一式戦闘機 鍾馗(キ44)(Imperial Japanese Army Type 1 Fighter “Shōki”)
■ 開発経緯
1939年、南日本陸軍は、欧州での戦訓や戦略航空の発展を受けて、従来の機動性重視・
軽武装な戦闘機(例:キ27など)から、火力・速度を重視した「重戦闘機」路線への転換
を志向。
海軍の零式艦上戦闘機の登場にも刺激を受け、より陸軍独自の要求に適合する高性能機の
開発が求められた。
開発主担当は中島飛行機。エンジンは陸軍と海軍の共同調整により、当初より三菱製の
「金星」空冷エンジン(1,400〜1,500馬力級)を搭載する前提で設計された。
■ 技術的特徴
要素 内容
全長 約8.75m
全幅 約9.45m
空虚重量 約2,500kg
全備重量 約3,400kg
エンジン 三菱 金星 二二型(1,500馬力級)
最大速度 約600km/h(高度5,000m)
航続距離 約1,500km(増槽あり)
武装 翼内 20mm九九式機銃(エリコン系)×2、機首 12.7mm機銃×2
爆装 翼下に250kg爆弾×2(または増槽搭載)
特徴 高速・重武装、上昇力に優れ、離陸滑走距離がやや長め
■ 運用と配備
• 1941年から少数部隊で運用が開始され、1942年には一式戦として制式採用。
• 海軍の零戦が制空戦闘に特化する一方、鍾馗は迎撃・爆撃支援・地上攻撃まで対応可能
な戦闘爆撃機として多用途に使用された。
• 特に北方国境地帯において防空主力となった。
• 高高度性能や火力の高さから、外国製の重武装機とも互角以上に交戦可能であり、陸軍
航空隊の象徴的存在となった。
■ 評価と後継
• 機体の操縦性にはやや癖があり、未熟な搭乗員には難しかったが、熟練搭乗員の手では
非常に強力な戦闘機となった。
• 後継機として四式戦闘機(キ84系)が開発されるが、本格量産は対独戦備15ヵ年計画の
中に含まれる予定であり、1940年代後半までは一式戦が主力を担い続ける。




