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第38話

「ゴォースゴスゴス! あの忌々しいブンブン蜂め、ざまあないでゴス。次はこのオレが相手でゴスよ!」


 ビーネットを倒したその次の日。ハロウィーンの夜にも更なる敵が初月諒花のもとへやってきた。手下を引き連れて渋谷にやってきて息巻く変わった口調の男。ビーネットと犬猿の仲で彼に続く形で現れたサソリ野郎、スコルビオン。


 速さと部下の数の暴力で攻めてきたビーネットとは対照的に、鋼鉄な装甲に固められたスコルビオンは頑丈さとサソリならではの背から伸びる尻尾を叩きつける力技を得意とする化けサソリだ。

 交戦となるものの、今度はビーネット戦の反省を活かすように途中で石動が救援に駆けつけ、スコルビオンの撃破に成功した。零がいなくなってから、初めて誰かとともに肩を並べて勝った戦いでもあった。零の存在をふと思い出し、寂しさが拭えない諒花。


 だがしかし。ビルの屋上でXIEDシードという文字が中央に書かれた立派な帽子を被り、長い金髪をなびかせ、黒に水色ラインが入った軍服、エメラルドの双眸を持った女性。スコルビオンを倒した人狼少女を双眼鏡で見ていた────

 

「あれがかのレーツァンを倒した少女、初月諒花か……」


 二週間前、青山を中心に巻き起こった全身を鎧に包んだ謎の女騎士による襲撃事件。その中であのレーツァンは滝沢邸での戦いで件の少女と戦いそして死亡した。この事実を知る者はごく一部のみだ。表向きは調査中とダークメアが消息を絶った総帥に関して声明を出しているのみ。

 

 レーツァンが死亡した今月の19日、彼が青山に現れたことを受けて向かおうとしたが並行していた他の任務で忙しく、現地に急行できなかった。同時期に起きていた円藤由里えんどうゆり殺害事件の捜査権が警視庁からこちらに回ってきていたためにそれに帯同することになり捜査していたからだ。

 戦いがあった滝沢翡翠の持つ広大な森の中にある青山の屋敷、滝沢邸。しかし事件後のこの二週間、組織内のデータベースや関係各所に情報収集して回る中で、確かにレーツァンを倒したのは初月諒花だという情報を掴んだ。


 その初月諒花も確かめなければならないが、本当に確かめなければならない件がある。そう、彼女の傍らにいる、一緒にレーツァンとも戦ったという黒條零だ。彼女がなぜ初月諒花と行動をともにしているのか。

 

 総帥が無名の異人ゼノの少女に倒されたというこの事実はまだ裏社会で公になっていない。一部の者や関係者が知るのみだ。ダークメアは調査中と言っているものの、その二次団体ワイルドコブラは初月諒花を狙って渋谷に侵攻を開始している。武力担当のワイルドコブラを送るあたり、やはり総帥が倒されたことによる本気度が伺える。


 これだけ見ると、戦いの理由は自分たちだけで落とし前をつけるためともとれる。だが実はそうとも言い切れない。それもそのはず、今はダークメア内で総帥亡き今を狙ったかのように、虎視眈々と好機を伺っていた者らによる武装蜂起が起きており、その対応に本家は追われていて内紛状態だという。


 組織の存亡がかかっているのにワイルドコブラの兵力をその迎撃に回さないで対応しているのはどうもおかしい。


 ダークメアでも何かが起きている。全てを知るのはレーツァンから組織を任されているスカールのみ。だが、今は彼女が先だ────初月諒花、そして黒條零。



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