きゃっとぱにっく
今日はもう一丁いったるで~
ネタでも食らえ~
そして今回の話はどう大目に見てもR15ではあるよなあ……
というわけでタグ追加しますた。
これである程度はやりたい放題できるぞキャホーイ。
ピコピコ。
「……おい、ジン……それは何の冗談だ?」
レオは顔面蒼白で、引きつった表情を浮かべながらそう言った。
ゆらゆら。
「……(ふるふるふるふる)」
リサは何かをこらえる様に、腕を掻き抱き震えている。
ピ~コピコのゆ~らゆら。
「ええっと、何と言ったらいいか……」
ユウナは少し困ったような表情を浮かべて、
「か、可愛いですよ?」
「うっさいわーーーーーーーー!」
爆弾を投下した。
ジンはそれに対して顔を真っ赤にしてあらん限りの声で叫ぶ。
そのジンには、ピコピコと動くネコ耳とゆらゆら揺れるネコの尻尾が生えていた。
現在、状況を確認するためにジン達一行はエルフィーナ達と談話室で話をする予定だったのだが、その場はカオスの様相を呈し始めていた。
「……とりあえずジン、一体何が起きているのか説明をしてくれるかい?」
「あんの国王、大して実害のないことに目くじら立てたうえに、こんなくだらない事をその罰にしやがったんだよ!」
ライトブラウンの髪を弄りながら青と緑の双眸でジト目をくれるルネに、ジンはがぁーっと力いっぱい抗議する。
どうやら、国宝に飲まされた薬の効果でこのような事態に陥っているようであった。
実際には、どちらもが死に掛けるような事態に陥る可能性があったので実害がないわけではないが、それにしたってこの罰はあんまりなようである。
興奮しているせいか、ちぎれんばかりの勢いで群青色の尻尾が振りまわされる。
「にゃ、にゃにゃ!」
「ふぎゃああ!?」
そのジンの尻尾に、金茶色の耳と尻尾を生やしたエレンが飛びかかる。
爪が引っ掛かったことにより、ジンは尻尾から全身を駆け巡るぞわぞわとした感触に思わず悲鳴を上げた。
「エレン、何をするんだ!?」
「仕方ないじゃない、本能ですもの。にゃ、にゃにゃにゃ!」
跳びあがって逃げるジンの尻尾を追いかけまわしながら、エレンはそう答える。
その行動には、宰相として周囲をまとめている人物としての知性は全く感じられず、己が本能の赴くままに動き回っているのがよく分かった。
その様子を見て、ルーチェが溜め息をついた。
「これは二人とも動物薬を飲んだのですね」
「動物薬?」
「この薬は材料に鳥の羽根や猫のひげの様な動物の一部を使っていて、飲んだ者にその薬の製作に使われた動物の能力を与える薬なのです。元々人の形をとる生物はそんなに運動能力が高いわけではないのですが、それを余所から借りてくることを目的とした薬なのです」
つまり、ジンとエレンが飲んだ薬は動物の能力を自分に与える薬であり、本来であれば人間の身体能力を超えた動きを出来る実用的な薬であるのだ。
ルーチェの説明を聞いてアーリアルは頷いた後、その実用性とは程遠い事態を引き起こしているこの状況に疑問符を浮かべた。
「ふむ……だがそれにしては何やら愉快なことになっているが、これはどう言うことだ?」
「それがこの薬は重大な欠陥を孕んでいて、飲むと本能まで一緒に刷り込まれてしまう上に思考能力が低下するのですよ。そのせいで、この薬は使われずに廃れていくことになったのです。……まさかこんなことに使われているとは思いもしなかったのですが」
要するに、野生動物の優れた身体能力を得る代わりに、人間やエルフなどの高度な知性を発揮することができなくなると言う、致命的な欠陥があるのであった。
それによって、飲まされたものは物の分別が付かなくなり、その生物としての本能にしたがって好き勝手に動いているのである。
ルーチェはそう言うと深緑の双眸をじゃれ合っているジン達に向けた。
「それっ、それっ!」
「ひぃっ!?」
ジンは部屋中所狭しと逃げ回り、エレンはその尻尾を捕えようと追いかけまわしている。その速度は気も使っていないのにかなりの速度が出ていた。高そうな花瓶や調度品を避ける辺り、まだ理性が残っているのだろう。
そして今、ジンは部屋の角に追い詰められている。
「や、やめろ……しっぽ、尻尾に飛び付くな!」
尻尾を抱きかかえながら、ジンは背中に壁があるにもかかわらず後ずさりする。
普段ならば冷静に状況判断して対処できたものの、思考能力が著しく低下した今は本能が訴える恐怖に震えるしかなかった。
「ふふふ、なんだか楽しくなってきたわ♪」
そんなジンに、エレンは心の底から楽しそうな表情でじりじりと近付いていく。
それを見て、ジンは青ざめた顔で震えだした。
「な、さっきまでの悲壮は空気はどこに行った!?」
「そんなことはもうどうでも良いのよ。私はあの薬を飲むことになった時点で、プライドなんて投げ捨てたわ。ほらほらジン、逃げないと捕まえてその尻尾をしゃぶり尽くすわよ?」
手を地面につけ、まるで本物の猫の様に構えて、エレンは舌なめずりをした。
アメジストの様な紫色の瞳でジンを見つめるエレンの尻尾は、先端がゆらゆらと揺れている。それは、まさしく猫が獲物を見つけた時の仕草であった。
そしてその気配を感じて、ジンはついに恐慌状態になった。
「く、来るなあああああああ!」
ジンは逃げ出した!
