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電脳勇者の廻界譚 RE!~最弱勇者と導きの妖精~    作者: お団子茶々丸
序章・廻り出す運命
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第0話 終わる世界

    以前に投稿していた小説を基に、新たに執筆したものです。

新規プレイヤーのログインを確認。



照合中・・・・・。



照合中・・・・。



照合中・・・。



照合成功!

 

観測ソウルタイプ・アジア。脳波、精神状態に異常なし。過去10年間の経歴に犯罪データ、予兆ともに該当無し。市民レベル5と判断。脳内にバベルコードの適応処理を開始します‥‥。



処理中・・・・・。



処理中・・・・。



処理中・・・。



処理完了。



 ようこそ――人類の楽園【アーク】へ!ここでは現実世界では決して味わうことのできない、快適で充実した夢のような理想の生活をお約束します!






 西暦2099年。


 環境汚染や紛争で疲弊しきった地球に代わり、人類は新たなる楽園を見出していた。その輝かしき楽園の名は【アーク】。20年前に人類の最新、最高峰のテクノロジーで創造された、無限大に広がる仮想世界(バーチャルワールド)


 プレイヤーは専用のカプセル端末を使用することで、現実世界からアーク内のアバターへとログインすることができ、アークで自身の分身となるアバターは、性別、年齢、声質、身長、体重、髪質、体型に至るまで、すべて思い通りに作成できる。


 アークでは、五感は勿論のこと、食事や睡眠ですら完全に再現されており、現実世界での生活と何ら変わりなく日常を送ることができるのだ。


 更に驚くことに、アーク内での衣食住のサービスはすべて無料で提供され、現実世界での活動無しでも生命活動を送ることができる。つまり、アークでの食事や睡眠は現実世界の肉体にも反映される上に全て無料である、ということだ。


 アーク誕生後、国民の生活の拠点をアークへと移し、完全な移住を国家事業として掲げる国が多く現れ、プレイヤーは爆発的に増加していった。やがて世界中のありとあらゆる企業がアーク内へと進出し、仮想世界での生活は現実世界以上に豊かになっていく‥‥、


 そう、誰もが思っていた。


「まさに夢のような楽園‥‥人類の理想郷という訳ですね。しかし、よくもまぁこんなにも吐き気がするほど(おぞ)ましい世界を人間たちは思いついたものです―――愚かを通り越して逆に感心しますよ。今は精々、束の間の幸福に酔いしれていなさい。この偽りの楽園を支える為に自分たちが何を犠牲にしているかも知らぬまま・・・ね」





 ここは、アーク最大の都市【シャングリ・ラ】。


 プレイヤー全体の5割‥‥約75億の生命がこの居住区で生活している超弩級都市。はち切れんばかりに響く歓声、天を衝くほどの巨大な建造物が無数に立ち並び、無限の娯楽、無限の文化、無限の思想で溢れ返る一つの完結した世界のような最高峰の都市。


 いつも活気で溢れ、あり得ないほどの賑わいを見せているが、今日はさらに一段と賑やかだった。


 それもそのはず、明日はアークがサービスを開始してから丸20年の節目の年。日付の変わる0時きっかりのカウントダウンに向けて、アーク中がお祭りモードになっているのだ。


 都市のいたるところで、どんちゃん騒ぎが始まり、ラスト1分のカウントが始まると盛り上がりは絶頂に達し、最後の宴が始まる。何がそこまでめでたいのか分からなくなるほど、ユーザー達は大騒ぎし、踊り、歌い、祝福するのだ。


 普段は仲の悪い連中も、今日ばかりは手を取り合いバカ騒ぎに興じる。


 確か、アーク運営からのお知らせによれば、20周年の節目を記念して何か盛大な贈り物を用意する、なんて書いてあったような気がするが・・・。




(いのり)様――はい、あーん♡」


「あーん♡」


 しかし―――僕は今、アークの中で最も賑わいから離れた場所に居た。


「ふふ、美味しいですか?」


「超美味い」


 投影型王道RPG【ユフテル・ファンタジア】通称YF。それはユフテルという空想の世界を自由に冒険するファンタジーゲームである。アークに存在する無数の娯楽の中でも最も人気のある超大作で、全てのアークユーザーがアカウントを持っているという点からも、その破格っぷりが窺える。


