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〈かがち〉型宇宙往還機 — 日本連邦が築いた、軌道への橋梁 —

【概説】

〈かがち〉型は、日本連邦が2000年代初頭に実用化した再使用型宇宙往還機である。

名称は火と空の神「迦具土かがち」に由来し、地球と宇宙、文明と混沌とを結ぶ象徴

的存在とされた。

本機はナチス・ドイツ崩壊後の紙挟み作戦により回収された航空宇宙技術資料を基盤に、

日本連邦が完全自力で再構成・発展させた“新世界型航空宇宙機”である。

【開発経緯】

背景:1958年のヒトラー死去後、欧州は内戦と核汚染で荒廃。

→ 1960〜80年代、日本連邦・英連邦による「紙挟み作戦」でナチス航空宇宙技術の大規

模回収が実施された。

回収された資料:

デルタ翼超音速機の設計図

再突入体の熱制御実験データ

液体酸素・液体アルコール系ロケットエンジンの研究資料

これを基に、1990年代後半より日本連邦の「宇宙技術総合研究院(NITRA)」が〈かが

ち〉型を設計・試作。

初飛行:2003年、軌道往還初成功:2005年

【機体構造・性能】

項目|内容

全長|約78m

全幅|約52m(主翼展開時)

全高|約11m

空虚重量|約130t

最大離陸重量|約300t

乗員|最大6名(または無人運用)

最大速度|大気圏内:マッハ6.2 / 軌道滞在:最大2週間

搭載能力|2~4tの貨物・衛星・観測機材など(または最大6名)

離着陸方式|滑走路(水平)方式(トラック基地)

【推進機構】

フェーズ|推進方式|備考

地上~成層圏|液体燃料ロケット+ラムジェット補助|加速後、母機切り離しも選択肢

あり

成層圏~軌道|液体酸素+液水燃焼式ロケットエンジン(2基)|ナチス設計を再構成、

燃焼効率向上

再突入~着陸|滑空降下+可変翼制御+高性能耐熱外皮|空力制御のみで着陸可能(無

動力)

【技術的特徴】

主翼:可変前進翼型デルタ翼

低速安定性と高速度での耐熱・揚力を両立

外皮:三層耐熱セラミック+ニッケル合金制振層

ドイツ技術資料を元に、日本連邦素材研究所が独自再設計

航法・制御:慣性航法+光学補正系統

電子戦環境下でも再突入可

自律帰還:無人再突入モード

〈かがち改〉以降の機体では自律滑空・自動着陸が可能

【型式と運用】

型式|名称|用途|特徴

RRX-01〈かがち壱型〉|試作・技術実証軌道飛行・データ収集|2003年初飛行、試験完

遂後退役

RXB-01〈かがち改〉|軍民汎用|軌道補給・偵察・制圧|実戦配備・宇宙輸送任務の中

核機体

RXB-02〈たけみかづち〉|軍用特化|高高度爆撃・電子妨害|汚染区域爆撃任務に従

事、NBC下対応

RXI-01〈やたのかがみ〉|情報収集|偵察・軌道監視・生物センサ|NBC監視と戦域情報

連携用

RRC-01〈いざなみ〉|宇宙輸送|コロニー資材搬送|小惑星資源建築にも対応

【戦略的位置づけ】

日本連邦・英連邦・蝦夷の“制宙権”確立の象徴

地球の無政府地帯に対する:

偵察

観測

制裁

を一機体で遂行可能。

スペースコロニーや宇宙発電所の建設・補給における唯一の有人往還手段。

軍事・外交・科学の境界を越える、多用途・戦略的万能機。

【描写:軌道からの帰還】

成層圏の境界で翼を広げ、銀色の機体はゆっくりと姿勢を変える。

航跡を残さず、音も立てず。

その滑空の下では、かつて国家だったものが崩れた都市が広がる。

〈かがち〉は雷でも爆弾でもない。

“空に潜む文明”の、静かな意思表示であった。

結語

〈かがち〉型宇宙往還機は、日本連邦がかつて滅んだ世界から拾い上げ、磨き上げ、再創

造した“宇宙文明機”である。

それは、過去の残響でも未来の希望でもなく、生存のために技術を昇華させた、新たな

時代の飛翔体であった。

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