆる思春期特有の親に逆らいたいって言う、反抗期ってやつよ。そのうちひょっこり戻ってくるわ」

 母親を慰めているのは雄介の姉だ。母親ほどは心配はしていないみたいだが、警察が動いていると言うことに一抹の不安を感じているようだ


「まったく、人様に迷惑をかけおって。しばらくは小遣いは無しだな」

 父親はここで自分が、あたふたしても余計に不安を煽るだけと判断し、気丈に振舞っているが、内心は雄介の無事を祈っている。


 とにかく、河口家では、行方不明になった長男を心配しているようなのだ。


               ─────────── 



「それで、君が最後に雄介君と行動していた友人だね?」

 警察の言葉に友人は素直にうなずく。

「うん、君が別れたとき、雄介君に何かおかしな言動とか無かったかな? 親への不満とか、なんでもいい何か気がついたことは無いかな?」


 相手が警察と言うこともあり、かなり萎縮しているようだが友人は素直に答えた。

「そう言われても……家族仲は良好だったと思います。雄介の口から特に不満を聞いたことはありません。帰ったらオンラインのゲームを一緒にやる約束をしていましたし、明日……あ、本来なら昨日になりますけど、一緒に遊ぶ約束もしていましたから……これといって特に……」

 それを聞いて警察は、渋い顔をしながら、取り合えず友人を解放した。


「うーん何らかの事件に巻き込まれたんですかね?」

 上司の一人にそう聞いいた。

「現状ではなんとも言えんな。話を聞くと性格は快活で、友人も多いそうじゃないか。いわゆる内気な人間が溜めに溜めたストレスが外に出てしまった……というのとは無縁な気がするが、そうなるとやはり事件の可能性も考慮しなければならないかもな」


                ────────────


 一方その頃。

「ヒャッハー皆殺しだぜえええええええ」

 盗賊を虐殺する雄介。


「おーアリス今日もお前は可愛いな。どれ、胸は成長したか? ちゃんと今日も揉んでやるからな。おい、ケイトそんなに頬を膨らませるな。お前もちゃんと可愛がってやるから」

 12歳くらいの少女と、自分と同い年くらいの女性を相手にハーレムを築いている雄介。


 家族のことはどこへやら。そしてこんな一言を言った。

「異世界サイコーー」

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