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第40話

「誰だあんた?」

 突如目の前に現れた、金髪でエメラルドの双眸を持った若い女性。成人している大人の女性だが若くて整った体型と顔。誰かを尋ねると女性は黒い手帳を開き、 

 

「初月諒花さんですね? 私はXIEDシード東日本支部のフォルテシア・クランバートルと申します」

 見せられたその手帳には青い背景に美しい金髪が目立つ証明写真。階級は二等律佐にとうりつさと書いてある。それを見せられて真っ先に一瞬浮かんだのは、今は亡き母と父の顔だった。


 諒花の実母、初月花凛はつづきかりん、実父の諒介りょうすけは元々XIEDシードだった。しかし諒花が物心つかない幼い頃に交通事故によって二人とも亡くなっている。直接言葉を交わしたことはなく、写真や生前を知る者からその話を聞く事しかできない。花凛もまた異人ゼノであった。今の自分があるのは二人のお陰である。


「そうだけど……アタシに何か用か? フォルなんとかさん」


 XIEDシードとは早い話が異人ゼノ専門の警察である。異人ゼノ|専門捜査局という大層な正式名称なのだから。普通の警察や自衛隊では太刀打ちできない、異能絡みの事件では必ず影にXIEDシードの存在がある。

「フォルテシアです」

 頬を赤くして静かに訂正すると、まったくと言って本題に入るフォルなんとか、もといフォルテシア。


 「単刀直入に言います。調べはついています……あなたに勝負を申し込みます──!」

 

 *

 

 その後、学校へ登校しても頭の中は唐突に現れた彼女のことで頭がいっぱいになった。こちらはこれから学校なので今すぐの勝負は無理であることを伝えると、


「失礼、学業の邪魔をするつもりはありません。では放課後にこの場所へ来て下さい。待っています」


 と、そっと待っている場所を記した折った紙切れを渡してきた。話が分かる相手で少しホッとした。直近が話の通じない相手が連続しただけに。


 しかし、今になってなんでXIEDシードが直接自分を訪ねてきたのか。理由はやはり一つしかない。あの変態ピエロ――レーツァンを倒したからだろう。今までは襲ってきた敵を撃退しても、わざわざXIEDシードがこちらに会うことを目的にやってくることはなかった。


 しかし今回は違う。最初からこちらを目当てにやってきた。あの時倒したピエロは犯罪組織の総帥でしかも裏社会で名の轟く超大物だったのだ。それはそうなるわなと。理由はどうあれ、それを倒したのがどんな奴かを確かめに来たのなら合点がいく。


「諒ちゃん、元気ないね。大丈夫?」

 休み時間に歩美がこちらの顔色を察してやってきた。

「あ、あぁ。ちょっと疲れてるだけだ」


 いけない。顔に出ていた。しっかりしなければならない。両手で頬を叩く。今は伏せておこう。

「まあ、そうだよね……」

 歩美も分かっていた。一昨日の蜂のビーネットに続き、昨日ハロウィンにやってきたのはサソリのスコルビオン。ここまで二日連続で二連戦だ。


 今日は金曜日。11月1日。終われば月曜日の文化の日を入れて三連休だ。長かった、色々と濃すぎた10月がようやく終わったのだと実感する。

 思えば、あの変態ピエロが現れてから先月は一段とまた非日常の連続だった。そして最終的に正体を暴かれた零もいなくなった。


 放課後になったらフォルテシアの待つ場所へと向かおう。勝負なのだからもう戦うことは分かっている。


 もし零がいたらどんな反応をしていただろうか。零も勝負を申し込まれていたのだろうか。そしてどんな言葉をかけてくれただろうか────

 

 

 

 



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