ついに決着! 期末テスト結果発表!(2)
「……………………」
「ああ、秀吾くんが打ちひしがれてます……」
「ふふん、結局いつもと変わらぬ結果になったみたいね~」
「ぐやじいぞ~! あんなに努力じだのに~、前どぼどんどがわっでないなんで~!」
「言葉が濁りすぎて何を言ってるのか分からないぞ、秀吾」
「まあ、そうね。……私の努力のほうが勝ったってことでしょうね」
「くそ~、俺の野望が……こうもあっさりと打ち砕かれるとは……俺はこれから、何に希望を見出して生きていけばいいんだ……」
「どんだけあんたの中の巫女服の存在は大きいのよ……」
「サンマの塩焼きの次に好きだ」
「比べるものがおかしいでしょそれ」
「うう……いとかなし……」
「あはは……」
「え、絵玖ちゃんはどうだった? 結構良かったんじゃない? 表情を見る限り」
「どうなんでしょう? やっぱり今回が初めてなので、それが基準になるから。でも、勉強した分の得点は取れたかなって思います」
「そっか。なら、満足は言ってるのね」
「総合順位によっては、もうちょっと喜べるかもしれないです」
「……ミャンマーは? 今回の結果」
「まあ、前回よりは格段にいいだろう。やはり3徹は絶大な効果があったようだ。ここに来てついに最下位脱出ができるんじゃないかと思うぞ」
「へぇ~、そんな答えが返って来るとは意外だったわ」
「お前な、意外って言うな意外って……」
「あ、ついうっかり。ごめんなさいね~」
「……何かムカつくな、お前」
「気のせいよ、気のせい」
ガラガラ。
「はぁ~い、じゃあ最後に総合順位の結果を発表するよ~。名前を呼ばれたら順々に取りに来てね~」
先生が教壇の前に立ち、用紙を確認する。
もうお互い見知った顔だから、誰が何点をとって何位になろうが馬鹿にする奴もいないから、基本的に総合順位の結果に関してはオープンである。
いつも下位から上位の順に発表されるから、後に発表されればされるほど、結果が良かったということになる。
逆に早く呼ばれれば呼ばれるほど……ということだ。
「では早速10位から――と言いたいところなんだけど、何と、今回10位はいません! 同率9位が二人いま~す!」
「――っしゃあ!」
先生がそう言った瞬間、亮が大きな声を上げガッツポーズを取った。
「やったぞ~! ついに最下位を脱出したぞ~」
「同率9位ってことは、実質最下位みたいなものなんだけどね……」
「佑香、今は意地悪は言ってやるなよ。あいつにとっては、これは大きな進歩なんだろうからさ」
「……そういうところ、秀吾は大人だよね。変態なのに」
「褒めて終わってくれよそこは。何故最後貶してしまうの」
「何か、普通に褒めるだけじゃ気持ち悪い感じするから」
「全然褒めてだけ欲しかったですけど?」
「じゃあ呼ぶよ? 同率9位は……亮くんと高橋くんでぇす」
「ふははははは、ついに俺の時代が来たぜ。3徹様々だったな」
「くそ、まさか亮に背中を掴まれるとは……」
「俺の本来の才能が発揮されたってことよ」
「まあ、これで喜んでほしくはないんだけど~、補習をやらなくて良い点数だったから今回は許すよ。次も絶対取らないようにね? 二人とも」
「ほーい」
「じゃあ次、8位を発表しまぁす」
…………。