 投影型王道RPGとは、MMORPGのようなファンタジーゲームの世界に、プレイヤー自らが入り込んで自由に冒険ができる、子供の頃誰もが夢見たようなことが本当にできてしまう魅力的な娯楽のことだ。電脳空間の利点を最大限活かした娯楽であり、アークがサービスを開始した当初から存在するもっとも古い娯楽の一つでもある。


 いつもはユフテル中が溢れんばかりのプレイヤーで賑わっているのだけれど、何といっても今日はアーク生誕20周年を祝う特別な日。あと少しで日付が変わるというこのホットな時間にまで、ゲームをプレイしているような物好きは世界がいかに広いと言えども、僕を除いて一人もいなかった。今頃みんな、アークの都市部で馬鹿みたいに騒ぎ合っている頃だろう。


「もう一口欲しいなー!」


「祷様ったら‥‥食べ過ぎは駄目です、病気になってしまいますよ?」


「いいのいいの!病気になったらアルボルに看病してもらうから!」


「ふふ、もう―――仕方ないですね!」


 やはり‥‥このゲームの最大の売りは、何といってもこの圧倒的な没入感だろう。さっきから弾けるような笑みを浮かべながら僕にケーキを食べさせてくれているエルフの美女、アルボル。彼女は人間と同じ感情を持ち、自ら考えて行動する僕たちと何ら変わりないプレイヤーに見えるが、その正体は運営側によって作成されたNPCだ。ユフテルには彼女のような多様な種族のNPCが無数に溢れかえっていて、まるで本当に生きているかのように、各々が日々の生活を送っている。


 趣味の悪いプレイヤーは彼らに乱暴したり、盗みを働いたりすることもあるみたいだけど――いかに出来がいいだけのNPCとは言え、僕はとてもそんなことをする気にはなれなかった。


「はい、あーん♡」


「あーん♡」


 アルボルだって、森で民度の低いプレイヤーに襲われていたところを僕が助けていなければ今頃どうなっていたか‥‥。



「おや、こんな時にまでNPCと恋人ごっことは…やれやれ、こんな姿親御さんには見せられないね」


「・・・」


 背後から聞き馴染みのある声が聞こえ、僕はけだるげに後ろを振り返る。そこには西洋風の甲冑に身を包んだ、艶やかな黒髪が美しい一人の女性が立ち尽くしていた。


「そう言うハムさんも、カウントダウンぎりぎりのこの時間に僕をからかいに来るなんて、よっぽど暇なんですか?」


「はは、悪かったよ。そうツンツンしないでくれ、可愛い顔が台無しだぞっ?」


 彼はそう言って、僕の頬を細い指で突っついた。まるで子どもの様だと馬鹿にされているみたいで、少し腹が立った僕は枝のように細い彼の指を軽く払いのけた。


「もう、怒らないでよ」


「怒ってません。というか、こんな時間に本当に何しに来たんですか?」


「むぅ‥‥数少ないフレンドに対して何だか冷たくないかい?」


 ハムさんは頬を膨らませ、あざとい上目遣いと共に僕のそっけない態度へ抗議した。


「数少ない、は余計です」


 彼の名はハムさん。僕がYFを始めた当初から付き合いのある古参フレンドだ。彼といっても、アバターの見た目は腰まで伸びた漆のような黒髪が美しい典型的な和風美人である。


 しかし、この見た目に騙されてはいけない。一度口を開けば軽口、下ネタのオンパレードで――酔った時にはセクハラ行為に走ることもあり、手が付けられないほどだらしないおっさんのような性格をしている。ごっつい甲冑を着込んでいる癖に、兜を被らず、頭は無防備で素顔が丸出しなのが美貌を見せつけているみたいで地味に腹立つ‥‥というかアバターの中身は多分おっさんなので、僕は意地でも彼を彼女とは呼んでやらない。


