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男前な青年が行く  作者: 伊東 勝平
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「北の現役・廃駅舎探訪の旅」第4頁

  ここは北の大地,北海道。の中のさらに北,道北,旭川に我々は到着した。ああ,ここもそうだ。私が住んでいた頃とだいぶ変わっている。というより,廃れ具合が物凄いと感じた。駅前にESTAは無い,百貨店は数年前に全滅,ホテルと病院と某有名薬局と景観として相性が最悪な某新興宗教の建築物,あとは某スーパーマーケットがあるだけだ。これでは都市とは言えない。過去の栄えていた頃を知っている私からするとかなり哀しくなってくる光景である。新しいビルを建てれば人が戻ってくるという考えは大間違いである。趣も何も感じられなくなってしまったかつて愛していた町を出て,いよいよ宗谷本線の駅を巡ろう。ここまでは私のただの批判と思いだ。気に入らないのならば,早急に忘れてほしい。

 さて,私たちは比布町を通り越して和寒町へ向かった。塩狩駅に到着した。ここは今も昔も変わらず,趣深い建物と風景である。いや,特に言うこともない。観光名所や温泉が付近にあるため,駅自体の利用者は少なくても,人の往来はある。故に,そこまでは廃れないのだ。自然に囲まれた所にあるこの駅舎を男前な青年はただじっくり見るだけで,特に感想はないようだった。しかし,彼はこの駅に対して何かしらの思いを抱いたことは表情から明らかだった。

 塩狩駅を後にした我々は,次なる無人駅に向かった。着いたのは正午過ぎ,天気は快晴のおかげか,明るい雰囲気の駅舎だ。私は1枚正面からの駅舎を写した。その間,先に駅舎に入っていた彼が何かを見つけた。手書きの周辺地図だ。人気のない無人駅だということに変わりはないが,駅舎に入るとわかるのは,人の手によってとても丁寧に保存されている,とても大切にされているということである。近くに宿泊施設があるためかわからないが,人の出入りは感じられる。私たちは駅舎内を一通り物色した後,ホームへと出た。辺りは意外にもひらけていた。線路脇に生える雑草の黄緑色と空の青色のコンビネーションがとても美しく,今流行りの語でいうとまさに,「映え(ばえ)ている」といえるのではないか,という情景であった。大変趣深い場所である。

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