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1話 彼との出会い

「はぁはぁ…」


どうして、こうなってるんだろう…。


(あの野郎どこ行きやがった!探せ!あいつは上玉だぞ!)


私は、何をしてるんだろう…。


なんで、こうなったんだっけ?



私は、1人だった。


1人でこの世界を放浪していた。


最初から1人だった訳じゃない。


姉がいた。


大切な家族がいた。


でも、姉は私を守るために自分を犠牲にして、どこかにつれさられてしまった。


あの男たちが誰かは分からない。


彼らが何を狙ってきたのかも分からない。


ただ、予想で言えるのはきっと、私たちの能力目当てな気がした。


私たち姉妹は、複数能力者だ。


複数能力者というのは、名前の通り複数の能力をその身に宿してる人のこと。


私達はそれだったのだ。


ただ、姉は戦闘向きの能力じゃなかった。


私のは、戦闘向きなのか、戦闘向きではないのかも分からない能力でまだ、使えもしなかった。


だから、私たちはそいつらに刃向かうことすらも出来なかった。


この世界は、能力社会。


強い能力者が生き残り、弱い能力者は地に落ちる。


そして、何より弱い能力者には人権など存在しないのだ。


だから、強い能力者が弱い能力者を殺そうが仕方ないの一言で片付けられる。


そんな世界だから、私の姉が連れ去られても誰も助けてくれなどしない。


私が弱かったから姉は連れ去られた。


何も出来なかった。


姉に守られ、その姉の後ろ姿を眺めることしか出来なかったのだ。


私は私の弱さが憎かった。


強さが欲しいと願った。


でも、そんなに世界は甘くなかった。


願ったってそんな強さ手に入るわけなかった。


悔しかった。


今姉はどこにいて、何をしてるのかも分からない。


そもそも、生きてるのかすらも分からない。


何も分からない。


…でも、私は信じた。


愚かな希望だって言うことは分かっている。


それでも、信じた。


姉が生きてることを何よりも信じた。


信じたけど、私の大切なものがなくなったのは事実。


私は、生きる意味を取られたのだ。


だから、生きる意味を求めて捜し歩いた。


生きてる、また絶対会える。


そんな淡い期待を持って探し求めた。


……そんな淡い期待を持って歩いたけど、そんなもの現実では意味なんてなかった。


探し続けた結果…私は、知らないどこかまで来てしまっていた。


いったい、どれくらい私は歩いたのだろうか。


もう、長く歩いた気がする。


何日歩き続けたっけ?


分からない。


分からないことだらけだ。


いきなり、姉を奪われて、求め続けてさがして、知らない場所まで来て…。


もう、分からない。


どうして…どうして、私はこうなったの?


…いつからだっけ…?


こんなに私が不幸になったのは…。


…そうだ…、彼が、いなくなってからだ。


彼が死んでから私は、私たちは不幸になったんだ。


彼が死んでしまったから、不幸しかこなくなったんだ。


どうして…どうして…私の近くから…大切な人たちが消えていくの?


私がなにかした?


