ぼくのあたまには毛がはえている
ぼくのあたまには毛がはえている。
みんなのあたまにも毛がはえている。
個人差はあるけれど、等しく「毛」がはえている。
だけど、これってないと思うんだ。
ぼくのあたまには、ちょっと変わった毛がはえている。
昔々、ぼくのご先祖様には毛がはえていなかった。
みんなにははえているのに、ぼくのご先祖様だけがはえていなかったんだ。
ご先祖様は思ったそう。「なぜなんだ」と。
ある日、疑問に思ったご先祖様が、神様にクレームをつけてみた。
神様は首をかしげたそう。「なぜそんなに毛にこだわるんだ」
神様は、「毛」に興味がなかったみたい。
「そんなにも毛がほしいならこれをやろう」
懐から小袋を取り出し、ご先祖様に渡した。
ご先祖様は大喜びで家に持ち帰り、神様の言われた通りに小袋から玉を取り出し頭に乗せ、毎日毎日水をかけていたそう。
そうして数日経った頃、ご先祖様の頭には、念願の「毛」が生えた。
でもさ、これってないと思うんだ。
だって、ご先祖様の頭に生えたものってーーーーー。
ぼくは鏡を見て毎日思う。これってないよね。
これってひどいよね。個性的だと思うけど、これはどうかと思うんだ。
神様のいたずらなのかな?
先祖返りなだけなのかな?
でも
でも
でも…………
ーーーこれってありえないよね。
どんな「毛」が生えたかは、ご想像におまかせします……。