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転生者の贖罪  作者: 七篠
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対戦相手の情報を知る

「ハーレム野郎。ハーレム野郎」


 琥珀がそう調子に乗っているので分からせた。

 最近じゃちょっと敏感なところに触れるだけですぐにイクから、もうこいつ自分から調教されたがっているのではないかと思ってしまう。

 イキまくって舌を出して疲れ切った琥珀を抱っこして帰宅する途中キャリーケースから出てきたリーパが聞く。


「意外と俗っぽい欲もあったんだ。それじゃ私達はもうハーレムメンバーにカウントされてたりする?」

「まさか、3年後になってから作る。目的を果たしてないのにそんな事をする余裕はないからな」

「それじゃ水地雫は?良い雰囲気だったじゃない」

「良い雰囲気とは違う気がするが、そんなハーレムとか言えないだろ。人妻だぞ」

「それじゃ……娘の涙の方?」

「どっちもない。あんな大切にしている娘に手を出そうとは思わん」

「……なんか発言がおじさん臭い。あ、おじさんなんだっけ?」

「おじさんだよ、俺は」


 そんな話をしながら家に帰ってリーパの事を母に話すとあっさりと納得してくれた。

 その代わりリーパは少し面倒な日々が始まる。

 住んでいる家賃代と言うかなんというか、母がリーパの事を猫吸いだかなんだかとにかく構う。

 母も動物好きなのだが、リルは俺にピッタリだし、琥珀は俺が直接調教中という事もありなかなか手が出せない。

 だがリーパは俺もほぼ放置しているので好きなだけ構う事が出来るという感じ。

 そのため母の好きなタイミングで抱っこされたり、頬擦りされたりと意外と忙しい。

 その間リーパは仕方ないと言う感情と諦めて死んだ目になっているのだが、母に伝えてもやめない。

 どうやら母は猫派だったようだ。


 そんな小さな事は置いておいて、交流試合が近づいてきた。

 そのための準備と言うか、1年生組で組手をして試合に備える。

 後は相手の戦い方の研究なども出来ればよかったんだが……それは試合当日のお楽しみという事で情報は教えてもらえなかった。

 まぁ裏道はいくらでもあるけど。


『これが今回マスター達が対戦する選手の情報です』


 ツーに頼んでウェールズ騎士学園の選手情報を入手してもらった。

 もちろん違法だけど。


『まずカエラ・ファーゲル・フォン・デラ・アモンの相手はゴドフリー・ハイド。ウェールズ騎士学園1年生であり、様々な武器を使う騎士です。主に使うのは剣、槍、弓、斧、棍棒の五種類。これらを駆使して戦いますが、基本的にパワーファイターであり魔法への防御はアミュレットや鎧に刻まれた付与術によって守られています』

「魔法への防御はどうなの?」

『魔法防御力はあまり高くありませんが、その分鎧に刻まれた魔法防御術式やアミュレットでカバーしているようです。ちなみに性格は好戦的であり、騎士道精神として正面から堂々と戦う事を信条としているようです』

「なるほどね。騎士道精神を利用させてもらえればどうにかなりそう」

『次に大神桃華の相手はアルダズ・ジュード。重騎士で大楯と剣を装備しています。しかし剣で攻撃してくる事はほとんどなく、盾で相手を押しつぶしたり、押し返したりして攻撃する事がほとんどのようです』

「重騎士って言う事は全身鎧って事ですか?」

『そうなります。その代わり動きは非常に遅く、カウンターでないと攻撃が当たる事すら難しいようです。実際彼の役割は前線で仲間を守る事が重要視されているようで、最初から連携を前提として戦い方を想定しているようです』

「なるほど……参考になります」

『最後にマスターと戦う相手はシルフィー・ミスト。精霊使いの女子生徒であり、現在どれくらいの精霊と契約しているのかは不明。ただし彼女は非常に憶病な性格であり戦闘に対して積極的ではないとの事。授業でも一歩引いて仲間のフォローを優先するサポートタイプです』

「でも全く攻撃しない訳じゃないんだろ?」

『いいえ。精霊たちが彼女を守るために戦っていると言う表現の方が正しいでしょう。彼女自身が精霊たちに指示をして戦う事はデータ上には存在しません』


 ツーがハッキングで手に入れた情報を聞いて俺は少し考えこむ。

 これ俺の場合完全にヌルゲーだな。

 どれだけ強力な精霊と契約していたとしても使いこなせていなければ意味ないし、そもそも戦うのが苦手だと言うのであれば戦う事を前提とした立ち振る舞いをしなければいいだろう。


「俺の方はどうとでもなりそうだけど、そっちはどうよ?」

「私は不明確なところが多いからもう少し詰めて作戦を考えようと思う。それよりも大変なのは桃華の方じゃない?」

「そうですね……防御力に特化しているのであれば直接爪や牙で攻撃するよりも呪いで攻撃する方がいいかもしれません。まだちょっと呪いのコントロールが出来てないのであまり使いたくありませんが」

「なるほど。それじゃまた俺が相手しようか?」

「お願いします」

「私はもう少しだけ自分で考えてそれでもアイディアが浮かばなかったら頼らせてもらうわ。その時は新しい技の開発協力お願いね」

「あいよ。それじゃ俺の方はさらに新しい武器を使いこなせるように訓練しておくか」


 なんだか思っていた以上に楽そうな試合になりそうで本当によかった。

 どんな精霊を使役しているのか不明という点は警戒する必要があるが、対策のしようがない。

 それなら今ある力をより使えるように訓練するしかない。


 それにしても精霊使いか。

 あいつら元気かな……


 特に心配なのは不良と引き籠りなんだよな……俺と仲が良かったという点で心配する必要がある。

 不良騎士の方は自由奔放でマジで一昔前の不良みたいな感じで名馬に乗って窓ガラス割るし、引きこもりの方は引きこもって忘れ去られそうになるし。

 あいつに関しては……仕事ばっかりで人生楽しめているかどうかが不安。

 堅物で気真面目、何でもかんでも完ぺきにこなさない時の済まない完璧主義者。


 …………あれ?完璧主義者の方が少し不安になってきた。

 主に周囲の連中を巻き込んでるんじゃないかって言う意味で。

 まぁ今は考えても無駄か。


 頭の中切り替えて試合に向けて頑張るか。

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