「そう簡単に逃がすと思って?」
しかし回り込まれてしまった!
「ふんぎゃあああああああ!?」
「うふふ……捕まえた♪」
エレンは逃げようと背中を見せるジンに飛びかかり、床に組み伏せた。
組み伏せると同時にエレンは宣言通りにジンの尻尾をしゃぶりまわす。
「ふぎゃあああああ! せ、背中がぞわぞわするぅぅぅぅぅ!」
「あらあら、良い表情♪ 見ていてとっても楽しいわ♪」
手足をバタバタさせてのたうちまわるジンに、エレンは喜悦の表情を浮かべながらしつこく相手の尻尾を舐めまわす。
そのまるで人間としての理性が感じられない光景を、一行は唖然とした表情で見つめている。
「いいなー、エレン。なんかとっても楽しそう」
「……いや……流石にあれはよした方が良いと思うよ……」
羨ましそうに呟くエルフィーナ。彼女には、ジンとエレンが仲良くじゃれ付いているようにしか見えないようである。
そんな彼女を、何言ってんだこいつと言わんばかりの表情で見ながらルネがそう言う。一国の姫君が見るものとしては、あまりに品性と言うものが欠けているからである。
そのルネの諌める言葉を聞いて、エルフィーナは不満の声を上げた。
「えー……でもあの二人楽しそうだよ、ルネちん? ほら、あれ」
「ん?」
エルフィーナにそう言われて、ルネがジン達の方向を見た。
「はぁ……ジン……貴方、良い匂いがするわ……」
「くっ……なんだこの匂いは……む、胸がドキドキする……」
気が付くと、そこではジンもエレンも頬を紅潮させて息を荒げていた。
二人はトロンとした眼でじっと見つめ合ったかと思うと、二人してお互いの顔を舐めはじめた。
二人とも興奮状態にあるようで、一心不乱にお互いの顔を舐め続けている。
その光景は、公衆の面前で見せるには、あまりにも淫猥であった。
「な、なっ……」
その様子を見て、ユウナが顔を青くしながらそう呟いた。
いつの間にとりだしたのか、彼女はジンを制裁すべく短刀である紅葉嵐の柄を強く握りしめていた。
「きゃああああ!? やめなさいユウナ、王宮で刀傷沙汰は幾らなんでもシャレにならないわよ!」
そのユウナを、リサが必死の表情で抱き締めて止める。
そのまま放っておけば、世界的な英雄と一国の宰相がただの嫉妬によって惨殺されると言う、全くシャレにならない事態が待っていることが明白であるからであった。
「ふむ、どうやら発情期が始まったようだな。こんなところでも盛るものなのだな」
「はわわ……ほ、本能が強くなって思考能力が低下するとは聞いていましたが、ここまで……」
一方で、絡み合う二人の様子を見て、アーリアルは努めて冷静にニヤニヤと面白いものを見る表情を浮かべてそう言った。
ルーチェは真っ赤な顔を手で覆い、大きく開いた指の隙間からチラ見している。何だかんだ言いながら興味津々のようである。
「はむっ……んんっ……はぁ、ジン……わ、私……人前で……!」
「んっ……むっ……はぁ、はぁ……くっ、すまん、止められん……!」
自分の意思とは無関係に発情するといった事態に、二人は困惑した。しかし、その困惑もお互いの極上の香水の様な匂いがかき消していき、段々と状況を受け入れていく。
いつしか舌が絡み合うようになり、粘着質な音が部屋に響き出す。お互いの口が触れ合い、離れるごとにその間に銀色の糸が紡がれる。
すでに二人には周囲の様子が見えていないようであり、ユウナが二振りの白刃を抜き放っているのも気付いていない。
「は、あ……気持ちいい……もっと……んっ……」
「あ、ああ……んっ……!?」
エレンは絶え絶えの息で色っぽくそう言うと、半ば強引にジンの唇を奪いに行った。
そして舌を絡ませると同時に腰にまわされたジンの手を取り、形の良いその胸に強く押し当て動かす。
「んっ、はぁ……んんっ……!」
手が動かされるたびに膨らみはぐにぐにと形を変え、エレンの口から嬌声が漏れ出す。
最後に残っていた理性すらも抗いがたい本能に押し流されており、今感じている快楽を更に求め続けている。
