分断された日本:列強の傀儡国家と化した極東の島国
第1章|アメリカの退場と代理戦争の舞台化
南北戦争でアメリカが自壊的分裂を遂げた1860年代末、極東アジアは突如として英仏の
地政学的真空の埋め合わせ戦場となった。従来アメリカが果たしてきた「中立的調停者」
あるいは「勢力均衡の楔」が消滅し、日本は列強の代理衝突の焦点へと転化する。
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第2章|北日本政府(仮称)=フランスの衛星国家
✶ 蝦夷共和国ではなく、蝦夷保護領
旧幕府残党はフランス海軍と陸軍顧問団の支援のもと、1869年、蝦夷地(北海道)に
「北日本政府」を樹立。榎本武揚らが名目上の首脳陣を務めつつも、実権はレオン・ロッ
シュを長とする在蝦夷仏軍政局に握られる。
✶ 経済植民地化:「蝦夷開発公社」
• パリの資本で設立された**「蝦夷開発公社」**は、石炭・木材・水産資源を収奪。
• 労働力は東北から流入した没落士族や農民で構成され、劣悪な労働環境・現地通貨によ
る支給(事実上の奴隷労働)。
• 鉄道網や鉱山インフラは全て仏資本が独占し、輸出港の函館はフランス海軍の準拠点
に。
✶ 軍事と行政のフランス化
• ルベル銃、グラモン砲、小型軍艦「カスティーユ」級などが供与され、蝦夷軍(旧幕
軍)は事実上の仏外人部隊へ。
• 官僚機構はフランス式に再編され、各地に駐在する「軍政監」が実権を握る。
• 反仏的言論や活動は厳しく取り締まられ、函館にはフランス語と日本語が併記された戒
厳令下の行政公告が日常化。
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第3章|南日本政府(仮称)=イギリスの準属国体制
✶ 見せかけの独立、実態は半主権国家
明治新政府を名乗る「南日本政府」は、列強の中でもイギリスに全方位的依存を深め、外
交・軍事・経済を「指導」される国家に変貌する。
✶ 財政統制:「日本財政顧問団」
• 英国ロスチャイルド家系資本と英印銀行の借款により、新政府は莫大な外債を抱える。
• ロンドンから派遣された「財政顧問団」が国家予算を査定・承認する制度が敷かれ、日
本は自主的な財政運営能力を失う。
• 酒税や塩税などの収入は、担保として横浜や長崎の税関から直接英国に送金される。
✶ 軍事指導:帝国式軍政
• 新政府陸軍はエンフィールド銃、マーチニー=ヘンリー銃を導入し、英国陸軍教官団が
幕末の志士を将校に育成。
• 海軍は完全な英国海軍制:帆船ではなく蒸気艦主力、艦名は英語式(例:IJNS
Victoria )。
• 横須賀は日本海軍の拠点ではあるが、英国海軍の常駐港と化し、半植民地的空気を漂わ
せる。
✶ 経済支配:構造的従属経済の形成
• 鉄道・造船・電信網はマンチェスター、グラスゴーなどの英資本が直轄。
• 製鉄所や鉱山も英資本が優先入札、結果として**日本は「綿花も取れないインド型工業
基地」**と化す。
• 輸出製品は安価で買いたたかれ、輸入製品は高額で売られる不平等経済構造。
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第4章|日本国内の構造:南北分断と内戦持続
✶ 南北内戦の泥沼化
• 明確な前線は形成されないが、東北・北陸・中部山岳地帯が衝突地帯となり、ゲリラ的
戦闘や「越後戦線」「信越戦争」などの局地戦が多発。
• 北日本軍は蝦夷・奥羽鎮台を展開し、南政府は中部・関東鎮台で対抗。
✶ 名目上の「天皇統一」は幻想に
• 明治天皇を戴く南日本政府とは別に、北日本でも**「東武宮」や「大政奉還継承者」**
を担ぐ神道保守勢力が「正統」を称す。
• 両政府とも統一を口にするが、背後の英仏が統一を望まないため膠着化。
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結語|日本、帝国にもなれず、植民地にもなりきれず