『別死点』 その出会いはビッグバン。~SunBurst!~
こちらの話は『おばけやしき』(タイトルの方)のちょっと前の話。
【ネタバレ上等】『べつしてん』です。
いつもより長く、シリアス風味です。
しかし、すぐに吹き飛びますのでご安心ください。
話の補完として、楽しんでいただければ幸いです。
ストーリー自体は『ひらがな』になっている部分をみていただければ何の問題もございません。
□ ■ □ ■ □ ■ □
補完として成り立っていなかったので……。
7月31日に追記いたしました。
ご迷惑おかけして申し訳ございません。
~ お化け屋敷が吹き飛ぶ少し前の話 ~
「ッカァーーーーーー!!」
~悲しい鳴き声が屋敷中に響き渡る……~
~ ~ ~ ~ ~ ~
小さな子どもドラゴンがこの世界に辿り着いた頃。
このお化け屋敷の長……『サン』は。
自分ではどうすることもできない状況に苦しみ嘆いていた。
それもそのはず。
今の『オバケヤシキ』は……いや、この世界は。
存続の危機に陥っていたのだから。
──とある夜のこと。
みんなが『オバケヤシキ』を盛り上げていた時。
ある来訪者達がこの世界に辿り着いた。
彼らの心は。
『恨み』、『憎しみ』、『恐怖』、『失望』……。
他にも様々な負の感情で溢れ返っていた。
でも、そこは問題ない。
なぜならこの世界はそういう……未練を残した方々が集まる場所。
生と死の間にある……。
──『死と隣合わせの世界』なのだから。
その未練によっては。
辿り着く世界、『オバケヤシキ』の在り方も変わってくる。
変わらないのは、その未練を。
その世界のみんなで『オバケヤシキ』……。
──『Over K YSK』。
『オーバーキル! やさしく!』の略称。
その名の通り、死んでも死にきれなかった方々を。
楽死ませてあげることで、その未練を晴らし。
優しくオーバーキルすることによって。
笑顔で還って逝ってもらうことを目的としたものだ。
そして、こうした優しさの溢れた『死と隣り合わせの世界』は。
略して『しあわせの世界』とも呼ばれていた。
でも……それは来訪者がここに辿り着くまでの話。
その時は無死やGKBのみんなが頑張ってくれたおかげで……。
来訪者の何体かには、楽死んで還って逝ってもらうことができたんだけど……。
通用しなかった相手が『4体』いた。
1体は楽死ませることができず……そのまま残ることになった。
でも、残りの3体は……。
凄まじい力を見せつけて。
みんなに負の感情を与え、逆らえないようにした。
そして、その残る4体は……【殿使】と名乗り。
この世界は『氷獄』『炎獄』『叫獄』『典獄』の4つに別れ。
【殿使】が支配することとなってしまった。
この世界で対応しきれないほどの相手なら……。
別の『オバケヤシキ』がある世界に飛ばされるはずだけど。
彼らの仲間達が、この世界の『オバケヤシキ』で還って逝ったことを考えると。
残念だけど……この世界のみんなの力が足りなかったんだ。
そして、この世界の『オバケヤシキ』は衰退し。
もはや、誰もが諦めかけていた。
……だけどそんな中でも、屋敷鳥サンは。
『もはや、手段は選んでられねぇ……! バイト募集だ!』
と、この世界の『オバケヤシキ』を取り戻すために……バイト募集を始め。
──今に至るのであった。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
はぁぁ……だんれも来ねぇぇ……。
状況ガァ状況だし……。
しカァたねぇのカァもしれねぇけど……。
「こんな俺でもムカァシはぁ……『神』として信仰されて。
その後も『オバケヤシキ』の『カァリスマ』としてぇ!
一世風靡……してたってのになぁ……」
……もはや!そんなのぉ!
今はもうムカァシの話なんだカァらなぁぁあ!
──♪
~屋敷鳥サンはこんなことをいっているが!
姿は骨だけの『カラス』だっ!~
────♪
……ハァ。
だガァ……もう。
この世界の『オバケヤシキ』を……。
盛り上げられるやつなんて……。
いるわけないよな……。
時代の変遷ってのは……恐ろしいもんだよなぁ……。
ムカァシは……工夫を凝らして。
みんなで一生懸命になって作り上げた……。
魂がこもったお化け屋敷で。
大満足してもらえてたってのに……。
最近は……
「こんなのみても……」
「……つまらない」
「これがなんだっていうの?」
とバッサリ。
全く満足してもらえなくなった……。
そして『お化け屋敷』はいつのまにか……。
『怖がらせること』だけを重視するようになっちまった。
『お化け屋敷』ってのはなぁ……。
怖がらせるだけじゃあダメなんだよ……。
怖がらせるだけじゃ意味がねぇ……!
満足してもらわねぇと意味ねぇんだ……。
それが『オバケヤシキ』のあるべき……!
カァァァッ! クッソーーー!!
どこカァに! どこカァに……!
もっと骨のある個性ビッグバン創世記なヤツはいねぇのカァ!?
~もうどうすることもできないのか……。
諦めかけていた……その時だったっ!~
『コンコン』
……んっ!? 誰かきたのカァ……?
……でも。もう、これガァ……。
最後の面接になるカァもな……。
「それでは入ってきてくださぁい!」
「え……入ってもいいんですか?」
こりゃ、とんでもないバカァがやって来たなぁ……。
「もちろん!」
「……じゃあ遠慮なく……」
……そもそも入ってくるときは『失礼します』だろうガァ?
なにガァ!……え?
「」
~……あっ。
お化け屋敷……。
屋敷鳥もろとも……。
ぜんぶふっとんじゃったよっ!?
これではもはや、バイト募集どころではないっ!
これからどうなるっ!
いや! どうするんだっ!? 屋敷鳥!
次回!『バイト募集、取り止めます』お楽死みに!~