表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者の贖罪  作者: 七篠
62/198

実験アルバイト中

「あのロマングループに手を出したの!?」


 昼。学食でカエラと桃華と一緒に飯を食っている際に、金が欲しいのでロマンと言う発明科の人の所でアルバイトをすると言ったら想像以上に驚かれた。

 桃華はあっちゃ~っという感じで俺の事を見ている。

 どうやら想像以上に有名なところだったらしい。

 おそらく悪い方に。


「そんなにヤバかったのか?あそこ」

「ヤバいってもんじゃないわよ。気に入られたようだら前みたいな事はなかったみたいだけど、あそこ結構な過激派よ」

「過激派?」

「特撮過激派。特撮に影響を受けていろんなものを開発するのは良いんだけど、いや良くはないんだけど。それを馬鹿にすると色んな武装をして攻撃してくるから危険なとことして有名なのよ!」

「それ特撮を馬鹿にしなければいいだけだろ?俺は特撮嫌いじゃないぞ。特にゴジラ」

「それだけじゃなくて純科学を馬鹿にした時もかなり酷かったみたいよ。これが科学の力だーって叫びながら光線銃の乱発、ライトセイバーによる破壊、最終的はこれも科学の力だーって叫びながらマシンガンだかガトリング砲で校舎十ハチの巣にしたらしいわよ。だから戦闘科に入ったらあのグループにだけは関わるなって言われてるのよ」

「柊さんはその辺りの事説明されてなかったんですね」

「初耳だ」


 でもノリは結構好きだ。

 馬鹿にされたら復讐するのは当然だ。誇りにしている物を侮辱されたのであればそれ相応の報いを与えなければならない。


「でもそれくらいこの学校じゃ普通だろ」

「は?何言ってるの。怒ったからって銃を乱射する人がそこら辺にいる訳ないでしょ」

「え?でもこの学校だぞ。戦闘科だの発明科がある頭おかしい学校だぞ。怒れば刀だろうが銃だろうが、魔法だろうが飛び交うのが当然だろ」

「それどこの世紀末ですか?」


 カエラと桃華の反応を見る限りもうそういう事はないらしい。

 前世の頃はそんな感じだったんだけどな……

 戦闘のエリート達をかき集めてごった煮にしたような学校。当然血の気の多い連中も多く、喧嘩が絶えなかった。

 家の誇り、種族の誇り、その他もろもろプライドが高い連中が本当に多かった。そのせいでマジで殺し合いに発展しそうになっていたが……平和になったもんだ。


「とにかく。あのロマングループにかかわるなら気を付けた方がいいって事。最低でも機嫌を損ねてハチの巣にされないようにね」

「まぁ気を付けておく」


 そんな事を話しながら昼食を終え放課後。アルバイトのため発明科に向かい、ロマングループの部室に顔を出す。


「こんちわー。バイトに来ました」

「よく来たね!!それではさっそく手伝ってもらおうではないか!!」

「よろしくお願いします」


 ロマンと女子生徒に連れられてきたのは本当にゴミ捨て場、粗大ごみを捨てたごみ置き場のような感じ。

 木の板で柵を作り、その中に様々な形の素材ゴミが散らばっている。


「勿体ねぇな~鉄とか再利用できそうなもんも転がってるじゃん」

「そう言った物は資金のあるグループの廃材だ。さすがに希少金属に関しては取り除いていると思うが、それでも金属などが混ざっているのは好都合だ。さぁ!早速この辺りのごみを破壊し尽くすのだ!!」

「…………これでか」


 昨日渡された一見するとおもちゃの光線銃。セーフティーを外して適当なゴミに向けて引き金を引くと短いビームが飛んだ。

 ビームは貫通系らしく、ゴミに小さな穴を空ける。穴はただ貫通したのではなく溶けたように穴が空いている。


「へ~。こういうタイプか」

「ご覧の通り熱で穴を空けるタイプだ。頑丈な相手にもダメージが入るよう調整した。使用した感想は」

「軽すぎて逆に扱い辛い。やっぱりある程度の重さは欲しいな。それからこれプラスチック製か?耐久性も不安なんだけど」

「確かにプラスチックだが、普通のプラスチックの10倍の強度はあるんだけどね。それでも不安かい?」

「正直不安。素材がプラスチックって聞くとやっぱりどこか不安が残る。それに何度も言うが軽すぎて使い辛い。普通の拳銃の使い方を学んだ奴にとってはかなり使い辛い。なんでわざわざプラスチックで作ったんだよ?まさか加工しやすいからか?」

