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あの子って、実は意外と……(2)

 ああ、そういえば須貝絵玖のフィーバーは一週間程経った今、収束に向かっているようだ。


 そりゃそうか、一週間ひっきりなしに質問続ければそろそろ聞きたいこともなくなってくるだろう。


 まだまだ俺たちのクラスに馴染めてるとはお世辞にも言えないが、かといって仲間外れになるってこともない。


 その辺は佑香が上手くフォローしているようだ。まあ偶数人のクラスになったわけだし、あぶれることに関する心配はほぼないんだけど。


 彼女も少しはこの田舎の生活に慣れただろうか。


 学校のシステムに関しては、都会でのものと変わりはないのかもしれないが、欲しいものがすぐに手に入らない状況は田舎ならではだ。言ってなかったが、この村にはコンビニなんてものは存在しない。


下の降りたところにポツポツと点在しているけど、てっぺんくらいの時間には閉店している。


 全然コンビニエンスではない。ただ、そこまで不便と思っていないから、誰もそれに関してグチを言うことがないんだろうな。


 俺たちはもう慣れてるから問題ないが、都会育ちの人間には少々時間がかかるかもしれない。まあ、そんなの承知の上でこっちに来たんだろうけど。


「――相変わらず、どうでもいいこと考えてるみたいな」


 後ろを振り返ると、いつもの幼馴染の姿があった。


「今考えてたのは、どうでもいいことってわけじゃないと思うぞ」

「そうなのか? 一体何のことだよ」


「須貝絵玖のこと」

「おお、マジかよ!?」


「何故そんなに驚く?」

「いや、ちょっと意外だったから。ちなみに須貝絵玖の何のことだよ」


「この田舎の生活に慣れてきたのかなって」

「おお、おお!?」


「だから何故にそんなに驚く?」

「逆に何でだと思う?」


「ん? ……俺が須貝絵玖の心配をしてるからか?」

「分かってるじゃねぇかよ、やっぱり一週間もすれば人は成長の兆しが見えてくるんだな。俺は嬉しいぞ、秀吾」


 そう言ってバシバシ背中を叩く亮。結構衝撃が大きい。


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