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種族絶戦 ◈◈◈人の過ち◈◈◈  作者: すけ介
平穏なる魔国
56/619

第56話

「!!!!!!!!」

「リアス、あれは何?」

「リョウの魔晶だよ。魔力を込めたら出てきたんだ!」

「リョウ兄、いなくても守ってくれる…」

「私達、お世話になりすぎだよ…」

「ホントにね。自分達で自分くらい守れなきゃ!」

「だね。けど、これは頼らなきゃ……」

「まあね。頼るときは頼るべきだと思う。死んじゃったら意味ないから……」

「そうだね。私も、動けそうにないや……」

「どうしたの?」

血が一杯出てるせいか視界がボヤける。それに足元さえフラフラして戦える状況じゃないよ。

「これ……、」

切り裂かれた右肩からは今も血が出ている。弱ったなぁ。危険かもしれない。

「リアス、先に言ってよ! こんなの放っておいたら死んじゃうよ! 精霊魔法・無痛蜜」

もたれかかった木から緑色の蔦が伸び傷口の手前で止まと、花が咲き先端に蜜が溜まる。

「痛く無くなった?」

蜜は傷口へ落ちると染み渡るような感覚と共に消え、痛みも一緒に消えて無くなってく。

「どう、痛みは消えた?」

「う、うん……」

「良かった。これは痛みを消す蜜だよ。けど、痛みだけだから安静にしててね。」

「うん、ありがとね」

「お礼なんていいよ。それよりあの巨人に何か言った方がいいんじゃない? 今は巨鳥が警戒してるけどそのうち攻撃してくるよ!」

「そう、だね。えーと、なんて言えば……?」

「攻撃して! で、いいんじゃない?」

「そうだね。じゃあ、攻撃して!」

そう言うと巨人の目が輝き片手を巨鳥へ向ける。そして……、

ドーーンッ!

爆音と共に大きな炎球が放たれ周囲を真っ赤な炎が覆う。でも流石巨鳥。素早く飛び上がるとと難なく炎から逃れる。

「!!!!!!!」

巨人と言えばゴツゴツしたムキムキの巨人なのだが、この巨人はスッキリとした体格でただ大きいだけ。けれど流石巨人。その力は本物で、身軽なことを生かし素早く鳥へ迫る。

「キヤァァァァァ!」

「!!!!!」

鋭い爪と大きな拳がぶつかり合う。けれど制したのは巨人。切り裂かれた拳は一瞬で再生し炎を纏った拳が巨鳥を襲う。

「キヤァァァァァ……」

そんな大きな拳に襲われた巨鳥はその手傷もあり無様に墜ちてくる。けれどまあ、その墜ちてくる爆風さえ私達には危険だけど……。

「!!!!!!」

ドスンッ!

巨人と落ちてきた音がこれまた大きい。そしてそのままゆっくり墜ちてくる巨鳥へ向け…、

「!!!!!」

最初に放った炎球を再び放つ。それも連続で!

「キヤ、キヤァァァァ……」

ボロボロになった翼を引きづり巨鳥は立ち上がる。そしてギラギラと光る目をキッと見開き風魔法を使う。

「…………」

放たれた本人である巨人は全くの無傷。炎でできた体は風を受け逆に勢いを増す。

「!!!!!!」

巨人の右腕が炎を放ち剣の形をとる。真っ赤な剣はまるで血を浴びたみたい。

「…………」

「!!!!!!!」

その大きな剣を目一杯振り上げると巨鳥の運命は途絶えかと思えた。しかし……、

「キヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

急に虫の息と思われた巨鳥が叫び声を上げた。本当に最後の雄叫び。けれどそんなことには構わず巨人は剣を振り下ろした。

ブシュッ!

「終わった?」

「うん。けど、何かあると思う……」

「そう?」

「うん。私はだけどね、」

そしてその予感は当たった。強い風が吹くと空には6羽の巨鳥が。今度こそダメかもしれないね……。

「リアス、当たったみたいだね…」

「うん。嫌な方向にだけどね、」

「………。逃げられると思う?」

「私は無理だと思うけど?」

「そうだよね。最後に足掻いてみる?」

「うん。諦めちゃ終わりだし!」

「そうだね!」

その時、静かに立ち尽くしていた巨人の目が光る。そして……、

「!!!!!!!」

聞こえない雄叫びと共に巨人は空に浮かぶ巨鳥を殴り飛ばす。残りは4羽。それまで魔力が保てばいいけど……。

「大丈夫かな?」

「ギリギリだね。リョウ兄が言ってたけどあれは周囲から魔力を得ているんだって。リョウ兄みたいな底無しの魔力があれば大丈夫だけど、ティナを含めリアスの魔力もそこまでないでしょ。と言うことはここら辺の魔力が無くなった時、ティナ達は助からない……」

