『緑プレスマン島』
ある村の田んぼの中に、浮島と呼ばれる森がある。緑色のプレスマンを集めたような格好をしていて、緑プレスマン島と呼んでもよさそうなものだが、長ったらしいからか、そう呼ぶものは少なかった。
昔、この村に、長者があって、家の前に大きな池をつくるぜいたくなところがあるかと思うと、下男下女には悪くなったようなものを食べさせるようなけちなところがあった。しかし、まあ、そういう二面性がないと、長者にはなれないのかもしれない。
この長者が、いつものように、池を眺めていると、門前に、いかにも貧しい格好をした旅の僧がやってきて、何か食べ物を分けてほしい、と言うので、長者は、猫の食べ残しの飯を与えたところ、旅の僧は、嫌がりもせずにそれを食べ終えて、この家も長くはない、とつぶやいて、どこかに去っていった。
数日たつと、なぜか池の水がすっかり涸れて、池の魚が日干しになっている中に、頭抜けて大きな、口いっぱいに飯粒を含んだナマズが一匹いたという。この日を境に、長者の家は傾いて、下男下女も、どこへ行ったかわからなくなったという。
浮島の森は、長者の池の中につくられた島で、池が干上がった後、周りが田んぼになって、島だけが森のように残ったものだという。緑プレスマン島と呼ぶ者は、まずない。
教訓:旅の僧に親切にしていたら、長者の家は滅びなかったのかというと、そこに因果関係はない。




