難問ですね
先生は言いました。
「給食中は、みんなとたくさんお喋りをするんだぞ」
僕は、隣の席の人とずっとお喋りしました。喋っていたら給食の時間が終わりました。満足でした。僕はまだなんにも食べ始めていません。先生は言いました。
「佐々木くん、君、全部残してるじゃないか。ちゃんと食べなきゃダメだろう」
僕は急いで食べようとしましたが、それでも給食の時間に間に合わせようとしなかったということで、先生からお叱りを受けてしまいました。
先生は言いました。
「授業中は静かにしなさい」
僕は、黙りました。しばらくして、
「佐々木くん、君はこれについてどう思いますか?」
先生にさされました。しかし、授業中は静かにしていなければなりません。どうすればよいのか迷っていたら、
「はぁ。佐々木くん、ちゃんと自分の意見を持ちなさい。そして発表しなさい」
注意をされてしまいました。僕は一生懸命その問題について考えます。そして、
「僕は、この主人公は悲しいんだと思います」
「なんでですか?」
「39ページの5行目にそうやって書いてあるからです」
「いいでしょう」
なんとか先生の要望に答えられたようです。
先生は言いました。
「掃除はちゃんとやりなさい」
僕は、ちゃんとやろうと思い、雑巾を教室の角に擦り付け続けました。掃除中、ずっとそれをやっていました。同じ班の女子が言いました。
「佐々木くん、いつまでそれやってるの?」
僕にもわかりませんでした。
「ちゃんと、掃除が終わるまでだよ」
「もう掃除の時間とっくに終わってるわよ」
「でも、まだゴミが出てくるんだ」
「はぁ。好きにすれば」
また、ため息をつかれてしまいました。
先生は言いました。
「気配り目配り心配り、が大切だからね」
僕は、何をすればいいかわかりませんでした。僕は、片っ端から友達の落し物を拾うことにしました。友達が鉛筆を落としたら拾いました。友達の筆箱が落ちそうになっていたらその席の近くまで行ってキャッチしました。友達が消しゴムのカスを落としていたら拾いました。
僕は、先生と友達からため息や舌打ちをされるようになりました。
僕には、何も、わかりません。