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種族絶戦 ◈◈◈人の過ち◈◈◈  作者: すけ介
平穏なる魔国
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第47話

「さっ、御二人共始めましょうか!」

「リョウ殿、少し、少しだけ休ませて下さいませぬか?今の試合は既に試合と呼べる規模ではございません!」

「そうか?まあ分かった。その間、他の奴等の剣術でも見てくるわ!」

丁度離れた所で兵達が訓練を再開していたので少し見ようかと木刀を持つと……、

「お、お前!私は、私の意見は聞かないの!?」

「お前は今からでも大丈夫なのか?」

「当然!私を見くびらないでよ!」

「分かった。なら少し離れてしよう。魔力が乱射してしまうと大変だ。」

「分かったわよ。」

意外と素直なのか。反抗的に見える態度だが、言っていることを理解してくれるし、それに態々反抗することなく素直に応じる。

「ここなら大丈夫だ。準備は出来てるか?」

そこは広場の本当に端。他の人から離れた場所で、もし間違えてミスしても防げるだろう。

「勿論!」

「じゃあ取り敢えずは説明だ。火魔法は使えるか?」

「大丈夫。」

「ならいい。取り敢えず火魔法の炎球を作ってくれ。」

「炎球を? ■▧■▧■▧■▧■▧、火魔法・炎球」

予想通り指先に直径10センチ程の炎球がつくられ炎を燃やす。しかし俺の求めているのはそれじゃあない。

「じゃあそれを小さく抑え込むことは出来るか?魔力量を変えずに!」

「無理でしょ!」

「大丈夫だ。やってみろ!」

これについては魔法を教えると言うよりも魔力や属性について教えるのと大差ない。どちらかというとそちらがメインかもしれないな。

「リョウ、どうすれば?」

本人は気付いてないだろうが初めて名前で呼ばれたな。まあいい。ギクシャクするよりマシだろう。

「燃え盛る炎に魔力を巡らせてみたらどうだ?」

「魔力を、巡らす…。」

魔法と言うのは元を正せば魔力で形作る。しかし属性を乗せた上、自分の制御下から離すとその魔法の効力しか発揮しない。いつもならこれでいいんだが、例えば今のように一度作った炎球を縮めるとなると、始めに作った魔力量によって大きさが変わるので困難を極める。

と言うことで提案したのが魔力を巡らすという方法。魔力を巡らすということは、再び自分の制御下に戻すということであり、持続可能にする他魔力による外からの干渉も可能になる。

「いいじゃないか。流石だな!」

順調に魔力が魔法を満たすとゆっくりと魔力の圧による縮められていく。これが出来れば後は簡単。これを打ち出すだけなのだから!

「本当!?」

「あぁ。これを一気に一方向へ解放すればその向きへ圧縮された炎球が飛ぶんだ。」

「こう?」

やはり解放したのは手前。しかし見落としがちだがここが一番大変だ。何故なら解放していいのはほんの数ミリだけ。それ以上解放すると圧力が弱まってしまうのだ。そして案の定……、

バーンッ!

その場で炎は飛び散り周囲を燃やす。リリス自体は俺が守ったが爆発を抑えることはしていなかった。

「練習あるのみだ、」

「そ、そうみたい。ありがと…。」

俯きながら礼を言うと練習を再開する。俺は一息つくと近くの石レンガへ腰を下ろした。

「疲れた……、」

まだハンデスは回復していない。意外とああ見えて繊細なのかな?

「まあいい。少しやりたいことがあるんだ!」

少し空けるぞとリリスに伝言を頼むと俺は風魔法で遥か上空まで飛び上がった。やりことは一つ、魔法実験だ。

「複合魔法!」

もう炎やら氷やら言うのは楽だ。しかし属性として難しいのもあるんだよな。そんなの全て合わせて複合魔法でいいか!

