炎と硝子の海
硝子の海を裸足で踏みつけ
わたしの身体はごうごう燃える
血走る黒目のむなしいばかり
わたしはどこにいるのだろう
細い隘路の暗渠の上に
背骨を曲げた怪獣がいて
辺りを見回す わびしいあまりに
今日も夕暮れ 地べたに泣き伏す
空の心に誰が寄るものか
ただ台風の目のごとき心
手を足を伸ばす さみしいあまりに
まだ燃え続ける 風に火が付く
憧憬の過去 その為に生きた
懐かしがって振り向くわたしの
横を通り過ぎ 飛びゆく蜉蝣
硝子の海など見もせずに......