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1 勇者、剣を抜き

私の番です。


それを思い出すんです、わらと毛布でできた布団をめくって、起き上がりました。


「私はどのくらい眠っていますか?妹」


目を覚ましての第一声、もうすぐ寝つきる人から返事得ました。


「成人式はとっくに終わりましたよ、兄さん」


「そうですか」


誰かが石中剣を抜いたかどうかは聞きませんでした、答えが一目瞭然だからです。


待ち受ける久方ぶりだ妹を小さな頭優しく撫でていました,髪はもう荒れています。ベッドを降りました、眠そうにしている彼女を、わりと暖かい布団の中に入れました。


食べ物は既食べ終わってしまい、眠る前にます。目が覚めたら、昼食がないのは当たり前事です。


部屋の中心で消えたストーブの火から大量の煙が出てい、提供さ残りは僅かの暖かさと明るさです、溶けたロウソクも同じです。泥と木材成し遂げる壁です、茅成し遂げる屋根。これらの落ちぶれる住宅の窓にはガラスがありません、何枚かの木製の窓板が外に落ちていました、どんどんカビが生えて腐っていきます。


見慣れた光景を見る、笑いました、やれやれと笑いました、くたびれた板戸をそっと開けました。無力で、虚弱で、渇いた体を引きずってい、終わった成人式に行くつもりです。教会では、おばあさんと村長が待っていましたから。


鍛冶屋の前を通ります。鍛冶屋は、さびついた金槌で、相変わらず、砧の石を、根気よく打っていました。彼はとても年をとってい、あの石よりも少し古いかもしれません。


ちりんちりんと音がし停頓するます。


「剣を抜くことができますか? 出来れば、鎧を差し上げます」


「はい、錆びてませんか?」


「消え失せろ」


再びノックの音がし、幾多騒々しいだけです。村の中、鉱石はもうありません、薪もなくなってしまいました。


铠。何年も前旧いのものですよ、あったとしてもです、すでに腐蝕しきっています。


深くは考えしなかった、身体を引きずる力を強く入れましたが、力が入りません。地面の石が素足にざらざらして痛い、やっぱりたまりませんね、何年も歩いてきたのにです。


ぱたっと。


歩いてい、うとうとしてい、投げつけられた何かが当たったようです。臭気がし、便所の臭いとは違い、むしろ体臭に似ています。


「剣を抜くことができますか? 出来れば、持って白い手袋私を訪ねて来た決闘する」


「だけれども靴下の臭いしかしませんでした」


「掛け替え」


細めていた目が細く開いた、その人は昔飼っていたネズミと同じ姿をしています、白と黒の配色の服を持っています。毛むくじゃらの掃除夫は、大切に育ててくれた「お父さん」に感謝しているはずです。


実は継続文句を言う気力もありません、この悪趣味紳士を、黙ってかわすしかありません、前に進みます。


靴下の臭いでかえって目が覚めました。それから、遠くで会った猟師とも顔を合わせました。彼は草むらに横たわっていました、男らしくない顔と長い耳を真新しいカウボーイハットで隠してい、相変わらずよく整備された装備を身につけていますね。


「なんですか、僕がプレゼントをくれると思っていたんですか」


「そうですね。君渡すものもないでしょう」


猟師とすれ違って、私はもう教会から遠くありません、村の人は、私もこの数人を知っています。他の人たちは死んだり、気が狂ったりして、そして帰するひっそりと静まりかえっている。


教会の扉に手を触れました、押すとすぐに開きます。


禿頭の村長は村最後の杖をついていました、朽ちた杖の凸凹模様が顔に溶け込んでいます。枯れかかっている老木、いつもそんな感じです。


前に進みます、続いて集まってきたのは人々の目でした。まぎれもなく、教会には三人しかいませんでした。


天窓から差し込む光を浴びているそっち、聖職者です、村で唯一の教師でもあります。白いガウンが光を貪り採り入れる、見れば見るほどはっきり見えない。


相変わらずですね。


私を見ると暗がりの中に下がり、私のおばあちゃんです。とっておきの黒いマントに着替えていたよう、孫に変な格好を見せたくなかったのでしょう。


振り向いた、石台に根を下ろした剣に近づき、大きく息を吸い込み、両手で柄を握ります。


びゅう......


深呼吸をしました、頭をあげ、天窓を透过する、まぶしい光で何も見えません、でも自分のやっていることはわかっています。


その剣は私が抜きました、何もないように軽いです。


体の障壁を突き破る力を実感しました、全身に水のように流れ込んできます。私両足力が抜ける、地べたに正座する、ぶるぶる震えていました。


爽やかな笑い声が耳元で聞こえました。


「上等、上等、勇ましい男の子ですね......」


ゆっくりと目を開け、見たのは、村長の笑顔でした。


慈悲深くて優しい笑顔です。


ただ、それは私見たことのない笑顔でした。


村長は私の疑惑に答えませんでした、そして視界から消えただけ、ドアを開けたときに埃が落ちたようなものです。


光も塵と一緒に散っていきます、かたわらには祖母だけが残っていました、私の家族には祖母と家にいる妹が残っています。


「おばあちゃん......」


「わかっています、これらすべてはことは難しい理解、でもあなた今は勇者です。」


彼女は微笑んでい、頬はしわだらけです。空っぽなさまいた眼窩には、唯一消えなかったも、孫への慈愛です。


「私のいい孫よ、覚えておいてください。何があっても、家はあります。私たちはみんないます。自分を大切にしてください」


もう喋りません、彼女の体を抱きしめただけ、彼女の痩せた胸に頭をうずめました。


「今日のひと幕を見るため、未来の一端を垣間見ることを選んだ、この為に払う二つの老眼ます。あたいする」


ろうそくに火をつけたようなも、祖母の目に光が宿りました、目の前の孫を見てい、少し未練があり、少し残念、それから少しと望む。おいかける消えてしまいました。




それぞれの世界の裂け目は時間とともに併合いき、終了後は世界の音でアナウンスされます————村の噂。


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