表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちのメイドロボがそんなにイチャイチャ百合生活してくれない  作者: ギガントメガ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

492/510

第492話 ロボベル賞です!

(厳かなBGM)


「あ、はい。あ、はい。あ、皆さん、こんにちは。『ご主人様チャンネル』の放送がね、うふふ。あ、始まりましたよ。あ、どうも黒男(くろお)です」


 画面に白ティー黒髪おさげ、丸メガネの上からグラサンをかけたのっぽ女が現れた。


「皆さん、こんにちは! 助手のメル蔵(めるぞー)です!」


 画面に頭から紙袋を被った金髪巨乳メイドロボが現れた。


『始まったwww』

『久しぶりじゃんww』

『待ってたwww』

『メル蔵、デカすぎwww』


「あ、れんりつきりきりさん、こんにちは。あ、飛んで平八郎さん、今日もね、楽しんでいってくださいね。あ、トレース侍さん、ほどほどでお願いしますよ」

「ご主人様! 今日の企画の発表をお願いします! デュルルルルルル、デデン!」

「ロボベル賞の電話を待ってみた〜」

「パフパフパフ!」


『なにそれwww』

『ロボベル賞ww』

『なにいうとんねんw』


「あ、はい。今日はね、あの、世界的な権威があるロボベル賞のね、受賞者の発表が行われますからね。みんなでね、あ、受賞の電話を待ちましょうということですよ」


 黒男の前には、ツヤツヤの黒電話が置かれていた。


「あ、この黒電話にですね、あの、電話がかかってきますから。ふふ、メル蔵!」

「はい!」

「ロボベル賞がなにか、説明お願い!」

「はい! ロボベル賞とは、ロボダイナマイトを発明したアルフレッド・ロボベルにより創設された、世界的に権威のある賞です。浅草王立科学アカデミーにより選考された、各分野で功績を収めたロボットとマスターに贈られます」


『今年もそんな季節か〜』

『毎年盛り上がるからなw』

『てか、お前らはなんの賞にノミネートされているのよwww』


「あ、鉄パイプJKさん、ノミネートはですね、されているのか、あ、いないのか、わかりません。公開されていませんから。あ、でもね、あの、私の功績から考えまして、あ、ロボベル平和賞をね、受賞できるのではないかと、ふふ、思っていますよ」


『ワロてるけどw』

『なにワロてんねんwww』

『本当かよww』


「あ、そろそろですね、ロボベル賞の発表がある時間ですから! 皆さん! 世紀の瞬間をご覧ください!」


 黒男とメル蔵は、目の前の黒電話に集中した。


「……」

「……」


『……』

『……』

『……』


 チン、チリリリリン、チリリリリン。


「うわッ! きたッ!」

「きました!」


『うそだろwww』

『まじかよwww』

『すげぇええええ!』


「うわああああッ! きた! ほんとにきた! ハァハァ、皆さん! 電話が! 黒電話が! ブヒッ! ロボベル財団から電話がきましたよ!」

「ご主人様! 落ち着いてください!」


『はよ、出ろやww』

『鼻水を拭けwww』

『やったじゃんwww』


「ガチャリ。はい、ロボロボ。こちら黒ノ木黒乃です。あ、はい、はい、はい。あー、そうです。あ、あ、あ、はい。ありがとうございます。三丁目の森崎さんのところに、タンメンと餃子を三つずつ。ガチャリ。メル蔵!」