「複合魔法・絶重ノ暗黒星」

これは土魔法と闇魔法を合わせて同時展開した末に生成できる物体。通称ブラックホールという物だ。近付けば圧倒的重力で引き寄せられ押し潰される最凶の星。単に重力が強いだけなら闇魔法の重力操作で発生させられる。しかしブラックホールとなると不滅だ。何故なら既に星として生成しているから。しかし…、

「ふっ!」

全てを飲み込んでしまうブラックホール。ならば同じ闇で全て呑み込んでしまえばいい。闇魔法は魔力量によりなんでも吸収するという特製があるのだ。

「禁呪だな……。」

これは禁呪指定すべき魔法だ。核爆破もそうだが危険すぎる魔法は確実に日常的に使って良いものではない。この「絶重ノ暗黒星」も確実に使ってはいけない!

「まあ、あと一つやりたいことがあるがな。」

それは世界の限界に挑むこと。炎をどれだけあげられるかだ。まあ、取り敢えず補足として炎とはから説明する。炎は物質の温度を上げることで発生し、元となる物質により変化する。そして今俺が使う物質は魔力そのものであり、それの温度を火属性で操っているだけ。なら……、

「火魔法・蒼炎」

蒼い炎とはただ温度が上がっただけ。これで約1300度くらいだと思う。そしてそれをふまえ次だっ!

「火魔法・純白炎」

ここまで来ると触れるのが怖いほどの熱を持っている。温度は約5000度。基本的な物は全てこれで終わる。そしてここからが難解だ。

「火魔法・絶燃炎」

純白を越えた炎は結果見えなくなるのだ。

ただの熱として存在し見えない死神の手は獲物を確実に焼き殺す。

「ほいっ、」

宿した炎に鶏肉を投げ入れると音もたてずに一瞬燃えたか、と思うような物が見えた末消えた。

「禁呪だな……、」

因みにこれに闇属性を加え特性だけを足した炎も作れる。その名を暗黒炎。魔力源を相手の命とし、当たれば命が燃え尽きるまで燃え続ける。

「堕炎魔法・暗黒炎」

燃え上がる炎は何処までも吸い込まれそうな暗黒色で、獲物を今か今かと待ち構えているようだ。その温度も相当なもので人1人殺すのなんて造作もないことだろう。

「そろそろ戻るかっ!」

様々な魔法を使い実験した。することも無くなったし戻るか。


バンッ!

「危なっ!」

安定した柔らかい風に身を任せていると、それを切り裂く炎弾が頬を掠めた。

「ごめん、」

「大丈夫大丈夫。擦っただけだから…。」

擦った頬をなぞると赤い血が手についた。少し切り裂いたようだ。

「大丈夫? 本当に…、ゴメン。」

「だから大丈夫だって。心配するなよ。」

妙に心配してくれるな。嫌じゃないけど……。

「か、勘違いするんじゃないわよ!」

「分かってるって。それより魔法は出来たのか?」

「へっ…? あ、うん。見てなさい!」

自信ありげに胸を張ると直剣に魔力を流していく。なるほど、銃身は刀身で賄うということか。

バンッ!

「凄いな。完璧じゃないか。」

刀身に炎が付与されると瞬時にそれらの魔力が切っ先に集まった。そして剣を横に構えると抑えつけていた魔力壁の一部が解かれ鋭い極小の炎弾が発射される。

「ほ、本当に?」

「ああ!威力も申し分ないし十分使える。けれどリロード時間が長いな。それも慣れれば問題ないだろう。」

「ありがとう! リョウ、私‥」

興奮気味に話しているせいかいつの間にか距離が近くなり俺の手をとっていた。

「リリス、」

「あっ………。ち、違うの! か、勘違いしちゃダメだからね!」

一瞬で手を離すと後ろへ瞬時に退く。若干顔も赤いな。

「分かってる。」

「………。」

「………。」

気まずい沈黙が流れると気まずさが増し、声を発することさえ難しくなる。そしてそんな中、助けになったのは………、

「リョウ殿、俺のせいですまぬ。もう回復しましたぞ!」

やっとハンデスが回復し俺の方へ近付いてくる。ナイスタイミングだ!

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