私はただ、生きてるだけなのに…。


どうして…。


どうして…。


私は…。


そこから、私は記憶を失った。



そして、今だ。


私は、いつの間にか知らない男たちに薄暗い廃工に隔離されていた。


正直、あの時は何が何だかわからなかったが…恐らく。


恐らくだが、奴らは多分、人身売買を目的としている。


だから、私のことをさらって他にもさらってくるはずだった。


だけど、私が逃げ出したからそれどころではないらしい。


私は、自分では生きる意味なんてないから何をされても、死んだっていいとも思っていた。


だけど、本当は違ったらしい。


逃げてしまっていた。


自分は、怖かったんだ。


まだ、死ぬのが…知らない誰かに自分を預けたりするのが怖かったんだ。


お姉ちゃんを守れなかった私が、自分が死ぬことを怖がってしまっているんだ。


ずるい。


私は、ずるくて、欲が強い女だ………。


そんな自分が許せない。


でも、死ぬ勇気なんて出ない。


わたしは、どうすることが正しいんだろう。


どうしたらいいんだろう………。

どう、したら……。

そんなことを考えている瞬間だった。


「やぁっと、見つけたぁ。」


そんな声が右側から聞こえた。


「…え…。」


「もう、逃げられちゃ困るよォ。お前は、俺らの大切な商品なわけ。そんな商品ちゃんが逃げ出しちゃったら俺らは大赤字なんだよ。だめだよぉ?に、げ、ちゃ。」


男はそう言いながら、ゆっくりと近ずいてくる。


「…逃げなきゃ…。」


私は、またゆっくりと立ち上がる。


どこか遠くに逃げなきゃ…。


「おいおい、まてまてぇ。どーして逃げようとするんだよォ。別に俺らは悪いようにはしないってぇ。まぁ、買った人達がどうするかは知らないけどねぇ。ギャッハハハ。」


そんな男の話を無視して左から逃げようとしたが、左からは4人位の男達が迫ってきていた。


逃げ場がない。


どうしたらいい…。


「…はぁ。お前だって、分かってるだろう?この世界は、能力社会。弱い奴らに人権なんてない。強いやつしか生き残れねぇんだよ。弱い奴らは、強い奴らに逆らうことなんてできない。それが、この世の中って言うもんだ。お前は、俺らの商品。そして、お前は弱い。俺らの言うことを聞いてればいいんだよ。そもそも、今万二一逃げれたとしよう。その後どうするんだ?助けを求めるのか?ん?助けてくれるやつなんて居ないさ。なんせ、弱い奴らを助けようとなんて、強い奴らはしないからな。残念だったなぁ。」


そうだ…。


ここは…この世界は…能力社会。


弱肉強食の世界。


私たち、弱能力者に人権なんてないんだ。


私たちの生きる場所なんて…ないんだ…。


「分かったら、とっとと行くぞ。お前を売りゃあ、大儲けできるんだ。」


そう言って男は私の腕を掴んで引っ張る。


いやだ…。


まだ、私は…まだ…私は…!


「いや…たす…けて…!」


その時だった…。


私の後方から悲鳴が響いた。


後ろで何が起きて…。


と、思って振り向いた時には、私の前に誰かがいた。


そして、その人はこう言葉を放つ。


「邪魔だ。どけ。」


「お、おまえ、なにもの…え…。」


男がそう言い終わる前に彼は男を捻り潰した。


「…お前に答える義理はねぇ。」


なにが…おきたの?


全く状況を掴めない。


この人は誰?


私はこの人を知らない。


「どうして、私を…」


「勘違いするな。ただ、俺が通る道にこいつらが群がっていて通れなかったからこうしただけだ。」


彼はそう言って、また歩き出す。


どうしてだろう…。


どうしてか、分からないけど、この人は嘘をついている気がした。


そして、どこか懐かしい気がした…。


この人の後ろ姿が、彼にそっくりだった。


どうしてだろう…。


あったことなんてないはずなのにどうして…。


それが、気になったから…私は、能力を発動する。


「…ま、待って…」


「ん…、なんだ、こっちは急いでるんだが…」


私は、壁を頼りながら立ち上がる。


私の1つ目の能力。


それは、相手の心、誰かの心を読み取る能力だ。


その能力を使って私は、彼の心を読み取ろうとした。


…が。


「…あれ、どうして…なんで…」


彼の心を読もうとしても、読み取れなかった。


どうして、読めないの…?


他の奴らのは読み取れたのに、どうしてこの人のは…。


「何がしたいのかわからんな。付き合ってられん。じゃぁな。」


彼はそう言って、また、歩き出す。


「な、んで…。」


彼は、一体何者なんだ…?