「それもあるが1番の目的は量産化のしやすさだ。プラスチックなら鉄よりも加工しやすいし、何より材料費が安い。それに3Dプリンターを使って製作しているから製造工程もかなり簡略化する事にも成功した。量産効率とコスパならどこにも負けない!!」

「いや、中のビーム出す部分に関してはそう簡単にはいかないでしょ」


 外側に関してはプラスチック100%でもいいのかもしれないが、弾として出すビーム部分に関しては電子基板やらコードやら色々取り付けないといけない。

 それでも本物の拳銃に比べればかなり軽い方だがいいとは言い切れない。

 やっぱり手にしっくりくる重さと言う物があるのだ。

 とにかく軽ければ使いやすいと言うのは素人が触れる分にはちょうどいいのかもしれない。


 それに適当に撃っているがこれ軽く熱持ってきたな。

 おそらく絶え間なく撃ち続ける事で発熱してきたようだ。


「熱持ってきたけどこのまま連射してていいのか?」

「時間は?」

「10分23秒です」

「それじゃ熱がなくなるまでライトセイバーの実験に移ろう」

「これはこれで扱い辛いんだよな」


 そう言いながら銃を返し、今度はライトセイバーを使って辺りを切りつける。こちらも光線銃同様に焼き切る事を前提に作られているようで、斬ったところは溶接のように鉄を溶かして切ったような焦げた跡が残る。

 地面やごみなんかをとにかく休みなく斬っていると刃の部分である光っているところが点滅し、出力が不安定になってきた。


「今度は点滅し始めたんだけど」

「俺は充電切れの前兆だ。時間は?」

「5分52秒です」

「こちらは特に熱が出ている訳じゃないが充電が必要だな。今日の所はこんなものか……」

「こんなのでいいのなら俺じゃなくてもいいだろ?十分自分達だけで実験できそうな感じの内容だろ。なんでわざわざアルバイトなんて雇ったんだ?」


 そこが分からなくて聞いてみると、女子生徒の方が気まずそうに答えた。


「その、いろんな悪評ばかりが学校に広まってしまって、もっとすごい研究をしてもその実験に付き合ってくれる人がいなくなっちゃったんです。手足だけ完成したアイアンマンのスーツみたいに中途半端に終わってしまった物もあります。なのでその続きの研究をするためにもどうしても協力者が必要だったんです。一緒に実験をしてくれる仲間が」

「ふ~ん。ずいぶん昔とは変わったな。それで他に面白い武器ってないの?特撮とかに関係なく色々さ」

「今は特撮を元にして作った武器ばっかりですが、大抵の科学で再現できるものはありますよ。小型レールガンとか、迷彩スーツとか」

「実用性高そうなやつあるじゃん。特に小型レールガンはちょっと試してみたい」

「で、でも小型化できたっと言っても実際には砲弾みたいな大きさですよ?それに小型化した事で弾は2発しか発射できませんし、まだまだ改良は必要で……」

「でも俺が求めているのはそういうもんだ。そっちの趣味前回の武器の実験も付き合うが、俺が欲しい武器も作ってくれるならバイト代は安くてもいいぞ」

「具体的に言って欲しいね。その要求があまりにも法外であった場合こちらでは準備する事ができない」


 ロマンがそういうので俺は簡単に説明する。


「俺が欲しいのは拳銃だ。手にしっくりくる奴な。本当は刀とかも欲しいが……ここじゃ手に入らなそうだからな、銃が欲しい」

「何を射出する?」

「普通の銃弾でいいよ。あとでこっちで手を加えたいから鉄製、銀製の銃弾が欲しいな」

「狼男でも狩りに行くつもりかい?それとも吸血鬼?」

「属性が魔である連中に銀は効果的だ。これでも俺は戦闘科に一応属する普通の人間だからね、少しでも手札が欲しいんだよ。だから俺の手にしっくりくる拳銃を三丁欲しい。できるだけ火力が強いタイプで」

「その分重くなりますけど大丈夫ですか?」

「伊達に鍛えてない。それに練習する場所も欲しいからここ使わせてくれ」

「ここを使うのは構わないが、周囲に人がいない事を確認してから使用してくれ。我がグループ関係者から殺人が起きては困る」

「そのぐらいの配慮は当然だっての。出来るか?」

「君に合う拳銃三丁。発射できるのは鉄製と銀製の弾丸。私からすれば簡単すぎて欠伸が出るレベルだ。そんな簡単な取引でいいのであれば雇わせてほしい」

「頼むぜ。それから整備とかも頼むぞ」

「銃の知識があるのであれば自分で整備したまえ。だが保証くらいは約束しよう」


 良し。

 これで拳銃はどうにか手に入りそうだな。

 これでさらに強化する事ができる。

 手に入った後は俺好みに魔改造してやろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