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種族絶戦 ◈◈◈人の過ち◈◈◈  作者: すけ介
初まりの町
9/619

第9話

「昨日は世話になった、」

「いいえ、親父もいないし暇なんだよ。また泊まりに来ておくれ。」

「ありがとう、。またな、」

「じゃあね!」

やっとだ。今日はサバイバルトーナメント初日。派手にいこうではないか!


「おじさん!」

「坊主、ちゃんと準備はしてきただろうな?」

「はい!準備万全です!」

「そうかそうか、、選手控え室は向こうだ。中にはランダムで決められたトーナメント表がある。坊主の番になれば闘技場へ出るんだ、、分かったか?」

「はい!」

「よし!行ってこい!」

控え室に入ると中は大勢の人で溢れていた。

そんな中でトーナメント表は天井スレスレの場所に貼り付けられていて、見るには困らない。

「えーと、、俺は一番か、」

そう。俺のエントリーナンバーなんと一番。トーナメントが始まって一番始めに出るらしい。

「ん、、お前があのリョウって奴か?」

「そうですけど……。」

なんだこいつ、、確かに強そうだがなんとも武人の目じゃない。

「お前が俺の相手だと、冗談じゃない!」

「と言うことはアナタは二番のマイケルさんですか?」

「ああそうだ。くれぐれも死なんようにしてくれよ。」

「は、はい。」

「ふんっ、」

殴りたいら滅茶苦茶ウザい、それにやけにキザだ。無理だ。こんな奴が相手なんてこっちこそゴメンだ!

『一組目!リョウ選手&マイケル選手の入場でーす!』

ん、早いな。この扉、だよな?

俺が目線で質問すると他の選手がコクりと頷き教えてくれた。俺はそれに感謝し扉を通った。


『それではサバイバルトーナメント、開催でーす!』

その声と共に試合の火蓋は切って落とされた。

「はあっ!」

ガキンッ!

マイケル選手の武器はおじさんと同じ直剣。しかしおじさんとは比べ物にならないくらい弱い!

「炎魔法・炎鳥」

「うわっ!」

人体の中で魔力を一番扱いやすいのは両手。そして次に足なんだがその差は格段に大きい。だから両手以外で魔法を使うのは愚策だ。

まあ、それが今の状況に何故繋がるのかというと、手は二つある。と言うことで、魔法の同時発動も不可能ではない。もう分かってくれただろう。炎鳥の数は二羽。炎を纏う危険な魔法が二羽も敵に出来てしまった。

「炎鳥よ、炎矢による攻撃だ。」

「キュイ、キュイッ!」

「ちょ、そんなの反則だろ!魔物を闘技場に連れ出すなんて!」

「魔物じゃない。魔法だ!」

「はぁっ!?」

ガキンッ!

その間も手加減無しで短剣をぶつける。短剣は一撃のダメージはそこまでないが、手数が多い。これはこんな消耗戦の場では最適だ!