その行為にジンは一瞬驚いたように動きを止めたが、すぐに受け入れて体をエレンに委ねる。発情したエレンの体から発せられる甘い香りは男にとって媚薬の効果を果たし、ジンの理性を次々に削り取っていく。
お互いの舌を吸い、脚を絡め、二人の行為は段々とエスカレートしていった。
「オゥ……何と言うエロス……露出は少ないながらも表情と声、そして雰囲気が抗えぬ本能とエロスの世界を体現している……まさに芸術!」
「いや、訳が分からないよ……」
レオはその様子を鼻血を床に滴らせながらガン見しており、ルネは見ていられないといった様子で眼をそむけて体育座をしている。
二人の行為は、レオにとっては官能的な絵として映り、ルネにとっては英雄と宰相の信じがたい痴態として映っているのだ。
「うふふ……ねえ、リサ? ジンは今一体何をしているんでしょうか? 少し聞かせてくれませんか?」
「お、落ち着きなさいよ、ユウナ! 聞かせてあげるからその物騒な物を今すぐしまいなさい! ていうかアンタ達、見てるんじゃなくて少しはその二人を止めろぉぉぉぉぉぉ!」
ぐるぐるおめめで黒い笑みを浮かべながら紅葉嵐と桜吹雪を抜刀しているユウナ。
そんな彼女が惨劇を起こさないように、リサは必死で羽交い絞めにしながら周囲に向かって怒鳴り散らした。
その声に、レオが猛烈な勢いで声を上げた。
「馬鹿野郎! 俺にこの芸術を壊せと言うのか! そんな横暴は絶対にゆr」
「黙れええええええええ!!」
「ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そのレオに対してリサが『煩悩粉砕マシーン・南無三壱号』と書かれたウォーハンマーをレオに投げつけた。
豪速球で投げつけられた重たい金属の塊を脳天に受け、レオは頭から血を流しながら自らの鼻血の海に沈んだ。
「はぁ、はぁぁ……ねえ、そろそろ……」
「あ、ああ……いいぞ……」
そんな周りの様子などもう頭に入っていない二人は、どんどこ取り返しのつかない位置にまで進もうとしていた。
そしてその意思を確認するために、お互いの顔がまた近付いていく。
「うん?」
「あら?」
しかし、それは突如現れた謎のもふもふした物体にさえぎられた。
二人とも思わず固まって、その物体を眺めた。それはもふもふとした感触の細長い毛玉に、少し長めの棒が付いた物体だった。
「ネコさんネコさん、私と一緒にあそぼー♪」
その物体ことねこじゃらしを持ったエルフィーナは、無邪気な笑顔でジンとエレンに話しかけていた。
二人はそれまでの行為をピタッと止め、眼はジッとねこじゃらしに向いている。
「そーれ、ぱたぱたぱた……」
エルフィーナはそう言うと、二人の眼の前でねこじゃらしを楽しそうに振り始めた。
「「……」」
二人はせわしなく動くねこじゃらしを、ゆっくり立ち上がりながら見つめ続ける。
その尻尾は先端がゆらゆらと揺れている。それは、獲物に狙いを定める仕草であった。
「ぱたぱたぱたぱた♪」
「「………………」」
しばらくの間両者はその状態を保っていた。
そして、
「「にゃああああああああ!!!」」
ジンとエレンは揃ってねこじゃらしに跳びかかった。
その動きは全身をしなやかなバネのように使った、伸びのある跳躍であった。
「おーっと」
しかしエルフィーナは跳びついて来る二人の前から素早くねこじゃらしを引き、ジン達の攻撃は空を切る。
それを受けて、ジンとエレンは軽やかに着地すると同時に反転し、再びねこじゃらしに飛び掛った。
「「にゃ!! みゃ!! にゃあ!!!」」
「ほーらほら、エレンもジニーも頑張れ~♪」
エルフィーナはじゃれ付く二人に対して、ぱたぱたと楽しそうにねこじゃらしを動かし、誘っては引く彼女のねこじゃらし捌きにジンとエレンは翻弄される。
