1990年代のアラブ〜インド西部 ― 聖地の炎、油の泥沼、砂上の戦略 ―
歴史的背景:ナチス東進と中東戦線の発火
第二次大戦においてナチス・ドイツは東欧・ロシアを突破し、中東方面への拡張を本格
化。
スエズ・イラク油田・ペルシャ湾支配を狙うナチス勢力と、英連邦・日本連邦の防衛圏が
中東で直接衝突。
1950年代以降、イラン高原・トルコ南部・アラビア半島北部は全面戦場と化し、化学兵
器・細菌兵器の大量投入が確認されている。
---
地域別情勢(1990年代時点)
地域|状況
中東諸国|1960年代から内戦・宗派抗争・ナ
チ代理勢力の台頭で**“聖地廃墟帯”化**。バグダッド・ダマスカス・ベイルートなどは無
人都市。
サウジアラビア・アラビア半島中部|王政は崩壊。石油施設の大半が破壊または傭兵国
家に接収され、各地に武装拠点が割拠。
イラン高原|核実験・VXガス使用などの“戦術実験場”としてナチスと英連邦が交戦。現
在も居住不能地帯が多数存在。
パキスタン・アフガニスタン西部|紛争・宗派闘争・核汚染により崩壊。タリバン系、
汎イスラム武装国家、原理教団が交差支配。
インド西部(グジャラート~ラージャスターン)|ナチス側が煽動したヒンドゥー至上
主義暴動と戦略核使用の応酬により、都市圏は多数壊滅。ムンバイはほぼ灰燼。
支配構造と社会状態
■ 国家機能は全面崩壊済み
アラブ世界は国家間秩序が消滅。
→ 民兵・教団・都市自警団・宗教軍事複合体などがそれぞれの聖地・資源・輸送路を制
圧。
イラン・パキスタンでは残存政府が地下政権化し、ゲリラ指導体制を敷く。
油田の一部は無人自動採掘施設が機械的に稼働しており、武装商団や傭兵企業が略奪対象
に。
■ 軍事的状況:世界最大の“火線交差地帯”
ナチス残党の中東戦域軍と、英印連邦・日本連邦の派遣艦隊・航空隊が1980年代末まで
間接衝突を継続。
複数の神経ガス投下・細菌封鎖ゾーン・“地上の黄泉”と呼ばれる無人戦域が確認されてい
る。
メッカ・マディーナは神聖不可侵を盾に“終末教団”が実効支配。
---
文明圏側の対応
■ 紙挟み作戦の実施状況
極めて限定的。大規模汚染・宗教的抗争・地形複雑化のため、直接潜入は危険性が高すぎ
る。
一部拠点(旧バスラ工科大学、イランのナザール研究所)ではパワードスーツ部隊の投入
による記録奪取が実施されたが、損耗率50%以上。
■ 航空・衛星監視
日本・英連邦は紅海・アラビア海を経由し、軌道衛星および無人偵察機で情報監視。
イラン核実験地帯とメソポタミア旧都市圏(バビロン〜バグダッド)に関しては放射線・
バイオアラートが常時継続中。
---
☣ 人間の生活と宗教秩序の変質
**イスラム・キリスト・ゾロアスター・土着信仰が混交した“神政混成宗教”**が勢力を拡
大。
“預言”と“浄化”を名目に生贄・強制改宗・戦争婚姻制度などが実施されている。
都市は遺跡と化し、水・武器・石油の三位交換が生活の中心。
一部では地下水脈に依存した**“キャラバン都市”**が出現、流動都市のように存在してい
る。
---
総括
アラブからインド西部にかけての一帯は、もはや「中東」ではない。
それは、文明の交差点が焼け落ち、信仰が怒りに変わり、資源が憎悪に転じた**「神と油
の戦場」である。
この地に残るのは、地図ではなく矛盾と死者の名で記された“戦略的空白”**である。