都会の街まで――ラブラブデート(9)
「これは、パクパク食べれてしまうな」
「やっぱりここのサラダは最高ですね。どのイタリアン料理屋さんよりも美味しいと思います」
「絵玖の中ではここがナンバーワンなのか」
「はい、正直ダントツですね。今まで通って、全種類食べましたけど、全部美味しかった
ですから」
「それはすごいな。普通どれか一つくらいハズレがあってもおかしくないはずなのに」
「あたし好みの味付けなんだと思います。何度か自分で味を探って真似しようと試みたことがあるんですけど、どうしても再現できないんですよね、残念なことに」
「でも、それで再現できてしまったら、このお店に来る機会が減ってしまうかもしれないから、それでいいんじゃないか? 簡単に再現されてしまったら店としてもちょっとあれだろうし」
「そうですね、素直に通うことにします」
「うん、それがいい」
…………。
――そしてちょうど食べ終わった頃に、メインディッシュが運ばれてきた。
「はい、お待たせしました。こちら、夏野菜とキノコのトマトパスタになります」
「おお~、これは美味そうだ」
「ふふ、ありがとう。頑張って作ったシェフも報われるわ」
「今日もサラダがとっても美味しかったです。ご馳走さまでした」
「お粗末さまでした。綺麗に食べてくれて嬉しいわ。パスタも綺麗に食べてちょうだいね」
「はい、もちろんです」
「じゃあ、ごゆっくりどうぞ~」
「……すげぇな、ソースも具もたっぷりだ」
さっきのサラダもそうだが、このお店は盛りがとっても気前が良く思う。きっとこれも、人気の理由の一つなんだろうな。
「じゃあ、いただきましょう」
「おう」
俺たちはそろってパスタに手を付けた。
「もぐ、もぐ……」
「あむ……」
これまた絶品の味付けだ。トマトベースの味付けの中にしっかりとスパイスが利いている。もちろんこのソースと野菜の相性は最高で、いくらでも食べれるような気がする。まあ、端的に言えば――