「え!?祷君が私のこと頑なに女性扱いしてくれないのってそんな理由だったの!?流石にひどくないかい!?」


「・・・」


 そして、何故か彼は人の心が読める。


 炎の玉を放ったり、雷の雨を降らしたり、街から町へ一瞬でワープする魔法やスキルは存在するが‥‥人の心を読むスキルなんてものはこのゲームには存在しない。彼だけが使える謎の力、という訳だ。


「何でもありのファンタジー世界で読心術とか外れスキル感半端ないけど、それでも唯一無二であることに変わりは無いもんな‥‥」


「祷君、言い方」


「そういえば、ハムさんはお祭りに参加しなくていいんですか?都市部は今頃、お祝いムードの絶頂状態ですよ?僕の姉なんか、昨日から家に帰ってないですし」


「うん、興味ないね」


 即答か‥‥やっぱり変人だな、この人。


「やだなぁ、褒めても何もでないよ?」


「褒めてないです」


「あ、やっぱナニか出るかも」


「ナニが?!」


 まぁ、こんな時にまでNPCと戯れている僕も人の事言えないんだけど。


「ね、ちょっと歩かないかい祷君?実を言うと少し――キミに話したいことがあってね」


 彼はいつにない真剣な表情で僕をじっと見つめた。さっきとの温度差が激しすぎるあまりに唐突な展開に、こっちの調子が狂いそうになる。


「え、今からですか?」


「そ、今から」


 面倒なことになったな。アルボルと適当に戯れた後は、僕もYFをやめて、カウントダウンに参加しようと思っていたのに。ここで彼に付き合えば、カウントダウンまでに戻れるか怪しいぞ‥‥。


「まぁ、来ないなら力づくで連れて行くんだけどね!」


 そう言って彼は拳を力いっぱい握りしめ、満面の笑みを浮かべた。力づく―――つまり、ここで僕と一戦やってボコボコにして分からせる、ということだ。遠い昔のガキ大将よろしく、従わないヤツは殴って黙らせるという彼のスタンスは、人生の反面教師として本当に素晴らしいお手本になるだろう。


「はぁ、少しだけですよ‥‥?カウントダウンまでにはちゃんと家に返してくださいね」


 僕みたいなクソ雑魚ログイン勢がガチ勢のハムさんに敵う訳がない。そもそも、こんな特別な日に痛い思いをするのは嫌だ。ここは大人しく、彼の言うことを聞いておこう。


 いよいよとなれば、強制ログアウトで逃げればいいだけだし。


「ありがとう、祷君。アルボルちゃん、ちょっとご主人借りてくよ?」


「はい、いってらっしゃいませ。祷様―――どうか、お気をつけて」


 ハムさんと出かける僕を見送りながら、アルボルは深々とお大袈裟に頭を下げる。今まで何度も眼にしてきたはずの日常的なその光景が―――今日は何故だか、たまらなく遠い風景に感じられた。



 ~始まりの平原~


 ハムさんは僕を連れて、始まりの平原へと移動した。始まりの平原とは、その名の通りYFを始めたプレイヤーが初めて訪れる、だだっ広い平原のことだ。豊かな自然が美しく、スライムやゴーストなどの弱い魔物が多く生息する初心者向けのエリアでもある。


「何か、懐かしい場所ですね」


 冷たくも優しい平原の夜風に吹かれながら、僕はらしくもない独り言を呟いていた。


 確か、僕とハムさんが初めて出会ったのもここだった。あの時はダンジョン攻略やレイド戦、陰湿なプレイヤーへの復讐やら、何でもハムさんに頼りっぱなしだったなぁ‥‥。


「本当に誰もいない‥‥」


 カウントダウンがあるとはいえ、やはりユフテルからプレイヤーが一人残らず消えるというのは中々に奇妙な風景だ。これではまるで―――世界に僕とハムさん二人っきりになってしまったみたいじゃないか。


