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第⑧話

 


 はははは


 危なーっ(汗)

 今、私とタンクさん(立花さん)はネトゲのイベントへ行こうというところで、一緒にいてお話をしてる途中。

 ついさっきまでも、リアルのほうで食事を一緒にして、それで多分気が緩んでて、ほら、私タンクさん立花さんって知っててさ......あと浮かれてたのもあるんだけど......


 盛大に誤爆したー!!!!!


 なんで、さっきの食事の話をチャットでしちゃってるんだー!!!

 しかも立花さんも普通に返してるし!!!!


 うわあああああー!!!!!!



 ーって、あれ?


 でも普通に返すって事は、このゲームキャラが私、椎名だと知っているということ......?


 ........


 ヤバい。怖い。早くはっきりさせないとこれは今日は眠れないかもしれない。

 とか考えていたら、タンクさんにこれなんのイベント?って聞かれて私は驚いた。いや、知らないで一緒に来たのかよ!と。バレンタインデーですよ、と教えるとタンクさんは黙ってしまった。あ、あれ......ダメだった?も、もしかしてタンクさん相方持ちだったの?でも、最近側でずっとみてたけどそんな人居なさそうだったし。


 ん、あれ?ていうか、このキャラクターが私だって気がついているのなら、バレンタインデーに誘った私はタンクさん(立花さん)に告白してしまっているという事になってるんじゃ........。

 いや、まって。大丈夫。友達同士でバレンタインデーイベントやる人だっているんだし、大丈夫でしょ!大丈夫、大丈夫。


 でも....でも逆にこのキャラクターが私だと気がつかれてないパターンは?その場合はどうなるんだろう。わからないままだと、このまま....この先、最悪誰か相方を作られてしまう可能性だってある。それは嫌だな。

 そうだ、いっそ打ち明けたら?私が椎名だって気がついていますか?と。いや、でもその場合ここまで黙ってたのって結構イメージ悪いのでは。一方的に知っていて、かげで楽しんでたみたいじゃん。タンクさん(立花さん)めっちゃ恥ずかしいこと言ってたしね。

 ていうか、そもそもタンクさん(立花さん)にそんな気がなかったら....恋愛感情がなかったら。私だけ一人で勝手に盛り上がってたってパターンだと、私はとんだ勘違い女に....これは恥ずかしい!これは絶対嫌だ!

 ど、どどどど、どうしよう。やっぱり知りたくなくなってきたんだけど....。もはやイベントどころでは....


 誰か私を助けて....。




 ーーーーー



 これ、椎名さんだよな...。だって、今日の食事のこと知ってる のって一緒に食事した椎名さんだけだし。あるとしたら、どっかで心の声聞いてた可能性のある魔王こと佐藤さんか、サキュバスの黒崎さんくらいか。

 やべー心臓が暴れてる。このまま死ぬのかも。悪いなわたしの元の体の人。心臓ぶっこわれるわこれ。


 さて、どうしたものか。とりあえずいま一つだけ言えることがある。この人が、椎名さんだったら。


 ふふ


 みんなどうなると思う?


 わたし告白みたいなことしてるんだよねー!!!!

 ヤバいヤバいヤバい。前、わたしなんていってたっけ?

 確か、大切な人とか笑顔が可愛いとかそんなこと言ってなかったか!?

 これまじヤバいぞ!!気持ち悪くね?ネトゲのフレンドに自分の話して、調子にのって可愛いだの大切だの......!

 だ、だだだだだ、だれか、は!ま、魔王....そうだ、頼む。魔王なんとか、なんとかしてくれ。この世界を滅ぼしてくれ!!!


 誰かわたしを助けて....。



 ーーーー


 なんだこれ....。こんばんは私だ。魔王こと佐藤だ。

 今、私はネトゲをしている。そしてもうそろそろ始まるであろうイベントへときてみたが、目の前にチームメンバーが二人で固まっていた。

 実は、この二人の中身をわたしは知っている。それは何故か?最近コンビニで心の声をきいているとたまにこのネトゲの話が出てくるからな。まあ椎名がおかしくなってたのネトゲのせいだって知ってたし。

 私とこの二人が同じチームだったことを知ったときはすげーおどろいた。そして、それと同時にびっくりするくらい嬉しかった。

 三人で遊びたいなーとか思ってて。

 だから私はその事を勇者こと立花に話し一緒にゲームをしたかった。でも....こいつ、椎名さん椎名さん、椎名さんの話ばっかり!

 マジでムカつくから無視してたら、急にほめだしてきてどういうつもりだよ。本当にムカつく。

 なにが私といると落ち着くだよ....。私の気もしらねーでさ。


 でも、私のせいで、私が泣いてしまったからまた椎名さんとおかしくなってしまったんだよな。まあ、今は仲直りしたみたいだけど。

 仕方ない。お詫びと言ったらあれだけど、いっちょやってみっか!




 本当言うと私は少しわくわくしていた。




 ーーーー



 これは、いったい....今晩は。黒崎です。これはいったい全体どういうことだってばよ。

 私は今ネトゲにログインをして今日、ただしくは日付がかわり明日からはじまるイベントへと参加するべく、会場へときていました。

 すると私のチームメンバーが二人見つめあって固まってるではありませんか。そして遠巻きに一人、同じくチームメンバーであるモンクさんがジーっと二人を見つめている。


 これは三角関係というやつでしょうか。なんだろう、みていてわくわくしますね!

 あ、ソシャゲのガチャ新しいの来てたんだった。ネトゲはとりあえずイベントくるまで放置ですね。三人の動向を監視しつつ....。

 さて、私の運命力を試すとき!いざ!デュ....



 ーーー



 わたしがどうしよう....と、立ち尽くしていると個人チャットがとんできた。名前は....チームメンバーのモンクさんだ。なんだろう、あんまり話しとかしたことない人なんだけど。


「よ!なんか面白い事になってんじゃんw」


 なんかよくわからんけど煽られてる!?

 なんで!?


「え、なんですか急に」


「私、魔王です」


「魔王おおおおおおおおお!???」


「まあ、そんなことはどうでもいいんだけど」


 よくねーだろ!わたしが立花ってなんで知ってるんだよ!

 佐藤さんとはネトゲの話しとかしてないぞ?!

 どっから漏れたんだ....。


「椎名さん困ってるぞ」


 ....あ


「おまえと同じで、な」


 そうか......椎名さんも同じなのか。わたしの反応が怖いのか。


「立花。お前、元とはいえ勇者だろ」


「目の前の女の子が困ってるぞ?」


「思い出せよ、椎名さんのこれまでを」


 椎名さんのこれまで....。そうだ、椎名さんはわたしにたくさんの物をくれた。わたしが、告白じみたことをしてその後ヒラさんである椎名さんは...。


「魔王....いや、佐藤さん」


「ありがとな」


「別にいいよ。そんかわし、こんど遊んでくれよな。」


 そして佐藤さんはイベント会場の何処かへ消えていった。あいつ本当にいいやつだな。


「ヒラさん」


 わたしがチャットをうち椎名さんの反応を待つ。いま、はっきりさせよう。このままにしていてはダメだ。

 

「はい」


 と、短い返事が返ってくる。



「イベントはじまりますよ!」



「楽しみですね」






「椎名さん」



 










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