「舐めるなよ子供(ガキ)が!」

マイケルの体が発光したかと思うと目の前から消えた。そして後ろから剣を振り下ろされた。

「なにっ!」

「警戒はするものだな。」

今のはマイケルのスキルだよう。けど、剣による斬撃が通らなくて戸惑っている今なら…。

「雷魔法・ショックサンダー」

一瞬、ほんの一瞬、何かが光ったと思うとマイケルはその場へ倒れていた。

『勝者、リョウ選手ー!皆様、盛大な拍手を!!』

この一回戦は色々と俺も学ぶことが多かった。けれどそんなことよりも俺は疲れた。取り敢えずは客席でノンビリしよう。


ガヤガヤと煩い。学校以外中々山から降りない俺はこんな所は苦手だが仕方ない。上の方なら多少はマシだろう。

と言うことで客席の最上部へと足を運ぶ。すると早速のお客だ。

「旦那、今のは魔法ですかい?」

「言うわけないだろ。一応俺の特権なんだから」

「だと思いましたよ。それはそうとあのエルフの娘、歳はいくつですかい?」

「ん、、何故だ?」

「いやぁ、やけに色々と物知りで私がついていけねえんですわ。興味本位なんで良いですがね。」

「そうか。俺も歳は知らん。」

「そうですかい。そんなじゃ、契約お願いしますよ。」

商人は宝石だらけの手を振ると何処かへ去っていった。そして次は…、

「よお坊主、よくやったな。魔法なんか俺より上手くなってるじゃあねえか!」

「はい。色々練習しましたし!」

「そうかそうか、よくやった!取り敢えずはよくやった!」

「ありがとうございます!」

「ははは、また話そう。残念だがまだ仕事が残ってんだ!」

「はい。では、、」

機嫌の良いおじさんに手を振って送り出すと、次に来たのは…、

「シュラ!」

「リョウ!凄いじゃないの!」

「来てたのか?」

「あぁ。リョウが出るって言ってたからねぇ。」

「鍛冶屋は、いいのか?」

「大丈夫大丈夫、親父は家にいないし滅多に帰ってこない。それに収入なんて皆無だからね。」

「皆無って、、」

「本当さ。お客が来たのなんてリョウがここ数ヶ月で初めてさ!」

「そうだったのか。常連にならせてもらうよ。」

「ありがとね。そして、よろしくね。」

「あぁ。」

そしてちゃっかり俺の隣へ座る。

「て、座るのかよ!」

「ダメなの?あたし、一人だよ?」

「仕方ないな。」

「ありがとね!」

「シュラ、口調、変わってないか?」

「まあね。前までのは商売の口調だね。日頃からあんな口調じゃフレンドリー過ぎるでしょ!」

「まあ、そう言うものか?」

「そうだよ。それにあんなにサバサバしてたら女の子らしくないじゃない!」

「まあ、そうなのか?」

「うん!」

まあ、分かる気がする。

けど、前までのシュラも嫌いじゃないけどな。


『これにて午前の部は終了です!二刻後、午後の部を開始します!』

「どうするシュラ、一度帰るか?」

「実は…。」

「ん?」

「あたし、お弁当作ってきたんだ。帰られるか分からなかったから!」

「そうなのか?」

「うん!それで、二つ作ってきたしリョウもどう?」

「いいのか?」

「うん!リョウの為に作ってきたし!」

嬉しい。そしてその優しさには感謝だ。

いつかちゃんとしたお礼をしなくてはならないな。

「ありがとうシュラ。もらうよ、」

「うん。どうぞ、!」

「ありがとう、」

ヨーロッパ風文化なのに何故か弁当という物が存在した。本当にグチャグャな文化構成だな

「旨い。」

何故か懐かしい味がする。本当の意味で懐かしい。

「シュラ、、一つだけ、聞いていいか?」

「うん!どうしたの?」

「この弁当って方法、親父さんが言ってなかったか?」

「えっ、、どうして分かったの?」

「今度、親父さんが帰ってきたら教えてくれないか?」

「え、いいけど、、、どうしたの?」

「いや、、きっと俺と親父さんは同郷だと思ってな。」

「え、本当なの!?」

「あぁ。けど、それがどうしたんだ?」

「だって、親父ったら故郷のことは一切教えてくれないんだよ。ねぇ、その故郷っとどんな所?」

「そうだなぁ。」

流石にそのまま現代日本のことは教えられない。まあ、色々濁すべきか?

「ねぇ!」

「そうだなあ、どんなことが知りたい?」

「えーと、、まずはそこの特産物を教えてよ。」

「特産物か、、魚かな、」

「魚?魚って川に住んでいる?」

「いや、、海っていう大陸の外側にある大きな湖のことだ。」

「そんな物があるんだ、、て言うことは、故郷は大陸の外なの?」

「まあな。そんなところだ。」

確かに嘘はついていない。日本はここの外だからな。色々な意味で!

『これより午後の部でーす!第一組、リョウ選手&ガイラ選手は準備をしてください!』

「じゃあ行ってくる、」

「うん、頑張ってね!」

次の相手は魔法使いのガイラ選手。魔法攻めは出来ないな。

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