能力が効かなかった。


どうして…。


そう考えている、その刹那のことだった。


私の視界がぐにゃぁっと歪み出した。


あれ…おかしいな…さっきまで、なんともなかった、のに…。


そして、そして…


私は倒れ、それと同時に視界は真っ黒に染まった。



背後からドサッと倒れる音が聞こえた。


その音とともにあしを止める。


「…。」


きっと、こいつはずっと遠くからここまできたのだろう。


疲れの限度が来たというところか。


貧弱だ。


よく今まで無事に生きてこれたものだ。


ただ、俺は助けようとは思わなかった。


俺は善人では無い。


通り縋っただけの通行人だ。


それなのに助ける義理なんてない。


いざこざに巻き込まれている他人をわざわざ助けに行くなんて偽善者のやることだ。


俺はそんな偽善者にはならない。


いや、やめたの間違いだろうか。


俺は、その偽善のせいで、ある2人の人間を苦しめた。


とは言っても、もう昔の話だが…。


これを機に俺は偽善というものを嫌い、避けてきた。


それは、逃げだと言うやつがいるなら言ってやりたい。


それがどうしたと。


なんとでも言えばいいと。


俺は俺だ。


他人の意見なんぞ聞いていない。


俺には俺の生き方がある。


それを自分以外の奴らに決められる筋合いなどない。


そうだ、俺は偽善者じゃないのだ。


そう、俺は…。


そうこう考えていると倒れた彼女が何か言っているのに気づいた。


小さすぎて、聞こえないので近づいていく。

彼女はこう言っていた。


「なんで…私の近くから…みんな、いなくなってくの…?」


「…………。」


その場でその言葉のことをよく考える。


そして、俺は彼女を担ぐ。


これは、別に助けるんじゃない。


俺のために利用するのだ。


こいつには、聞きたいことが出来た。


恐らく、こいつの元には奴らが来てるはずだから。


俺は、そいつを見る。


…もしも、こいつと俺が会っていたとしても…それは…。



「…ん…?」


私は、どこかふかふかしたところで目を覚ました。


上には見知らぬ天井。


ここは…?


私は、どうしたんだっけ…?


ゆっくりとその場で上体を起こす。


クラっと目眩がしたが何とか耐える。


周りを見ると家具が並べられてある。


ここは、誰かの家なのだろう。


でも、誰の?


そうこう考えていると、どこからか声がした。


聞き覚えのある声。


「起きたか。随分とぐっすり寝てたな。」


そうして、現れたのは彼だった。


どうして、ここに…!


「お前の思ってることはわかってる。1から説明してやるから聞いとけ。」


そう言って、男は話し出す。


私が倒れたこと。


それから、もう丸2日たっていること。

そうだ。


全て思い出した。


私は、彼の心を読み取ろうとした。


それで、彼を呼び止めたが何故か心の声を読み取ることが出来なかったのだ。


どうして、読み取れなかったのか全く分からない。


あの人の能力はそういう能力なのか?


いや、でもあの人の能力は見た限りではただ、の肉体強化のはず。


でも、そもそも…昨日、能力を発動していたか?


肉体強化にしては遅かった。


まるで、能力を使っていなかったような…。

やはり、肉体強化では無いのか…?


だけど、あの人数を能力を使わないで倒すことなんて常人のなせる技じゃない。


やっぱり、肉体強化の能力か?


肉体強化でも、普通の肉体強化ではなく、なにか特殊なバフが付与されている?


