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打倒佑香! 期末テスト奮闘記(12)

「うう……ぐす、ぐす……」

「ほら、泣くなって。怪我したわけじゃないんだし、何をそんなに泣く必要がある」


「だって……あのまま転がって行っちゃいそうで怖かったんですもん……」

「行っちゃいそうになっただけで、ちゃんと受け止めたじゃないか。ちゃんと男らしく守

ったじゃないか。絵玖の身を」


「でも……絶対にパンツ見られました……」

「べ、別に見てないぞ? それどころじゃなかったし……絵玖の身の方を大事に考えてたぞ」


「ぐす……絶対嘘です……しっかりパンツ見た後、ふと我に返って慌ててあたしの手を掴みました……」


「いや、見間違いだって。何が起こったか一瞬分からなかっただけだって……」

「……何色でした?」


「薄ピンク色のとっても女の子らしいデザインのものだった」

「ほらぁ~、完璧に見てるじゃないですか~……嘘つき~」


「しまった、口に出してしまったぞ……」

「うう……秀吾くんは、あたしよりあたしのパンツのほうが大事だったんですね? 悲しいです……」


「いや、それは断じて違うぞ、絵玖! 確かに俺は女の子のパンツは好きだ。でも、それ以上に絵玖のことは大事に思ってるぞ! 絵玖のパンツ>絵玖だ。これだけは信じてくれ」

「……真剣なトーンでしゃべってるのに、全然真剣に聞こえないです……」


「ああ、その、悪かったって。何したら許してくれるよ? 教えてくれ」

「ぐす……何でもいいんですか?」


「い、いいぞ? 今の俺にできることだったら……」

「じゃあ……手、つないでください。そしたら、許すし泣き止みます」


「……手をつなげって? それだけ?」

「はい、それだけです」


「わ、分かった。じゃあ……」


 手汗をズボンに拭ってから……絵玖の手を握った。


「……にへへ」


 すると――あら不思議。絵玖はすっかり泣き止み、むしろ笑っていました。


「お前、嘘泣きだったんじゃないだろうな……」

「嘘じゃないです。それに、今の秀吾くんに反論する権利はありません」


「さっき、予約すればパンツ見せてくれるって言ってたじゃねぇか」

「それは予約の話ですもん。見せようと思ってないのに見られるのは、とっても恥ずかしいんですから……」


「間違ってないようで、間違ってるような……」

「何か、文句ありますか?」


「……いや、ないと言っておこう」


 それにしても――。


「随分変わったお願いをするもんだな? 絵玖は」

「へ? そうですか?」


「ああ、こんなお願いをされるのは初めてだよ」

「あたし、ちょっと変わってますから。だからお願いする要望も変わってるのかもしれません」


「そういうものか?」


 まあ、だから何だってこともないけどな。にしても、誰かと手をつなぐなんて……かなり久しぶりのことじゃないか? 


最後に手をつないだ記憶は……2年前の肝試し大会で佑香に握られた時だろう。本気で絶叫する佑香の姿を見たせいで、異性と手をつなぐドキドキ感はびっくりするほど感じなかった記憶がある。


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