他のメンバーは再び呆然とそれを見つめていた。何が驚きかと言えば幾ら思考能力が低下しているとはいえ、エルフィーナが本能の赴くまま、つまり本気で追いかけてくるジンを軽くあしらっていることが驚きである。
「ジン……修羅とも呼ばれる英雄が形無しだよ……」
その光景を見て、ルネが現実逃避を起こしていた。
どうやら彼女はこれまで一緒にすごしてきた経験や過去の武勇伝などで固まった英雄像と現実の違いが受け入れられないようであった。
「げひゃひゃひゃひゃ! やっべえこれ超笑えるわ! ……ん、何だ?」
「ねえ、レオ……のどが渇いてない? アタシちょうど良いところに飲み物を持ってるのよね……」
ねこじゃらしで遊ばれるジンを見て腹を抱えて大爆笑するレオの肩をリサが叩く。
そのリサは手に小瓶を持ってイイ笑顔を浮かべていた。その小瓶には中に赤い渦を巻いている、黒く禍々しい液体だった。
レオがリサの後ろに眼をやると、これまた最高にイイ笑顔を浮かべたアーリアルが、特大ねこじゃらしを持って立っていた。
そんな二人が何をしようとしているのかを察して、レオの顔が一気に青ざめた。
「おい、テメェ……これは何だ?」
「ルーチェに頼んで即行で作ってもらったのよ」
「うむ、(我が)楽しむためにな!!」
レオの質問に悪びれも無く二人は答えた。
その回答を聞くや否や、レオはルーチェに向かって掴みかかった。
「ちょっとちょっと、ルーチェちゃん! あんな劇物になんてもんを渡してくれちゃってんのぉぉぉぉぉ!?」
「いえ、特に深い意味は無いのですよ。決してワイン飲み放題につられたわけではないのです」
「オ・ノーレ!」
それにひらりとかわして足をかけ、ルーチェは涼しい顔でしれっと答えた。
足を引っ掛けられたレオは思いっきりすっ転び、ソファーの上に沈んだ。
その肩をリサはがっちりと捕まえレオを仰向けにさせると、その上に跨って小瓶のふたを開けた。
「さあ、おとなしくアタシのおもちゃになるがいい!」
「ノォォォォォォォォォォォウ!」
「はっはっは、恨むならさっきあの二人を止めなかった己の浅はかさを恨むことね!」
「いいいいいいいいいいいいいいいいいいやああああああああああああああああああああ!!」
その後、必死の抵抗も空しく三匹目の銀色の猫が現れることとなった。
「……さて、色々あったが気を取り直して今日の議題に移るとしようか……」
薬の効果が被害者全員治まり、超ブルーな表情でジンがそう言いだした。
先程見せた醜態がよほど恥ずかしいらしく、彼の灰青色の眼は死んでいた。
「……俺は猫じゃねえ、猫じゃねえんだちくせう……」
「す、すまぬ、まさかレオがここまで落ち込むとは思わなんだ……」
動物薬の被害者の一人であるレオは部屋の隅でひざを抱えてしくしくと泣いており、アーリアルはそれを慰めに入っている。
なお、エレンは今席をはずしている。
と言うのも、
「ご、ごめんなさい、ちょっと着替えてくるわね」
と言う訳なのだった。
「議題って、何ですか? 昨日話し合って色々と決めたじゃないですか」
そんな彼らの様子を棚に上げ、ルーチェがジンの言葉に疑問を挟んだ。昨日の今日で、わざわざ話し合うような議題があるとは思えなかったからである。
彼女の言葉に、ジンは頭を素早く切り替えて議論に集中することにした。
「あ~、それとは別口だ。何しろ一つ気になることがあるもんでな」
「気になること?」
「ああ。フィーナが言ってたんだよ、『雇った人はみんな最初の一日でいなくなった』ってな。だから、誰か異常を感知した奴がいないかどうか確認をな」
エルフィーナの証言から、今まで雇った護衛が最初の一日で全員消え去っていることが分かっていた。
それは、雇ったその日にエルフィーナを付けねらう何者かが自分達に何かを仕掛けて来る可能性が高い、ということを示しているのであった。
ジンの言葉に、一行は顔を見合わせた。
「俺、ルーチェちゃんと一緒に護衛に立ってたけど、特になんも起きなかったぜ?」
「うむ、少なくともレオには何も起こらなかったぞ」
