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終わりの続き  作者: 砂川 朱
1/1

(宮部結衣)

サクマハルキドノゴイゾクサマ...


幾度と無く聞いてきたアナウンス。自衛隊殉職者追悼式。年に一度防衛省で行われる式典で、勤務中に志半ばにして殉職された隊員を悼み、内閣総理大臣を初めとしたご来賓、殉職隊員のご遺族が集まる。

防衛省内には慰霊碑地区、一般的にメモリアルゾーンとよばれる場所があり、その奥には、過去に殉職された隊員の名簿が納められている。そして、年に一度新たな名簿が奉納されるのだ。

3等陸曹宮部結衣は追悼式の献花補助員として、殉職隊員のご遺族にお花をお渡しする重要な役割、中でも、新遺族つまり新たに名簿に加わった隊員のご遺族への支援に抜擢された。


『じゃあ、お互い頑張ろうな』

爽やかな笑顔で旅立った晴れ舞台。一年前に、駐屯地で唯一の同期であった佐久間を見送った。

優秀で、努力家で、少しだけ妬ましいと感じるような同期は、自分よりも2年早く昇任し、引き抜きに近い形で転属して行った。しかし、宮部が彼と同じ階級にたどり着いた時彼はもういなかった。


自衛隊車両の転落事故。

演習帰りの資材車両が、一般車両の単独事故を避けようとして転落。民間人は軽症、転落した車両に乗っていた自衛官2人が死亡した。

後日宮部は、同期の佐久間春輝の訃報をニュースで知った。

まだ23歳。命を落とすにはあまりにも早すぎた。


いつでも、真っ直ぐで目の奥が笑っている印象的な目は、母親に似たのか。

宮部は震える手で花を差し出した。

初めて目にする佐久間の母と妹。どちらも涙で濡れ、真っ赤に腫れた目をしていたが、軽口を叩き、競い合ったあの同期の目と同じだった。


泣くな、泣くな、泣くな!私が泣いてどうする!


目の前の2人は自分の比にならない悲しみと闘っているはずだ。

「同期の意思は私が継ぎます」

なんとか絞り出した声は驚くほど弱々しく、きっと2人には聞こえていないだろう。

「ありがとう」

花を受け取った女性が宮部に小さく微笑んだ。


『よろしくな宮部』

同期の笑顔が重なった。

はじめまして。砂川です。

『殉職』普段聞きなれない言葉ですよね。

私自身あまり知らなかったんですが、偶然にも、考える機会を頂きました。


今年の追悼式は31柱つまり、1年で31人もの自衛官が任務の途中で亡くなられています。


フィクションですが、実話を元に書かせていただいております。現時点で4部構成の予定です。


よろしくお願いします。

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