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種族絶戦 ◈◈◈人の過ち◈◈◈  作者: すけ介
初まりの町
24/619

第24話

「ただいま、」

扉を開けると静かな寝息だけが聞こえた。もう既に夜も更けてきている。

「二人共、なんでここで寝るんだろうな?」

静かに眠る二人の顔を眺めると、無邪気というかなんと言うか…。本当に自分が馬鹿みたいだな。

「なあ二人共、もし俺が離れたらどうする?」

返ってこない質問をする。まあ返答を求めたわけじゃない。ただ単に聞いてみただけだ。

「私は離さないからね」

「ティナは追いかけるよ」

「二人共、起きてたのか。」

「まあね。リョウが夜になると出るから何をしてるのかなって。」

「そう言うことか。どうだ、何か分かったか?」

「分かんなかった。ついていってないし…。」

「そうか。今日は昼間の店長の所に行ってきたぞ」

「あー。あの緊張する所の?」

「そうだ。当然話にならなかったけどな。」

「へー。何を話してたの?」

「俺はいい知識源だからここから逃げろだってよ。」

「最悪~!」

「くっ!」

「まあ言うなよ。すっぱり断ってやったよ。俺はこの町が好きだからな。」

「それでこそリョウだね!」

「ほんとほんと、リョウ兄ならそうすると思ってたよ!」

「良かった。選択は間違ってなかった…。」

『最高だよ!』

「ありがとな。それはそうと早く寝よう。明日は戦闘漬けだぞ!」

「えー!」

「んー!」

「さ、寝よう!」

「オッケー!」

「はーい!」


「ふわぁぁ。おはよう」

やはり二人は起きてない。太陽も顔を出してそこまで時間が経っていなくて木の上の小鳥達でさえ起きていない。

「くぅぅ。まだ眠い。」

ベッドから立ち上がると掛けている服を着て部屋の外へ向かう。

バシャバシャ、

顔を洗い、跳ねた毛を整える。そして部屋へ戻ろうとしたが、回れ右をして下へ向かった。

「『魔力錬成』」

家でいつも食べる暖かい緑茶とどら焼きだ。どちらもばあちゃんが買ってくる定番のオヤツだ。

「いただきます。」

まずは暖かい緑茶を一口。ほのかに苦い緑茶の味が口の中へ広がり、それと同時に暖かさが寒い冬の体を暖めた。

次にどら焼き。優しい素朴な甘味が俺を満たした。本当にこのコンビは最高だよな!

「ここでもう少しな、」

もう少し考えることが少なければもっと美味しくいただけただろう。

「絶対に守らなければ、」

またここでゆっくりしたいもんな。馬鹿領主なんぞ早く退任してもらって、次もっといい領主になりますように。

「お兄さんは早いんだね。」

「まあね。そう言う君も早いと思うけどな…。」

「ここのお手伝いをしてるからだよ。早く起きて仕事しなきゃ!」

仕事熱心だなぁ。到底真似することなど無理だろう。小さい子の方が、賢かった。

「そっか。大変だね。」

「うん。けどね、御客さんの笑顔が見れて嬉しいんだ!」

うわぁぁ。これだけ接客業に向いてる人、始めてみた。これ、本心だよね!?

「そっかそっか。けど、無理はしない方がいいよ。」

「ありがとう。お兄さんも無理しないでね。」

完璧だ。完璧な返しだと俺は思う。既に口では勝てない気がする…。

「リョウ兄、今日は一段と早くない?」

「まあな。昨日は夜更けまで実験してたし、その余韻かな?」

「余韻、か。実験って何してたの?昨日は言ってなかったけど…。」

「固有スキルを試してた。意外と多いんだよ。俺の固有スキル…。」

「へー。固有スキルを複数持ってるなんて反則じゃない?」

「反則じゃない。俺の固有スキルは殺さなきゃ意味ないから…。」

「殺すの?」

「あぁ。殺せば魔力が回復する『魂喰い』。そして魔力を無限に貯める『無限魔力』。そしてそんな魔力を使って物を作れる『魔力錬成』。そして殺せばスキルや身体能力、見た目なんかも奪える『食物連鎖』。どれも何か殺さなきゃ意味の無い物ばかりだ。」

