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種族絶戦 ◈◈◈人の過ち◈◈◈  作者: すけ介
平穏なる魔国
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第46話

「リョウ殿、どうかその技を御教授願いたい。」

「いいですよ。しかしこの人達を起こしてあげては?」

やはり一番始めに回復したのは隊長のハンデス。そして目を輝かせこの技を知りたがる。

「お前達、何をしている。戦場では恰好の獲物になるぞ!」

『は、はい!』

隊長の大声に周囲の兵はビクッと肩を震わせやっと現実に戻ってきた。俺の疑似拳銃はそれだけ威力があったということだ。

「お、お前!」

やはり恐れるか。まあそうだろうな。それが敵対心のように派生しているのは気になるが……、

「なんだ?」

エリスから堅い言葉を使わなくていいという許可をもらっているので楽に話す。

「わ、私にも、」

「?」

「私にも教えてよ!」

「大丈夫だ。あとで教えるから待っててくれ、」

「うん……。」

「ハンデスさんも。少しの間待っていて下さい。」

「了解した!」

一瞬不思議そうな顔をしたが詮索せず了の意を示す。そしてそれから数分、特に装備をしたわけでないエリスが白色の宝石のついた短杖を持ち出てきた。

「待たせたのうリョウ。ハンデスはどうじゃった?」

「強かったぞ!」

「そうかそうか。自分の兵達が褒められると妾も嬉しくなるのう。ハンデス、よくやった。」

「身に余るお言葉です。」

「良き良き、それではリョウ。やろうではないか!」

「そうだな。次は魔法だけにしよう。」

魔法を強化する武器がないのは残念だが仕方ない。まあ、一番乗せやすい拳銃にしよう。当然試作品の方だ。

「良いのか?妾は強いぞ?」

「あぁ。刃は向けたくないからな、」

「御主は紳士じゃのう。」

「それではエリス様とリョウ殿の試合を始めます。司会はこの俺、ハンデス。それでは……、始め!」

そこ声と共にエリスは短杖を片手に詠唱を始める。

「■▧■▧‥」

「火魔法・炎監」

「早いっ!」

エリスの足元へ炎が渦巻くとそのまま飲み込もうとする。しかしエリスの反応も早く素早く飛び上がると炎から逃れる。

「反応が早いなエリス、」

「御主の詠唱には敵わぬわ!

 ■▧■▧■▧、水魔法・プレシャーライン」

「おっと、」

放たれた水の光線を躱すが、そのあとも連続で放たれ避け続けるのが難しくなった。

「仕方ない。風魔法・旋風界」

手中を中心に渦巻く風が俺を包み周囲までも巻き込みながら大きな竜巻のようになる。この中では魔法なんぞ物理的に掻き消されてしまう。

「リョ、リョウー!前が見えぬ!」

「そうか。ならもっと分かりにくくしてやろう。土魔法・砂塵」

嵐の中へ細かい砂を放つ。視界は砂で塞がれ意味を成さなくなってくる。

「リョウー!何処じゃー!」

後ろで声が聞こえる。しかし相手はエリス、魔法のプロだ。なら魔力を辿ればいいだけ…、

「そこか!」

バンッ!

炎の爆発を込めた銃弾。着弾場所を中心に半径1メートル程の爆発を引き起こす。

「やるのうリョウ。しかし妾は引かぬぞ、」

ギリギリ水魔法で防いだようだがその瞳から見るにかなり危なかったようだ。

「逃がさん!雷魔法・雷旋竜」

手の内から漏れ出す雷は竜の形をとり砂嵐の中へ潜む。しかし砂嵐はただの目隠しに過ぎないのだ。魔力を感じることができれば打ち合うことも出来る。

「ふぅっ!」

「なにっ!」

「妾とて出来ぬ訳ではない!」

流石に現代知識の無いエリスには雷は出来なかった。しかしそれに変わる炎で竜をつくってみせたのだ。

「氷魔法・大雹乱」

手から放たれた氷の礫は砂嵐に混じり凶悪な刃と化す。そしてそれにより血が飛び散るのも確認できた。

「魔法解除、」

今発動中の全ての魔法を解除した。しかし地獄はここから。俺の手中には凶悪な程の魔力が渦巻いていた。

「んっ?」

急に苦戦していた嵐が無くなったことから隙の出来たエリスは俺にとって恰好の獲物でしか無かった。

「耐えろよエリス。火炎魔法・核爆破」

「っ!」

ーー!ーー!ー!!ーー!!!ーーー!ー!!