分からない。


この人は一体何者なんだろうか…。


「なにか、色々聞きたそうな顔をしてるな。いいぞ。全部、お前の疑問に答えてやる。そのあとは俺の質問タイムも取らせてもらうぞ。それが、条件で答えてやる。」


私は、その質問にこくっと相槌を打って質問をした。


「私は、複数の能力を持ってる。その複数の能力の中に私の得意な能力である心を読み取る能力があるの。その能力を使ったのにあなたの心は読めなかった…。どうして?あなたはそういう能力を持ってるの?」


「ふむ、なるほどな。…お前も複数能力者なのか。」


「も…?他にも私以外にいるの?能力を複数持ってる人たちが。」


彼は、コクっと頷く。


「あぁ、いるよ。まぁ、大抵のやつらは弱い能力しか持っていないがな。」


彼は、そう言う。


私たち姉妹以外にもいたのか。


でも、当たり前か。


いても何らおかしくはない。


「ちなみにさっきのお前の質問の答えだが…俺はそんな能力は持っていない。お前の心を読み取る能力が効かなかったのは、ただの俺の特技だ。人に自分の心の内を悟られないようにするためのな。それと、俺も馬鹿じゃない。他人に自分の能力を易々とは明かさんよ。お前も覚えた方がいいぞ、そういうことはな。」


「じゃぁ、あなたは肉体強化系の能力ってこと?それにしては、昨日のを見た感じじゃ肉体強化にしては遅かった。どうして?」


「…俺の能力についての予想はそこまでしかないか。まぁ、褒めてやる。そこまで絞れたお前はすごいよ。でも、残念だが俺は昨日能力なんて使ってない。あれは、全て俺の実力さ。あいつらは、能力なんて使わなくても勝てる相手だった。それだけだ。」


彼は、普通にそういった。


この人は、やっぱりただ者じゃない。


なにか底知れぬ力がある。


でも、そんなことよりも1番聞きたいことがあった。


これは、聞いとかないといけないのだ。


「最後にもう1つ聞かせて。」


「なんだ?」


「あなたは、私の事を知ってるの?」


私は真っ直ぐ彼の目を見る。


彼は、少しも動揺せずに言葉を進める。


「何言ってるんだ。俺とお前は昨日あったばかりなんだぞ?そんなわけあるわけが無いだろう。」


「そう。」


確信をもてた。


この人は何かを。


私の何かを知っている。


どうして、私がこのことについて気になったのかは理由があった。


あの後ろ姿だった。


たしかに似たような人はいる。


世の中には沢山いる。


でも、どうしてかこの人だけはそういう確信のような何かがもてた。


私にも心の読めないこの人にそういう確信をもててる理由は分からないのだけど…いわゆる勘と言うやつなのだろう。


…ただ、この人は同時に怪しくもある。


あの日彼は死んだ。


もしも私のことを知っているなら、どうしてあの人のことをあの時助けてくれなかったのか。


この人はもしかしたら、あの人のことを裏切ったのではないかという考えに至る。


きっと、この人とともにいてはダメだ。


どんどんこの人のことが怪しく見えてきてしまった。


「さて、俺からも質問させてもらおうか。俺が聞きたいのはまぁ、1つだが…お前、絶命会って知ってるか?」


「絶命会…?」


「あぁ。見たことあるか?奴らは今人員を集めてるんだ。あいつらは勧誘する時決まって3人組で勧誘してくる。見たことはないか?」


3人組…少し心当たりはある。


お姉ちゃんを連れ去って行ったあいつらは3人組だった。


そもそも、絶命会ってなんなんだ?


そんな犯罪グループあったか?


私はその世界に詳しくないからわからない。

でも、だとしたら…この人に聞けば知れるのでは…?


そう思った私はその人にこう聞いてみる。


「ねぇ、そいつらは…何を目的として動いていて、勧誘を断ったりしたらどうなるの?」


「そうだな…。奴らの目的は、この腐った世界に生きている人間を絶命させるつもりらしい。絶命させて、自分達で一から作っていこうとしている。何から何まで奴らの力で作ろうとしている。それを目標として動いているらしい。くだらん思考を持ってやがる。そんで、そいつらの勧誘を断れば結局の所力ずくで連れていくよ。要は、来れば拒否権なんてない。来たら、弱いやつはそこで終わりだ。…どうだ?見たこととかあったことはあるか?」


