あの子って、実は意外と……(13)
「難しいよな、人付き合いって。仲良くなるのはすごく難しいのに、嫌われる時は一瞬で」
「はい……でも、それは誤解です。あたし、みんなと仲良くなりたいって思いは、すごく強いですから。ちょっと……信じていいのか、不安があったものですから」
不安、か……。昔、何かあったのか? って聞きたいところだけど、それはもっと仲良くなってからのほうがいいだろう。
まだまだお互い知らないことが多いのに、そんな深いところに足を踏み入れることは図々しいにも程がある。
だから今は――
「それに関しては心配ない、信じても大丈夫だと思うぞ。幼馴染の俺が言うんだから間違いない、あいつらも、心から須貝と仲良くなりたいって思ってるから」
「ほ、ホント、ですか?」
「もちろん。明日試しに言ってみるといい。友達になってくださいってよ、きっと快くOK出してくれるだろうさ」
「……そうですね、言ってみます。後、先週の愛想のない態度についても謝らないと」
「あれに関しては仕方ないことだ。俺が須貝の立場だとしたら、絶対ああなる自信がある」
「じ、自信持っちゃうんですか?」
「こういうのがいけないって分かってるんだけどよ……どうしても治らないんだ」
「そうなんですか。……あはは、あたしたちって、結構似てる部分が多いですね」
「そうだな。お互いに不安も解消されたし……仲良くならない手はなさそうだ」
「そうですね。……じゃあ、今五十沢くんに教えてもらったことを実践してみてもいいですか?」
「ん? 実践?」
そう言うと、須貝は俺の方に向き直り――
「えっと……五十沢くん。あたしと……友達になってくれませんか?」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……あの、五十沢くん、返事は?」
「おおっ!? すまない、ちょっとびっくりしてしまった」
「そう言うといいって言ったの、五十沢くんですよ?」
「言われる立場になるってことは全く考えてなかったもんで……こういうのには慣れてないんだよ」
「あはは」
「もちろん、OKだ。今日から、俺たちは友達だ。……須貝ばっかりに言わせるのもあれだから、俺も言っとくか。須貝、俺と友達になってくれませんか?」
「え? ……………………」
「……お前もフリーズしてるのかよ」
「あたしも、こういう立場に立ったことはないもので……」
「はは、そうか」
「こちらこそ、よろしくお願いします、五十沢くん」
「あー、その五十沢って呼ぶのは止めないか? 呼ばれ慣れてないから何だか気持ちが悪い」
「え? じゃあ何て呼べば?」
「俺の下の名前知ってるか?」
「はい、それは。秀吾って名前ですよね?」
「そっちで呼んでくれ。呼び捨てでもあだ名付けても構わないからよ」
「えと…………じゃあ秀吾くんで」
「うん、頼む」




