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ラグランジュ・コロニー建設開始 — 2040年代末、日本連邦主導の「宇宙定住圏」構築へ —

【Ⅰ. 計画開始の背景と戦略的意義】

ラグランジュポイントとは?

• 地球と月の引力が釣り合い、相対的に安定した位置に物体を配置できる空間的特異点。

• 特にL4・L5は月の公転軌道上にあり、恒常的なコロニー配置が可能。

• 月・地球・小惑星帯へのアクセスも効率的で、宇宙交通のハブとして理想的。

戦略的背景(2040年代末)

• 地球は依然として大半が核・化学・生物兵器汚染地域。再定住の目処は立たず。

• 宇宙往還機〈かがち〉型の改良型、軌道射出装置〈出雲〉の稼働により、大規模宇宙構

造物建設が可能に。

• 〈あまてらす壱号〉などの低軌道コロニーで閉鎖環境における社会・医療・農業システ

ムの実証に成功。

• 日本連邦・英連邦・蝦夷共和国を中核とした「文明圏」は、地球外定住を政治的・文明

的義務と定めるに至った。

---

【Ⅱ. 計画名称と体制】

計画名:〈やまと計画〉

• 日本連邦が主導。英連邦・蝦夷共和国が資材・工業力・人員面で分担。

• 英語表記:YAMATO (Yamato Advanced Modular Orbital Transit Operations)

体制:

領域 担当

主体国家 日本連邦(設計・統合管理)

技術支援 蝦夷共和国(構造材、密閉環境技術)

建設支援 英連邦(太陽エネルギー制御・軌道建設機)

安全保障 日本海軍宇宙艦隊(〈かがち〉型による警戒)

---

【Ⅲ. 建設フェーズ】

年 フェーズ 内容

2048年 調査準備 ラグランジュL4・L5に無人観測衛星を投入、環境・通信・太陽放射線の

詳細分析開始

2050年 前哨建設 自動組立機・太陽発電衛星・燃料貯蔵モジュールを搬入し、建設基地を

設置

2052年 本体着工 中央骨格トラス構造・人工重力用フレームを軌道組立。建材は主に小惑

星由来。

2055年 居住開始 人員輸送とともに第一居住区が稼働。定員5,000人規模の中間運用段階

へ。

2060年 拡張段階 商業・医療・教育・農業・娯楽機能を加え、文明圏都市型コロニー化が

本格化。

---

【Ⅳ. 技術仕様と構造設計】

コロニー型式:〈やまと壱型〉

項目 内容

形式 オニール型双円筒構造(回転重力型)

回転半径 各筒4km/全長8km

人口目標 初期5万人/最終設計人口25万人以上

重力環境 0.9〜1.0G(回転による人工重力)

保護 水循環層+磁場遮蔽フィールド(太陽嵐対策)

居住環境 昼夜再現・四季演出照明/自然景観再現施設あり

生態系 完全再生型:微生物→植物→小動物→人間の循環圏を形成

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【Ⅴ. 運用・社会構成】

• **政府代表部・宇宙民自治団(コロニー評議会)**を設置

• 学校・病院・放送・図書館・宗教施設が揃い、独立した文化圏としての自己循環が可能

• 宇宙港からは〈かがち改〉型が週次で人員・物資を往還

• 蝦夷製の〈虎〉型多脚作業機が建設と保守を担当

• 英連邦が運用する「太陽光反射リング」によって昼夜制御・発電・通信も統一制御

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【Ⅵ. 文明的・象徴的意義】

• 地球文明が荒廃してなお存続可能であることを象徴的に証明した拠点。

• ここに生まれた子供たちは、「地球を知らない新世代」として人類第二文明の民とな

る。

• 宇宙での恒常的居住・文化再建・外交接点(後年の宇宙開発同盟の母体)として中心

に。

---

結語:〈やまと〉は第二の文明の礎

地球が滅びゆく中、

新しい“人の国”は、

宇宙の静かなラグランジュ点に築かれた。

それは方舟ではなく、

新たな大地であり、

もう一つの日本だった。

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