 蒼く美しい月が照らしだす大地を、僕とハムさんは二人きりでしばらく歩き続けた。しかし‥‥話したい事がある、なんて言いながらハムさんは平原に着くなり、何も話さなくなった。


 永遠に続くかのような沈黙。でもなぜか、僕にとってはその沈黙がとても心地良いものに感じられた。そうしてしばらく無言のまま歩き続け、ついにハムさんは一本の木の前で歩みを止めた。木と言っても、か細く、まだまだ成長途中の小さな若木だ。


「祷君、キミ―――いま歳はいくつだっけ」


 小さな木を見つめたまま、彼は沈黙を破り、吐息のように呟いた。


「え‥‥何でそんなこと聞くんですか?」


 めっちゃ個人情報じゃね?心を見透かされてる上に、年齢まで把握されてしまったら、プライバシー的にやばいのでは?


「‥‥16ですけど」


「そっか」


 言わないと話が進まなそうなので言ってみたが、彼の反応はあまりに素っ気ないものであった。


「キミは‥‥アークに来る前の生活、現実世界でのことを覚えているかい?」


「―――小さい時のことは、あんまり」


 何故そんなことを聞くのか意味が分からなかったが、僕は反射的に返事をしてしまっていた。


「僕が産まれた時には、もう世界的にアークへの移住は始まっていましたし。何より小学校低学年くらいまでの短い期間しか向こうには居ませんでしたから」


 父さんや母さんは、昔の生活も楽しかった‥‥なんて言ってはいたけど、僕にとってはいまいちピンとこない。そもそも、アークに来る前の生活なんてどうでもいい。


「僕にとっての現実はアークでの生活で、それまでの生活は、幻みたいなものですよ」


「幻、ね。キミは向こうに帰りたいとは思わないのかい?」


「ん‥‥特に思いませんけど」


 向こうの世界は、とても暑くて、痛くて、苦しいものに溢れていたイメージしかない。ストレスや人間関係、お金や健康。そういう生のしがらみから逃れるために、アークが作られたのだと僕は思う。


 それに、ここでは自身の体感気温を自由に設定できるし、怪我や病気なんてものは存在しない。望めば自分の欲しいもの全てが手に入る。まさに理想郷。アークより優れた世界なんて、この世に存在する訳が無いのだ。


「確かにここは理想郷だ。アークに居る限り、永遠の幸福が手に入る。だけど、本当にそれが正しいのかい?キミたちは何か‥‥大切なモノを、見失ってはいないかい?」


「大切なモノ?」


 いつになく哲学的な弁論を述べるハムさんに戸惑いながら、僕は彼の言葉の意味について深く考える。しかし彼は、答えを考え出すだけの時間を、僕に与えてはくれなかった。


「さて…そろそろ時間、だね」


 ハムさんに言われて、僕は時刻を確認する。


「げっ!」


 23時50分‥‥!?20周年セレモニーまで、あと10分しかないじゃないか!


「急いでシャングリ・ラに戻らないと!」


「はぁ‥‥」


 僕の気持ちなんて眼中にないように、彼は大きな、大きなため息をついた。


 全く、ため息をつきたいのは僕の‥‥。


「ごめん、祷君―――キミはもう、シャングリ・ラへは戻れない」


 僕の心の声を遮るように、彼はきっぱりと言い放った。


「どういう意味ですか?」


「ねぇ祷君、いま私たちが立ってるココ、どこか分かる?」


 そう言って彼は、緑の生い茂った地面を指さした。

 

 遂に頭がおかしくなったか・・・?