まずレオがガラスのメンタルを即座に再構成し、悲しみの淵から帰還して答えを返し、それにアーリアルも続く。
「私はフィーナさんと一緒にいたのですけど、特に異常はなかったのです。ですよね、フィーナさん?」
「ん、なんもなかったよ、るーるー」
ルーチェはエルフィーナと確認をとりながら昨夜のことについてそう話す。
「私も特に何も……」
「うーん……僕も特に気になることは無かったかな……」
ユウナもルネも思い当たる節は無いようだった。
「さて、これはどう言うことだ? 何で今回に限って何も起きていないのか……」
全員の返事を聞いてジンは首をかしげた。
何故なら、今まで全員が悉く行方不明になっていたはずなのである。だと言うのに、誰も異常は無いのだと言う。
ジンはそこで、何故何も起きなかったのかを考えこむことになった。
「ところでジン? 町の方で何か情報が得られないのかな、そう言うことって。ひょっとしたら、そっちの方でも何か分かるかもしれないしさ」
考え込むジンに対して、いつものごとくライトブラウンの髪を弄りながら、ルネがジンに提案をした。
ジンはそれに考えるまでもなく頷いた。
「情報屋らしい意見だな。だがその前に調べておきたいことがあるんだが、頼めるか?」
「ああ、良いとも。で、何を調べればいいのかな?」
「この城で働いている人間の情報を集めて欲しい。大臣から一兵卒まで出来る限り、裏の情報網も使ってな」
ルネは髪を弄るのをやめ、何かを思いついたかのような表情で頷いた。
どうやら、ジンの言わんとしているところが理解できたようである。
「……なるほど、そう言うことか。確かに、それも可能性としては大いに有り得るね。オーケー、それじゃあ仕事の合間に色々当たってみることにするよ」
「頼んだぞ。それから言わなくても分かっているだろうが、あんまり気取られるようなことは無いようにな」
「ジン違うよ。『あんまり』じゃなくて『全く』気取られずに調べてあげるよ」
ルネは自信ありげに笑ってそう言うと早速部屋を出て行き、城の中を駆け足で急いだ。
それを見届けると、部屋に残されたメンバーは集まって今日の予定を確認することにした。
「さてと、今日の護衛は……俺とユウナか。ユウナが部屋の中で俺が外って訳にもいかないんだよな……」
「どう言うことですか?」
「ユウナの場合、剣術はどうしてこうなったってくらい凄いんだが、気と魔法に関してはまだまだだからな……リサやルーチェみたいにレジストすることは出来ないし、レオやルネみたいに気で弾くことも出来ない。だからユウナに掛ってくる魔法をレジスト出来る誰かがそばに居ないとな」
ユウナは気の扱いも魔法等の補助も全く無しの、己が腕一つでジンやレオ、リサといった人外幼馴染達に喰らい付き、追いついている。たとえ名刀とは言えど、鉄の塊を何の補助も無く、技術のみで容易く切り刻むと言う技はジンをもってしても常識外れの神業と言える。
しかし、逆に言えばユウナにはそれしかないのである。気や魔法、神術は、使い方を変えれば自らの防御に使うことも出来るが、ユウナの剣技では物理攻撃を受け流すことしか出来ず、呪詛などに対しては全くの無力なのである。
それ故に、ジンはユウナの身を案じ、傍でユウナの護衛も兼ねることにしたのであった。
それを聞いて、ユウナは嬉しそうに微笑んだ。
「それでジンが一緒なのですか……ふふふ、なんか役得です」
「ん? 何て?」
ジンはユウナの言葉が上手く聞き取れなかったのか聞き返す。
「いいえ、何でもないですよ」
それに対し、ユウナはにこやかに笑いながらそう答えを返したのだった。
エレンさんがだんだんネタキャラ化してきたような……
動かしてて楽しいけど、気が付いたらネタ空間とかエロ空間作ってるし。
どーしてこうなった。
野郎どものヒエラルキーが低すぎる。
どーしてこうなった!
話が全然進んでないよ?
どーしてこうなった!!
そんなこんなでご意見ご感想お待ちしております。