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アホウドリが狩る側で。  作者: takenosougenn
第一章 歯車
17/24

16話 サマータスク

「それじゃー貴重な高校生夏休みだ。青春してこいよ!」


1学期最後のホームルームが担任の先生の一声で幕を閉じた。

その後放課後となったクラスはとても騒がしかった。

他のクラスからも人がやってきて仲の良いグループで夏休みどこに行こうかなど、今日どこで遊ぶなどと口々に話し合っている。


そんな中一人クラスを出ていく人がいた。


月堕はいつも使っている屋上が見える部屋へと向かった。

部屋には元々あった月堕の私物の他、笑雨と葉華邪の私物も置かれていた。


「世界観察部」


そう書かれた木のプレートがその部屋の前にはかけられている。

2学期が終わる直前、月堕はこの部屋を合法的に使うために「世界観察部」という部活を作っていた。


部長は月堕であり部員は笑雨と葉華邪。

普段からこの部屋を使って過ごしている人が部員になっていた。


外面的な活動内容は世界で起こっている問題や犯罪、逆に平和的活動や世界的遺産などのリストアップである。が、本当の月堕の目的は日本各地で起こっている犯罪と組織対立の監視であった。


いつしか一台しかなかったパソコンのモニターは5台に増えており、一台の大きなスーパーコンピューターが置かれてた。またスパコンから放出される熱気を排出する為のクーラーすら設置されている。


そんなことがあり、月堕の仕事部屋 兼 笑雨と葉華邪の避難部屋は学校一のコンピューター室に作り替えられていた。


月堕はパソコンを起動すると一台のドローンを起動して学校周辺を見回る。

案の定校門がよく見えるビルの屋上に我路堕が潜んでいた。


月堕は落笑堕に連絡したがワンコールできられてしまう。

月堕がもう一度電話を駆けようとしたら、チャットアプリの通知音が鳴った。


月堕が通知を押してチャットアプリを開くと落笑堕から「自力でよろぴ」と舐めきった一言だけが入っていた。月堕は少しイラついて再度電話をかけるがスマホのスピーカーから流れてきたのは、電波が届かないか電源が入っていない事を知らせる自動音声だった。


「あぁもう!!」


月堕は部室を飛び出した。

部室に来ようとしていた笑雨と葉華邪がすれ違って驚いている。


だがそんなことは気にせずに校門が見える屋上へと走って向かった。

長い外階段を途中立ち止まり汗を拭きながら何とか登りきると、屋上で隠れる必要もないのになぜか隠れている我路堕が望遠鏡を持って校門の方を眺めていた。


「我路堕兄さん、何してんの?」


月堕が声を掛けると、我路堕は隠れていた隙間にあるダクトに頭をぶつけながら月堕の方を振り返った。


「ま、まさか月堕も落笑堕側に.......」


わなわなと顔を震わせる我路堕に月堕は大きなため息をつく。

月堕が「もうすぐバイトでしょ」と言ってスマホの画面を我路堕に見せると我路堕は「やべ。」と言ってビルから飛び降りていった。


月堕は我路堕に見せた偽の画面を閉じて本来の時間が写っている画面に戻す。そして我路堕がぶつかってへこませたダクトを元に戻した。


炎天下の中熱くなったコンクリの上に立っていることが辛くなった月堕は、ビルを降りてコンビニに駆け込んだ。するとどこかで様子を見ていたのかそれとも偶然か葉華邪からアイスを買ってきて部室に持ってきてほしいとメッセージが入てきていた。




地球観察部


月堕が1学期の終わりごろに作った適当な部活。

仲の良い地学のお爺さん先生が顧問になってくれているが、顧問の先生は月堕がここまで部室を魔改造していることを知らない。活動はしなければならないので月堕が作った情報収集システムで世界の情報を集めて月一で学校に新聞形式の冊子を配布している。

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