1990年代の中華地域 ― 戦争が国を失い、土地が国家を名乗る ―
歴史的経緯:1940〜1970年代
1940年代:国民政府(親ナチス)と、汪兆銘政権(親日英)に分裂。
1950年代:両政府の全面衝突と共産系ゲリラの増大により、内戦は三つ巴に。
ナチス・日本連邦・英連邦・蝦夷共和国・中華残党軍・赤軍残党などが入り乱れ、BC兵
器(生物・化学)も多用される。
1970年代には中華世界全域が無秩序地帯と化し、国民国家としての「中国」は崩壊した
ものとみなされる。
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地域別情勢(1990年代)
地域|状況
沿岸部(上海・広州・南京など)|親ナチス政権が依然として都市を掌握するも、暴
動・空爆・テロが日常化。ドイツ軍事顧問団が駐留。
中華人民共和国の旧内陸部(四川・湖南・雲南など)|共産系残党・農村ソビエト・宗
教革命勢力が複数割拠。BC兵器が最も集中的に使用された「赤の疫病地帯」。
満州地域|軍閥化が進行。日本連邦の浸透工作により、一部地域は親日自治軍に併合。
蝦夷共和国の諜報活動も活発。
チベット・西域(新疆)|中央政府の統治が完全崩壊。土着仏教軍、回教武装集団、欧
亜過激派が入り乱れる。一部ナチス残党による“宗教改造”実験が実施された記録も。
権力構造と軍事的状況
■ 親ナチス中華国民政府(南京政権)
名目上は「大中華国」を名乗り、ドイツ第三帝国の属国的位置にある。
装備・教育・思想体系がナチス化しており、反抗勢力に対し民族浄化的措置を取ってい
る。
主要都市以外はほとんど制圧できておらず、都市=要塞、農村=無法地帯となっている。
■ 親日英の汪兆銘系残党(広東・福建)
日本連邦・英連邦との連絡線を維持しながら**“中国近代主義の温存”を試みる**が、
支配地域は狭く、難民流入とテロ活動によって衰退傾向。
沿岸都市での海軍・航空支援は受けているが、戦力的には局地制圧が限界。
■ 共産残党・農民革命軍閥
内陸部を主な根拠地とし、毛沢東思想の変異体・宗教的終末思想・武装平等主義などを掲
げる集団が無数に割拠。
BC兵器の使用が最も頻繁に行われたのはこの勢力圏。細菌戦により“死の盆地”が多数存
在。
民間人を徴兵・洗脳し、“革命共同体”を形成。
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社会・民間の状況
平均寿命30歳未満、都市部以外の死亡率は戦場より高い。
出生率の急落、BC後遺症(不妊・突然変異・認知障害)を抱えた世代が多数。
一部農村では「疫病神」の信仰が支配し、BC兵器後遺症者を神聖化・生贄化する文化も
出現。
インフラ、教育、通信は全て崩壊。文字より口伝・伝承が優位な状態。
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文明圏の対応
■ 日本連邦・蝦夷共和国
主要目的は:
親日自治圏(満州・沿岸部)への限定支援
難民流出阻止(朝鮮・沖縄方面の水際封鎖)
紙挟み作戦の極限的実施(大陸奥地では不可能)
難民は日本連邦・蝦夷共和国によって船・陸路ともに強制排除。
一部科学者・技術者を**夜間密航・ドローン空輸で亡命させる“竜の羽作戦”**が実行され
る。
■ 軌道・情報制御
軌道衛星により、BC汚染分布、核使用地点、空白都市の照度状況が監視されている。
北京・成都・南京などの一部地域には、**夜間でも“完全照度ゼロ”の“文明無化領域”**が
出現。
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総括
中華世界とはもはや、地理用語でしかない。
国家も、民族も、思想すらも定義できない暴力の地層が幾重にも重なり、爆裂し続けて
いる。
それでも人は生まれ、戦い、祈り、死んでいく――
そのすべてが「戦後」のままで止まった世界、それが1990年代の中国大陸である。