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ーーライゼ・レイノルズ。


彼は人助けの奴隷だ。しかし、”英雄”でもある。


(『グランフェルラン王国』より抜粋。 レティシア・グランフェルデン著)





手の感触が未だに良く伝わってきて気持ち悪い。

ぬちゃとした感じ。

しっかり質量を持っている短剣。

それを使って死体の狼から肉を取っていく。

『食える物は焼いて食え』

今、僕は師匠の教えを実行していた。

おおよその作業が終わり、自分の体を見る。

愛用の武器は魔導銃。

振り回しが良く、標準を定めて引き金を引くだけだ。

左腕で腰から魔導銃を取り出す事が出来るようにしている。

かなり人見知りで、影でこそこそ動くスタイルの僕に合う武器だ。

それを使って狼を狙撃した。

たまに気づかれて、襲われる時もある。

その時は腰に有るショートソードを抜き、左腕に取り付けているバックラーも併せて戦う。

もちろん、怪我もする。

せっかく金を貯めて買った鎧もへこんだ。

まぁそんなことで落ち込んでも仕方ない。

腹が鳴る。

先ほど落ち葉を集めて火を付けておいた。

採れた骨付き肉を、燃え上がる炎の傍に置いた。

本日二度目の腹鳴り。

あぁ、早く食いたい。

そうだ。リュックの中身を確認しながら待つことにしよう。すぐに寝れるように寝袋を出しておこう。それと弓と矢の位置も確認しよう。

陽が落ち、暗くなる。

だんだん寒くなってきた。

そろそろ焼いた肉を食える頃かな?

漂う匂いが腹を刺激する。

おっと、だよれが出てきた。

よし、もういいかな。

熱くなった肉付き骨を慎重に持ち上げて、豪快に喰らう。

おお、予想はしたけど、おいしい。

あっという間に肉が腹に消えてしまった。

まだ眠たくならないので、いつもの持ち物点検で時間を潰す。

毎日の積み重ねが大切だと思うと、つい点検に余計な力が入ってしまう。

ふと、空を見上げると、無数の輝く星が見えた。

幸いにも彗星に遭遇した。

だが、彼方に飛んでいき、消えてゆく。

呆然と眺めてた後、欠伸をした。


「いつになったら、故郷に戻れるんだろう・・・・。はぁ、よし、寝るか」


火をそのままに、魔物避けの匂い箱を傍に置いて。

肩まで寝袋で覆い、寝始めた。



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