ついに決着! 期末テスト結果発表!(3)
――8位から6位まで、平均点は軒並み低かったが、ここからは一気に跳ね上がると思われる。今までがそうだったからな。
「第5位、平均点は63点」
ちなみにさっきまでの平均点は53点だった。どれだけ下位と上位の差が開いているのかが伺える。
「木原さんでーす」
「……前回より一つ順位落としちゃったわね……」
ちょっと残念そうに、木原は順位と得点表を受け取り席に戻った。
「続いて第4位、平均点は67点です。……第4位は……初参戦で頑張りました、須貝絵玖ちゃんでーす」
「わぁ、やった~」
口元を抑え、びっくりしながらも喜ぶ絵玖。クラスメイトも『おお~』と声を上げて拍手をしていた。
「大健闘だね~、おめでとう~」
「これもみんなに教えてもらえたおかげです」
「悔しいわね、4位は私の居場所だったのに~。次はまた奪い返すわよ」(木原)
「はい、その時は勝負ですね」
絵玖が俺たち以外のクラスメイトとも普通に会話できてるのを見ると、純粋によかったなと思う。みんなに心を許せるようになってきてるってことだから。
「はい、じゃあ第3位。ここからはもうお馴染みの順位になってきてるね。第3位、平均点は78点――松本さんでぇす」
パチパチパチパチ。
ちなみに松本も松本で、1年の時から3位しかとったことがない。所謂俺のようなジンクスを持っているクラスメイトだ。
「平均点が上がってるのは立派だよ。この調子で次は80点に乗せられるようにね~」
「はぁーい。……秀吾と佑香を打ち倒す方法は見つからないのかな~」
俺はその感情とほぼ同じものを佑香に抱いているぞ。
「――さあ、次はいよいよ第2位です。平均点は――85.7点。ここまで残ってるのは――秀吾くんと佑香ちゃん。果たしてどっちが勝ってるのかな~? 秀吾くんかそれとも佑香ちゃんか」
無駄に引っ張るな、もう結果は出てるというのに……。
「第2位は――秀吾くんでぇ~す」
「…………」
分かってはいたが、突きつけられる現実のダメージを回避することはできなかった。
「正にシルバーコレクター、ここまで来たらもう芸術的だよ、秀吾くん~」
「うぐ……」
「おい先生、秀吾に追い打ちかけるようなこと言わないでくれ。結構気にしてるんだから」
「そうなの?」
「顔見れば分かるだろ……」
「じゃあ……ドンマイ!」
「うう、ぐすん……」
それはそれでなかなか傷つく一言だった。
「じゃあ、最後――第1位。平均点は88.3点」
全然離されてるじゃんか……。
「今回も見事1位を死守しました。第1位は――真行寺佑香ちゃんでーす」
「いぇい!」
ピースをしながらメガネを直すインテリ娘。俺に目が合うと――。
「んふふ」
ニッとした表情を浮かべて笑いやがった。五十沢秀吾……夢叶わず……。
「次も1位取れるように頑張ってね」
「はい、もちろんです」
「みんなも、次はもっと上を目指せるように復習は欠かさずしてくださいね。連絡事項は一点だけ。明日は前期の終業式があるから、午前中で学校は終わり、明後日からは夏休みがスタートします。それに伴って夏休み中の課題を配るから、絶対に休まないようにしてください。特に亮くんは、課題を受け取りたくないから自主休校とかしないようにね。仮に休んだとしても、誰かに頼んで届けてもらうから」
「……ちっ」
どうやら狙ってたようだ。
「それじゃあ、また明日元気に登校してきてね? お疲れ様でした~」
――キーンコーンカーンコーン。