「リョウ兄が武将なら最強だね。」

「そうだな。今度戦争にでも出向くかな…。」

「止めときなよリョウ兄。それで失敗でもしたらティナ達どうしたらいいの?」

「それもそうか。なら止めておこう。」


「さあ、始めるぞ。二人共、自分のスキルは確認したか?」

「うん。この紙に書いてるのだよね?」

「そうだ。内容も粗方書いてるだろう。」

あれからリアスが降りてきて、まあまあいつも通りのことをしてここまで来た。

ここは昨日俺が使った森の中。ついでに二人のスキルを鑑定して、それぞれ紙にメモしてみた。それが下記だ。

◈名前ーーーーーーーーーーーー

・リアス

◈種族

・獣人(九狐)

◈加護

・無し

◈称号

・無し

◈固有スキル

・『獣化』

・『夜月妖』

◈一般スキル

・『嗅覚』

・『索敵』

・『鑑定(下位)』

・『瞬発力』

・『槍術』

・『掌打』

◈耐性

・火炎耐性ー弐

ーーーーーーーーーーーーーーー

上記はリアスの分。

◈名前ーーーーーーーーーーーー

・ティナ

◈種族

聖霊エルフ

◈加護

・木々の守人

◈称号

・無し

◈固有スキル

・『精霊魔法『森』』

・『森ノ囁き』

◈一般スキル

・『土魔法』

・『水魔法』

・『浄化』

・『豊穣大地』

・『弓術』

◈耐性

・毒耐性ー伍

・魔法耐性ー参

ーーーーーーーーーーーーーーー

そしてこれがティナの分だ。

どう考えても二人共尋常じゃないスキル持ちだが、取り敢えずそれは置いておこう。今はこれをしっかりと活用してもらわなければ。

「意外と私達も持ってるんだ…。」

「そうらしいな。俺のこと反則反則って言うけど二人も十分反則じゃないか?」

「そうだね。でもリョウのスキルは?」

「……。」

「固有スキル何個?」

「……。」

「……。」

「6つ…。」

「反則~!」

「挑発してないか、お前ら。」

「さあ、どうでしょ?」

「ちっ!」


「さあ始めるぞ。今日は本物の奴等を仕留めるぞ。場所は森を散策。合計して百匹殺したら終了だ。」

『百匹っ!』

「そうだ、百匹だ。」

「えー、なんでそんなに?」

「スキルを扱うには実験あるのみ。それに二人の場合、スキル有りの戦闘なんてしたこと無いだろ?」

「まあ、ね。」

「だろ?ならやるしかないだろ?」

「そうだけど…。」

「さ、行くぞ!」

「うん…。」

「ティナはやる気だよ!」

「そうかそうか。なら二人でどっちが先に百匹倒すか勝負だな!」

「望むところだよ!」

「私だって!」

「なら、スタートだ!」

その掛け声と共に一気に走り出した。まあ、昼頃にはこの乱獲も終わるだろう。それまでは俺のスキルでも試そう。

「二人とも早いなぁ。」

二人の背中は木々に隠れてもう見えなくなってきている。あっ、そう言えば二人に武器を渡すのを忘れたな。

「〈あー、あー。二人共聞こえるか?〉」

昨日渡した指輪が早速役にたった。これって電話代わりになるよな?

「〈聞こえるよ。どうしたの?」

「〈リョウ兄?〉」

「〈二人共武器を忘れてる。届けるから待っててくれ。〉」

『〈わかったー!〉』

ホントに二人もドジだな。まあ、渡さなかった俺も大概だけど…。

「風魔法・風遊浮」

無重力という訳じゃないが、猛烈な風が俺を包み空へ浮かべる。二人の位置は直ぐに分かる。

「よっとっ!」

リアスへは槍を力いっぱい投擲する。とてつもない轟音をたててるが気にしないでおこう。

「………!」

矢と弓を糸で結ぶと、あまり使ったことの無い弓をティナへ向けて射る。ちなみに間違ってティナに当たらないかと言う問題だが、これは確実にない。何故なら風魔法で着地点や軌道は完璧に制御しているからだ。

「よしっ!」

けどこんなことをしていると魔力の無駄だ。俺も練習しなきゃな。

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