咄嗟に水壁を纏ったようだがそれでも威力は消せない。容易く水壁を破り炎は体中に傷を与えた。

「エリス、まだやれるか?」

「妾がこれほどでやられるとでも?」

その瞳は驚く程死んでおらず、その自信は何処から来るのか不気味だ。

「だろうな。俺は何度でもしてやる!」

「勝負じゃ!」

いつの間にか傷は全て元に戻っていて、零ダメージに戻っていた。

「火魔法・炎斬」

「■▧■▧、水魔法・シーネット」

俺の放つ炎の斬撃がエリスの作った海水の網に受け止められてしまう。

「■▧■▧、風魔法・シックル」

「火魔法・波炎」

荒れ狂う風刃が俺を切ろうとするが炎の波がそれさえも糧に変え燃え盛る。

「強いのうリョウ。しかし一手が足らぬ。」

「エリスもな。そらそろ本気モードでいいかな?」

「挑むところじゃ!」

「生き物を殺すのに一番秀でているのは炎だと思うぞ。」

両手に魔力を溜め圧縮する。やはり瞬間的な魔力放出には限界があら、予め溜めれば威力は上がるのだ。

「火炎魔法・蒼炎ノ鎖刃」

溜めた魔力から造り出された蒼炎の鎖刃は俺の手の中でその凶悪な蒼炎を蠢かせている。

「やりよるのうリョウ。しかし武装系魔法なら妾も使えるぞ。■▧■▧■▧■▧■▧、■▧■▧■▧、水魔法・ポセイドンアーマー」

蒼い輝きを放つ鎧がエリスを包む。本質は水で出来ており簡単に潰すことが出来るのだが、高密度な上防具式なので修復は早い。

「凄いなエリス。けれど、おれの方が強いな!」

「妾は水じゃぞ?」

ボッ!

蒼炎の鎖刃が鎧を切り裂く。そしてボッという音と共に鎧は吹き飛ぶ。蒸発したのだ。

「属性に縛られ過ぎたな。理解しなければ、」

「…………。」

「因みにこういうことも出来るぞ。

 無属性魔法・魔法強制分解」

するとエリスが纏う鎧は魔力の粒子となって散り、エリスを浮かしていた風も掻き消されてしまう。

「な…、」

「大丈夫だったか。この魔法は全ての魔法を分解する魔法だ。だから補助魔法や武装系の魔法でも瞬く間に無効化させられる。」

「反則じゃろ!」

「まあまあ。これも機会があれば教えてやるよ!」

「ほ、本当か!?」

「本当だ。今日の所は無理だがな、」

「分かっておる。妾もそう急がぬ!」

「普通に急いでるだろ!」

その目は新しい魔法に光輝いていて、好奇心を抑えられない様子だった。まあ、今からまだしなければならないことがあるのだがな。

「それはそうとリョウ。この惨状を先に片付けねばな、」

石レンガの広場は魔法のせいでバキバキのボロボロ。城自体も所々ヒビが入っている。

「そうだな。取りあえずはここだよな。」

風魔法により上空に飛び立つとボロボロになった石レンガの地面へ向け…、

「土魔法・岩裂修繕」

範囲が広いだけあって核爆破並みの魔力を持っていかれたがまあいい。そのおかげでヒビは改善されもしかすると前よりも綺麗になっている。ついでに使った城の方も修復され、問題無い。

「凄いのうリョウ。やはりリョウには敵わぬ。」

「エリスも凄い魔法使ってたけどな……。」

「妾とて沢山勉強したし沢山練習した。しかし越えられぬ壁があったのも事実。リョウはその壁を破っておるのじゃ。そこが妾とリョウ、御主の違いじゃ!」

「………。」

「まだ分からぬとも良い。それじゃあのう。」

満足したのかエリスはプラプラと短杖を揺らしながら戻っていった。その後を驚きすぎて呆れたハンデス達が見送っていた。

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