これが俗に言うバカップル(6)
――そして夕飯を食べた後は。
「ふう……えへへ」
俺の部屋に戻り……イチャイチャすることにした。さすがに今日はもう勉強する気が起きない。午前から午後までみっちりやったし、これ以上やっても頭に知識が入りきらないからな。
それに、俺たちは昨日から付き合い始めたばかり。恋人らしいことをやっても何も問題はないはずだ。
「秀吾くんの太腿、すごく心地良いです」
今の体勢は、絵玖が俺の太腿に頭を乗せて横になっている状態。俺が足を伸ばして寛いでるところに、絵玖が自然と頭を預けてきたらこんな感じになった。
「ゴツゴツして痛くないか?」
「そんなことないですよ。程よく柔らかくて、寝やすいです。……本当はこういうのって、女の子がやるものですよね」
「別にそうしなきゃいけないって決まってるわけじゃないんだ。女の子が男の膝に寝たっていいだろ」
「えへへ、じゃあ存分に秀吾くんの太腿でゆっくりさせてもらいます」
「ああ、十分に堪能するといい。俺は絵玖のほころんだ顔を存分に堪能させてもらう」
「ギブ&テイクですね」
「お互いに良い気分になれるギブ&テイクだろ?」
「そうですね。最高だと思います」
「んしょ……っと」
絵玖がちょっと体勢を直そうと体を動かす。その拍子に、スカートから際どい部分の太腿がチラッと顔を出す。……細いけど実に綺麗な足だ。
「……秀吾くんは、足も好きなんですか?」
「……バレるのがどんどん早くなってる気がするな。そんなに隠せてないか? 俺の目線」
「だって、この距離ですもん。簡単に隠せるものじゃないですよ」
「……仕方ないことだ。男は誰だって女の子の綺麗な足があれば、それに目線を奪われる。自然の摂理なんだよ」
「そんな大それたものなんですか?」
「ああ、そうだ。まあ極論を言えば、けしからん程綺麗な足を持つ絵玖が悪いんだけどな」
「ええ? あたしが悪いことになっちゃうんですか?」
「綺麗な足がなければそこに目線がいかないんだ。単純に考えればそうだろう」
「そうですけど~……何か釈然としません」
「とどのつまり、絵玖の足は魅力があるってことだ。俺は絵玖の足は大好きだぞ?」
「……秀吾くんは、絵玖の体が好きなんですか?」
「もちろんだ! 絵玖の体の部位の全てを愛してるぞ、俺は」
「うわ、すごい勢いで言い放たれました」
「絵玖は俺が好きな理想のプロポーションをしてるからな。胸もあるし、腰もきゅっとくびれてるし、お尻も大きすぎず小さすぎず……実にけしからん体をしている」
「秀吾くんは、全体的に整ったプロポーションが好みだったんですね」
「……変態だからそういう部分も特殊な体型が好きだと思いました、とでも言いたげだな?」
「そ、そんなことはないですけど。……もっと胸が大きい子が好きとか、そういうののほうが好きなんじゃないかな、とか勝手に思ってました」
「俺はそこまで大きさに拘りは持ってないからな。強いていえば、好きになった女の子の胸が好きだ」
「そういうところは紳士ですね」
「変態という名の紳士だからな」
「良いんだか悪いんだか分からないですね、それ」
「一石二鳥な言葉じゃないか? 響き的に」
「あはは、確かに秀吾くんにはピッタリかもしれませんね。でも……ありがとうございます、あたしの体を好きでいてくれて」
「当然だ。これからも愛し続けるぞ、俺は」
「うふふ♪」
「……………………」
「……………………」
少しばかり会話が止まり、お互いに見つめ合う時間が生まれた。瞳に映る絵玖の愛らしい顔……やっぱりどの角度から見ても絵玖の顔は素敵だ。