「どこって…ここはユフテルの始まりの平原でしょ。話があるって、ハムさんが連れて来たんじゃないですか」


「そう、じゃあユフテル・ファンタジアとは?YFって何?」


 質問の真意が分からない。いつもと違う彼の真剣な眼差しを見る限り、無意味な問いかけには思えないけど‥‥。


「・・・」


 ユフテル・ファンタジア…確か、21世紀初頭のファンタジーゲームをモチーフに作られたんだよな。


 広大な自然の中に、多種多様な生物や魔物。様々な異種族が生活していて、ユフテルでもトップクラスの人気を誇る異世界冒険風の娯楽。


 アークが人類の最先端のSF世界であるならば、ユフテルはさながら御伽噺に登場する剣と魔法のファンタジー世界といった所であろう。かつては画面の向こう側にしか存在しなかった、夢の世界でもある。


「おお、思ったよりしっかりした回答が返ってきたね。カンニングした?」


 僕の胸の内に秘めていたハズの独り言を、彼はあっさりと読み取った。


「してませんよ‥‥ていうか、それがどうしたんですか?」


「どうもしないさ」


「は?」


「アークとユフテル、この二つの世界がきみの眼にはどう映っているのか――それを知りたかっただけなんだ」


 そう言って、彼は空っぽの笑顔をぎこちなく浮かべた。

 

 やっぱり今日のハムさんは何かおかしい。いや、おかしいのはいつものことだが‥‥今日は明らかに覇気が無い。まるで、中身のない空洞と話をしているみたいだ。


「ちょっと、私心の中見えるんですけど?中身のない空洞とか‥‥少し言いすぎじゃないかい?」


 全く、この人は―――。


「ハムさん‥‥言いたいことがあるなら隠さずに、はっきり言ってください。僕は貴方のように、人の心を読んだり、相手の気持ちを察したりできるほど器用な人間じゃない。でも、貴方が僕に何かを伝えようとしていることくらいは分かるんです」


 歯切れの悪い言い回しに、ハムさんらしくない覇気のない言葉。


 まるで僕がハムさんの真意に気が付くのを恐れているかのように、今日の彼の言葉は煙のように僕をまいてばかりだ。いったい彼は、僕に何を伝えようとしているのか。


「はは‥‥言うようになったね、キミも。あぁ、もっと早く―――キミに全てを打ち明けておくべきだった」


 そう言って彼は、深く視線を落とした。


 瞳からは生気が消え、見たことも無いような悲嘆の念がこもっている。


「ハムさん?」


 僕ははっと思い出したように、時刻を確認する。


「23時58分!?」


 やばい!0時まであと2分しかない!!今からワープして間に合うか‥‥!?


「ハムさん!あと2分で日付変わっちゃいますよ!話なら後で聞きますから、とにかくシャングリ・ラに戻りましょう!」


 カウントダウンに間に合わないとしても、せめて20周年セレモニーだけは何としてでも拝みたい!


「それはありがたい提案だけど―――祷くん、私達はここでお別れだ」


「は!?」


 さっきから何を言っているんだこの人は?もしかして本当に頭がおかしくなったのか?!


「ハムさん、さっきから貴方はいったい――!」


「刻限だ。キミなら絶対に、自らの使命をやり遂げると信じているよ」


 何かを悟ったように、彼―――彼女は微笑む。その微笑みはあまりに美しく、神話に描かれている女神そのもののようであった。


「ハムさん?」


 何だろう。

 

 何故だかわからないが―――とても、とても嫌な予感がする。


「さようなら、遠い未来でまた会おう。キミは本当の名前を――決して忘れてはいけないよ」


「ハムさん!!」


 嫌だ。


 待って、待ってくれ。


 意味が分からない。貴女はいったい、僕に何を伝えようと‥‥。



「待ってよハムさん―――!」




 ピ―――――――――――。



 0時00分。


 日付が変わったことを知らせるアラームがなる。


 その音を聞き終える暇もなく――――僕の意識は、突然シャットアウトした。






 個人的な趣味全開のお話です、死ぬほど暇な時にでも読んでください。


 多くの魅力的な作品の中から見つけ出してくださり、ありがとうございました。

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