「…………」

派手に暴れる巨人。その体からは常に強烈な熱風が放たれていて魔力の消費量の多さを物語っている。

「!!!!!!」

「キヤァァァァァ!」

大きな者同士の衝撃が空気を揺らす。その衝撃は周囲を緊張感と言う形で影響を及ぼしていた。

ドンッ!

「凄い。あの巨人、体に似合わないくらい早いよ!」

「リョウ兄には勝てないや……、」

どこか悔しそうに、また誇らしそうに呟く。私はそんな感想抱けないよ。だって、凄すぎるんだから……。

「!!!!!!!」

蹴り飛ばした巨鳥に追い討ちを掛けるべく跳び跳ねる。そして両手で吹き飛んだ巨鳥を叩き落とす。

「キヤァァ‥‥」

「!!!!!」

ドカーーンッ!

瀕死の体で立ち上がる巨鳥に容赦のない炎球が撃ち込まれる。それも何発も!

「自分でやっててなんだけど、あの巨人、凄いね……」

「うん。ティナ達の努力は……」

「そう言わないでよ。私達の努力として納めとこ!」

「そうだね。これ以上考えると悲しくなってくるよ……」

ドーーーンッ!

「凄いね、ホントに…」

「私達も余波には気を付けなきゃね…」

なんせ炎は巨鳥を焼きつくし森までも炎に燃やされていく。と言うことは当然私達だって危ない。

「キヤァァァァァッ!」

「!!!!!!!!」

巨体と巨体がぶつかり大きな音をたてる。けれど圧倒的に巨人の方が強い。

「キヤ、キヤァァァァ……」

あと2匹。他3匹は既に翼を斬られたか頭を落とされて死を迎えている。

「!!!!!!」

ブシュッ!

これで瀕死だった巨鳥が死んだ。あと1匹。けどこの巨鳥が1番強いと思う。何故ならずっと空から巨人を眺め、明らかに知性があるから。けれど……、

「!!!!!!!」

圧倒的な力を有する巨人にはそんな差は意味を成さないようだった。鋭い爪が巨人を襲うが、物理による攻撃は一瞬で再生されてしまう。

「キヤァァァァァ!」

それでも賢い個体なだけありすぐさま飛び立つと巨人の手が届かない場所まで離れる。

「!!!!!!」

そしてその対応に巨人は追い掛けるように飛び上がる。しかしそれも少し避けることで躱され攻撃は空振りに終わった。

「キヤァァァァァ!」

背中を見せた巨人に鋭い刃の風魔法を放ちバラバラに切り裂く。もしかして終わったり、しないよね?

「!!!!!!」

良かった。バラバラになった体は炎と化しもう一度巨人の形へ戻る。その時、私から少し魔力が減る。

ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!

炎の巨人も本気を出したようだ。炎球を乱射し巨鳥を仕留める気らしい。

「キヤァァァァ!」

巨鳥の風魔法が吹き荒れるがそれは炎球をより燃え上がらせるだけで攻撃になっていない。そして……、

「!!!!!!!!」

最後の炎球が放たれると同時に巨鳥は炎球達を避けるように飛び立つ。しかし炎球は静止したまま。なに?

「!!!」

巨人の目が光り静止した炎球は一斉に巨鳥へ向けて突っ込んでいく。当然、無数に放たれた炎球は巨鳥へ当たりそれと同時に他の炎球を連鎖して爆発する。

「終わった、の?」

「幸い、ね。リアス、見て!」

ティナの指さす方向を見ると立ち尽くす巨人の体が薄れ粒子となり消えていく。そしてそれに伴い墜ちてくる魔晶を回収した。

「残念。巨鳥達はどうする?」

「リョウ兄がいないから無理だよ。諦めよう?」

「そうだね。行こっか?」

「うん!」

もう木々も開け向こうが見えている。私達はここがやっと終わるという思いで走る。

「やっと出た!」

これでやっと森を出た!

これで、これでリョウに会うのに1歩近づいたんだ!

私達は期待を胸にその1歩を踏み出した。

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