ついに決着! 期末テスト結果発表!(4)
「はぁ…………」
「ヒボズーンって、感じだな、秀吾よ」
「佑香という壁は、思った以上に厚いということを気付かされるな。……こんなにやったのに負けるって、最早勝てる気がしなくなってきた。どうやったら勝てるんだ? ……あのメガネ取り上げてみたりしたらどうなるかな?」
「そんなんで結果が変わったりしないわよ。アニメじゃあるまいし……それに私、コンタクトでメガネかけてない時だってたまにあるでしょうが」
「言われてみれば……じゃあどうする? ……予めテスト当日の佑香の朝食に睡眠薬を混ぜておいて……」
「はい、その時点で犯罪。警察行きです! 秀吾くんがどんなに良い点数をとってもそれは全て白紙になってしまいますよ~」
「くそ、ダメか……あーあ、このまま一度も勝てずに卒業してしまうのかな、俺……」
「秀吾くん、元気出してください。少なくともあたしなんかより比べ物にならないくらい高い平均点を出してるじゃないですか。80点以上の平均点を出してるのはたった2人なんですよ? その中に含まれてるって、そう簡単に成し遂げられることじゃないじゃないですか。だから、自信を持って大丈夫だと思いますよ」
「うう、絵玖の優しさが身に染みるよ……抱きつきたい……けどできない……勢い余って胸に顔を埋めかねない……まだ逮捕はされたくない……」
「そ、それくらいで通報はしませんよ?」
「じゃあいいの!?」
「そ、そういうわけではないですけど……学校では色々と……問題があると思うので」
「それはつまり、問題がなければいいってことに――」
「ていっ!」
「んぐわっ!?」
脳天にチョップが叩きこまれた。まあ、そりゃそうだわな……自分でも納得のいく制裁だ。
「TPOわきまえた発言をしなさい。いいわね?」
「はい、分かりました!」
「わっ、切り替えが早い……」
「切り替えは秀吾の得意技なんだよ」
「そうなんですね」
「まあでも、前回よりも大差つけて勝つことができなかったから、秀吾は成長したってことは事実でしょ。私もうかうかしてられないわね」
「だが、負けは負けだ」
「それはそうだけどさ……次も挑戦、待ってるわね」
「正直が10度目になる前に、何とか一度初勝利を……」
…………。