これを聞くに…きっとあの日の奴らは絶命会だ。


彼が言ってたのに、かなり当てはまっている。


なるほど…私のお姉ちゃんを連れ去ったのは…絶命会だったのか…。


でも、これを聞いても私は絶命会に為す術などない。


私は今だに自分の能力を使いこなせていない。


1つ目の能力である心を読む能力はかなり使えるようになったがもうひとつの方が全く使いこなせない。


そもそも、まだどんな能力かすら分からない。


わたしの能力はどんなものなのだろうか…。


「絶命会…私、あったこと…。」


そう、私が言いかけたその時だった。


ピンポーンと、インターホンが鳴り響いた。


「…ちっ、誰だ…こんな時に…。」


彼はそう言いながら、玄関の方に向かっていった。


私は、誰が来たのか気になったから壁越しにこっそりと覗き見る。


彼が玄関のドアを開けると向こうには3人組の男達がいた。


あの3人…どこかで見た事…。

思い出した。


お姉ちゃんをさらった奴らだ。


なんでまた、あいつらが…。


気になった私は心を読む能力を発動する。


すると、奴らの心の声が聞こえてくる。


『どこにいるのかねぇ、あの女の妹は。遅くなると怒られちまうし、早めに見つけ出したいんだけどなぁ…。邪魔くさい。』


『早く能力を使いてぇ』


『冬樹さんが言ってたからいるだろうけど、どこにいるのかね。』


おそらく、あの女っていうのはお姉ちゃんのことだろう。


だとしたら、あいつらは私を狙っているってことか…。


だったら…。


私は、立ち上がってリビングの窓の方に駆け寄る。


もうここにも、彼にも用はない。


あの人は絶命会のことをよく知っていた。


しかも、今ここにあの3人が来ている。


あの人は絶命会の手先なのかもしれない。


だから、逃げなくてはならない。


…ここは、2階建てのアパート…。


だったら…こっから飛び降りたってなんとかなる!


そう考えた私は、そこから思い切って飛び出した。


「なっ…!。」


彼の声を差し置いて、私は窓から飛び降りた。


二階建てのアパートだったから、別に大して怪我はしなかった。


そんなことよりも、逃げなきゃ捕まる。


きっと、彼も絶命会なのだ。


捕まったら殺される。


どこか遠くへ…。


奴らの目が届かないところまで走って逃げなきゃ…!


私はとにかく走った。


もう、その時は逃げることに必死で頭の中は真っ白だった…。


そうして、何も考えずに走っていた時だった。


どこからともなく声がした。


「よぉ…。」


「え…。」


声がしたと気づいた時には遅かった。


一瞬にして私の意識は暗闇へと落ちた。


なにが…起きたんだ…?



「…クソッ…!」


俺は、絶命会の連中をねじ伏せたあと、すぐに窓の方に駆け寄った。


まさか、逃げるとは思わなかった。


恐らくだが…まだそう遠くに入ってないはずだが…。


悪い偶然に悪い偶然が重なりすぎた。


元から俺の事を怪しんでいたが、こいつらが来たことでもっと怪しまれたか…。


まだ聞かなくてはならないことがあるのに…。


「…どこいったのかねぇ…。」


言いながら俺は窓から飛び降りる。


そして、着地と同時に走り出す。


だいたい、どこに行くかの目星は着いている。


ただ、途中で絶命会と出くわして捕まっている可能性も有り得る。


今この近辺にいる絶命会はあの3人だけでいて欲しいところだ。


そう考えながらしばらく走っていると奥の方に何かが落ちてるのが見えた。


なんだあれ…。


俺はそこまで瞬時に行ってそれを手に取る。


「…なるほどな…。」


それは、あの女がみにつけていた髪留めだった。


やってくれるな…。


俺は内心で、少し苛立ちを覚えてあの女を探し始めるのだった。

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