7話 テレビ
落笑堕は遊びの用事もなく、家でダラダラと過ごしていたが無限と流れて来る動画にも飽きてスナック菓子の横に置いてあったリモコンを手に取る。
左上にある赤いボタンを無造作に押しながら、一人用のソファーに座るとサイドテーブルにおいてあるココアを一口飲み込んだ。
テレビでは情報番組が流れていた。
興味もない落笑堕は番組を切り替えようとすると、最近話題の殺し屋の話になったので少しだけ眺めることにした。
「現在話題になっている2人の殺し屋の速報が入りましたので、お伝えいたします。
慧華馱街の廃ビルで先ほど日本自主党の○○議員の遺体が発見されたとのことです。現場には白い羽が残されていたことから連続殺人犯の2人組の殺し屋による物ではないかと推測されております。」
現場のナレーターがブルーシートで入口が覆われた殺人現場を映しながら状況を伝えると、スタジオの辛口で人気の司会者に場面が切り換えられた。司会者は「世間は英雄だとかはやし立てていますけど、ただの殺人ですからねぇ。犯罪ですよ。」と、いかにもまともぶった発言をする。
落笑堕は「腐って安全に住めない日本に、罪もなんもあるかよ。」と言って乱暴に番組を切り替えた。
世間にとって現場に残された白い羽はただの殺しの象徴に過ぎなかったが、殺した本人たちにとっては少しだけ意味合いが違った。
1人が殺し、1人が弔う。
2人にとって白い羽は殺しではなく魂の具現化。
黒く染まった醜い魂が殺されることにより、清く浄化され世に放たれる。
そんな理想を映す羽であった。
殺される者には黒い羽が蠟によって張り付けられた一枚のカードが送られる。
だがそのカードが殺しされる合図と知っている者はいなかった。
切れかけた蛍光灯が照らす地下に、カツンカツンと2つの足音が静かに響く。
足音の主はまっすぐ歩いた先にあるドアを開けると、後ろにいたツインテールの青い髪をした子に声をかける。
「いくよ。」
ドアノブを回して扉を開けると、電話をかけている複数の男と本を見て指示を出している男がいた。
男が入ってきた人間をみて「子供がどうやって入ってきた。」と横にある日本刀を手に取る。
青い髪で片目を隠しているそれは、一切の躊躇を見せることなく指示を出している男の首をナイフで切った。男切られた首から血が噴き出すが、すでに通り過ぎている笑雨には返り血がつくことは無かった。
葉華邪が電話番をしてる男達にナイフを突き立てて、可愛らしいお顔に僅かに血しぶきが飛ぶ。
お手手を真っ赤に染めた彼女は「やっぱ、赤い血ってきれいだよね。」っと言って笑雨の方を見る。
笑雨は日本刀を持ったボスの男と対峙していた。
葉華邪は「はぁ…笑雨かっこいい。」と言ってうっとり眺める。
笑雨が一歩男の間合いに入り込むと日本刀が振り下ろされるが、笑雨はすぐにバックステップして華麗にかわす。そのまま流れる動きで男の心臓を撃ち抜いた。
「俺たちは、黒い羽根を回収しに来ただけです。条件はその場にいる全員を殺すこと。どうかこの人が来世は悪いことをしませんように。」
笑雨は一瞬手を合わせると、白い羽を取り出して遺体の上に落とした。
羽はゆっくりと落ちると鮮血と混じることなくふんわりと遺体を飾った。
「葉華邪、やりすぎだって(笑)」
笑雨は楽しそうにしている葉華邪の顔を優しく拭くと、「おうちに帰ろっか」と言って血の付いた靴を履き替えてその場を後にした。
笑雨の拳銃
一発装填の小型拳銃だが結構な威力がある。
発砲音がするため笑雨はめったに使わないが、近距離フェイントからの流れる動きの発砲は防げる人がほとんどいない。そのため、強敵には使う頻度が多くなる。




