プロローグ~忘れられない日々の始まり~(4)
「いいけどよ~。……それより、今日って何の授業するか覚えてるか?」
「いや、覚えてないな。つか、覚えられないだろ。先生いっつも気まぐれに授業やるからな」
「だよな~。個人的には川遊びがあれば嬉しいんだが」
「……ただ涼みたいだけだろ?」
「お前は涼みたくないのか?」
「そりゃあ涼めないより涼みたいが、そんなに毎日続けてするってことあんのか? 昨日だってあったじゃないか。俺はないと思うがな」
「マジかよ~。じゃあせめて川縁で授業してくんねーかな~」
「……お前は川の妖精か何かですか? 川縁から半径何メートル離れたら体調悪くなるとかそういう呪いでも持ってんのか?」
「でも、横に川があれば気分は良いぞ」
「……結局、祈るしかできないけどな」
「先生、恵まれない俺に川遊びの授業を受講させてください~」
「恵まれてない人間は川遊びをする余裕はないと思うのは気のせいか?」
「堅いこと気にすんな。まあ、何だ、今日も元気に頑張ろうぜ」
「ああ、だな」
――というわけで、こいつはガキの頃からの付き合いをしている三山亮。
今の話を聞いて分かったと思うが、お調子者で、人生をノリで生きてるような奴だ。
たま~に鬱陶しいと思うこともあるが、それを否定するとこいつの存在を否定してしまいそうだから普段は言わないようにしている。
こんな奴だけど、真剣な頼みごとをするとそれ以上の働きをしてくれるから、短所ばかりが目立つわけではない。
まあ、何だ、一言で言えば悪友って言うのかな。
「悪友とは随分な言われようだな」
「何だよ、俺別に何も言ってないじゃないか。考えてることは当たってるが」
「今の口に出す必要ないだろうに……悪友じゃなくて、親友って言ってくれないのかよ」
「言ってほしいのか?」
「少なくとも、俺はお前をそういう風に見てるが」
「……気持ち悪いぞ、お前」
「何故? そのリアクションはさすがにないんじゃないのかよ!?」
「あーあー、悪かった悪かったよ。亮は俺の親友だよ~」
「……全然気持ちが入ってないように聞こえるのですが?」
「さあ、今日も元気に学校に行くぞ」
「あ、おい! くそ、うやむやにされちまったよ。……あ、決してゲイではないからして、間違わないでくれよな」
……………………。