たまには勉学に励んでる姿を見せるのもいいじゃないか?(3)
「今日は、何時に帰ってくるようにとか言われてるのか?」
「いえ、特に何も言われてませんよ。崎田さんは優しいので、あたしのさじ加減でいくらでも構いませんって」
「俺との関係は伝えてあるのか?」
「はい、そういう関係になったすぐその日に伝えちゃいました。すごく喜んでくれましたよ。今はとっても楽しい時期だから、一日を存分に満足してくれればそれでいいって言ってくれました」
「そうか。……俺は信頼されてるって考えて大丈夫なんだろうか?」
「はい、大丈夫です。崎田さんも、秀吾くんのことは気に入ってるみたいですから」
「まだ一度も会ったことないけどな」
「会わなくても伝わってるってことは、それはもう深い信頼ですよ」
「実際、絵玖のことは何があっても守るつもりではいるから、その信頼にそぐわないことはないはずだ」
「素敵なナイトさんですね」
「俺はナイトって感じではないな~。どっちかっていうと……………………」
「あれ? どっちかの例えを忘れてしまいましたか?」
「最近たまにあるんだよな……歳か……?」
「いや、それはないですよ。ど忘れくらい誰だってあるはずですし……ボディーガードとか、そういうのを言いたかったんですか?」
「うーん、ちょっと違うな。こんな変態にボディーガードは務まらないだろうし。率先して痴漢とかするぞ、きっと」
「危険ですね、それは……」
「……まあ、とりあえずナイトっぽくはないってことだけ分かってくれればいいか。何にしても、崎田さんの信頼を裏切らないようにするだけだ」
「よろしくお願いしますね」
「――んで、本題に入るが」
「あ、本題があったんですね」
「だから、いつ帰るように言われたかを聞いたんだよ。……夜、どっか行くか? 行くと言ってもここから行けるくらいのところだけども」
「そうですね~、例えば何処があります?」
「ん~、前に言った見晴らしの良い場所とか、それかいつも行ってる川とか……夜で検索をかけるとこれくらいかな。まあ、無理に家を出なくてもこうしてのんびりしてたいっていうのもありだぞ? ゲームで対戦とかでも十分盛り上がれるはずだし」
「なるほど、ゲームですか」
「お、何か食いついたみたいだな」
「あたし、あまりゲームをやったことがないので。興味は持ってたんですけど機械がなかったのですることができず……」
「ゲームは面白いぞ? やりすぎはいけないが、ストレスを発散するにはとても良い道具だ」
「秀吾くんはよくやるんですか?」
「たまにな、どうしても一人でやると盛り上がらない時があるから。まあ、週一、二くら
いのペースで。……じゃあ、ゲームデビューしてみるか?」
「はい、してみたいです」
「よし、じゃあ今日の夜はゲーム大会だな。今ありったけのゲーム持ってくるから、好きなのを選ぶといい」
「そ、そんなに持ってるんですか?」
「亮と一緒に、どっぷりハマった時期があったからな。といっても、極めてる人から見ればスズメの涙程度のもんだ」
……………………。