しあわせのせかい
《……じゃあ! 次はカラスさんに。
『ここってどこですか』って聞いてみて!》
うん、わかった!
「あの。ここって。どこ……ですか?」
「……ん?
……さてはお前こっちには今きたところなんだな?」
「え……うん」
カラスさんは。ぎゃくにボクにきいてきて。
ボクがこたえたら……しずかになっちゃった……。
《……何か隠してるな……あのカラス》
……トライアル?
《……ん?何?ヤシキくん?》
いまのどういうこと?
《え……ああ、えっとね……。
カラスさんにもう一度声をかけてみよっかってこと!》
う、うん。わかった。
「あの……」
いまのかんじ、わからなかったけど。
カラスさんに、こえをかけてみる。
「……あぁ! ここはどこカァッ! って話だったな!」
「う、うん……」
《び、びっくりした……。
急に大きな声出さないでよ……》
ボクもちょっとびっくりした。
「ここは!
子どもにも分カァりやすいように……いうなら……」
……またカラスさんしずかになっちゃった。
《じれったいなぁ! もう!》
トライアルおこってる……。
《怒ってないから! 大・丈・夫!!》
んぅ……ぜったいおこってる。あかくなってるもん。
ボクはおこってるトライアルのことを
『オコリアル』とよぶことにした。
《ヤシキくん? 聞こえる?》
うん!
よかった。トライアルにもどったみたい。
《……このカラスさんは置いて。
別のところに行ってみよう?》
え……なんで……?
《カラスさん……話したくないのかも》
そっか……カラスさんがはなしたくないなら。
しかたないよね……。
ボクはしょぼん。として。
べつのところにいこうとする。
でも、そのまえに。
カラスさんはボクのほうをみて、はなしかけてきてくれた。
「……ここはなぁ──『しあわせの世界』だ」
「しあわせ?」
《し、しあわせ?》
「そうだ」
「しあわせ……!」
《え?こんな暗くて……怖いところが?》
トライアルはやっぱりふしぎだったみたいだけど……。
カラスさんがそういうってことは……。
ここって『しあわせのせかい』なんだ!
《『幸せの世界』だなんて……。
そうはみえないけど……?》
ここまで読んでいただきありがとうございます……!
この後。
ヤシキくんはとんでもないものをてにいれることになるのですが……?
それが何かはまた次回!