「はい!」

「タンメンと餃子、急いで!」

「いやです!」

「どうして!?」

「間違い電話です!」

「ああ、そう」


『ざまあwww』

『お約束ww』

『出前www』


「ハァハァ、びっくりした。あ、まだですよ。まだここからですから。全然諦めていませんから」

「ご主人様!」

「どした?」

「ゲストを呼んでいたのを忘れていました!」

「あ、そっか。電話でびっくりして記憶から飛んでた。じゃあ出てきて!」

「オーホホホホ! 近所に住んでるマリ助(まりすけ)ですわー!」

「オーホホホホ! お嬢様の助手のアンキモですわー!」

「「オーホホホホ!」」


 画面に金髪縦ロールにグラサンをかけたお嬢様と、頭から紙袋を被った金髪縦ロールのメイドロボが現れた。


『きたー!』

『マリ助、かわえー』

『アンキモ! アンキモ! アンキモ!』


「やあやあ、お嬢様たち、いらっしゃい」

「黒男さん、落ち込まないでほしいですの。まだおチャンスはありますわよ」

「お嬢様の言うとおりですの」

「うう、ありがとう、ありがとう」


 チン、チリリリリン、チリリリリン。


「うわッ! きた! またきた!」

「きましたのー!」

「今度こそ、お受賞のお電話ですわよー!」

「ご主人様!」

「ハァハァ、落ち着け! みんな落ち着け!」


『はよとれwww』

『また出前だろwww』

『期待はしとらんけどww』


「ガチャリ。はい、ロボロボ。こちら黒ノ木黒乃です。え? あ、はい、はい、はい。ええ!? ロボベル平和賞の連絡ですか!?」


『うそだろww』

『マジできたwww』

『やったじゃんww』


「はい! はい! わかりました! はい! はい! 口座にですね! はい! もちろんすぐに振り込みます! はい!」


『あれ?』

『ん?www』

『おいwww』


「やった! やりましたよ、皆さん! ロボベル平和賞を受賞しました!」

「おめでとうございますのー!」

「さすが黒男様ですのー!」

「あの……ご主人様?」

「メル蔵!」

「はい?」

「銀行の口座番号教えて!」

「なぜですか?」

「ロボベル財団の人が、受賞には手数料が必要って言ってるから! 百万円を振り込むと受賞が確定するんだよ!」


『あかーん!』

『詐欺だこれー!』

『騙されとるぞwww』


「あの、ご主人様」

「どしたのよ、早く教えてよ!」

「よしんば本物の電話だとして、なぜ私の口座を使おうとするのですか。ご自分のを使えばいいのではないでしょうか」

「いいから!」

「よくありません。これは詐欺ですので」

「詐欺!? 詐欺なのこの電話!」

「詐欺ですよ」

「いや、そんなことないでしょ! だってロボベル財団って言ってるし!」

「言っているだけですよ」

「でも、本物だったらどうするのさ! せっかくロボベル賞もらえたのに、台無しになっちゃうよ!」

「人生が台無しになるよりマシでしょう」


『食い下がるなwww』

『この貧乳、いい加減にしろw』

『マジでやめとけw』


「こら、黒乃山。その辺にしておかないと、鉄拳制裁(こうせい)するぞ」

「黒乃山。ロボベル詐欺はこの時期に頻発します。気をつけなさい」


 画面にグラサンをかけたショートヘアの褐色美女と、頭から紙袋を被った褐色メイドロボが現れた。


「ハァハァ、あ、忘れてた。二人をゲストに呼んでいたんだった」

「やあ、みんな。月からきたマヒ南左衛門(まひなんざえもん)だよ」

「マヒ南左衛門様の助手のノエ乃進(のえのしん)です」


『きたーww』

『筋肉すげぇwww』

『セクシーw』


「黒乃山、諦めなさい。あなたが詐欺に引っかかってどうするんですか」

「いや、だってさ。本物かもしれないし!」

「だってじゃないだろ。詐欺グループは鉄拳制裁で壊滅させなくては」

「ハァハァ、あ、二人はさ、どうなのよ。ロボベル賞はさ。なんか取れる賞あんの!?」

「あんまり興味ないな」

「マヒ南左衛門様は、賞のために活動しているわけではありませんから」

「まあ、そうだろうけどさ……ん?」


 チン、チリリリリン、チリリリリン。


「きましたのー!」

「今度こそ、お受賞のお電話ですのよー!」

「ハァハァ、よし! ガチャリ。はい、ロボロボ。こちら黒ノ木黒乃です。あ、はい。あ、はい。あ、ロボベル平和賞ですか? あ、そうなんですか。あ、はい、はい、はい。あ、間違い電話ですね。知りません。関係ありません。あ、え? あ、はい。ガチャリ」


『またきたーwww』

『今度はなんだww』

『イタズラだろwww』


「……」

「どうした、黒乃山。受賞はできたのか?」

「黒乃山、黙っていてはわかりませんよ」

「受賞できた……」

「おめでとう、黒乃山」

「やりましたね、黒乃山」


『なんだw』

『どしたwww』

『なんか言えやwww』


「マヒナがロボベル平和賞を受賞したって……」

「ええ!?」

「すごいですのー!」

「やりましたのー!」


『今度こそきたー!』

『テレビでも速報きたー!』

『マジかよwww』


「おめでとうございます、マヒ南左衛門様」

「ありがとう、ノエ乃進」

「マヒナさんは、社会不適合ロボを更生させるという活動をずっと続けてきました! その功績を認められての受賞とのことです! おめでとうございます!」

「ありがとう、メル蔵」

「おめでたいですのー!」

「すばらしいですのー!」

「ありがとう、マリ助、アンキモ」


『おめでとうwww』

『マジビビったw』

『さすが月の女王ww』


「おかしいでしょ……」

「ん?」

「ご主人様?」

「なんですの?」


『どした?』

『黒男がなんか言うとるで』

『なんや?』


「黒乃山、言いたいことがあるなら、はっきりと言え」

「だって、そこらのチンピラロボの顔面を殴り飛ばしてるだけでしょ……」

「無礼ですよ、黒乃山。マヒ南左衛門様の鉄拳制裁は、ロボット心理学療法士としての治療……」

「金でしょ……」

「え?」

「金の力で賞を買ったんでしょ……」


『こいつww』

『クズすぎるw』

『こいつを更生させろwww』


「黒乃山、いい加減にしろよ」

「だってさ! 私だって世界を何回も救っているじゃないのよ! なんで私が評価されないのよ! おかしいでしょ! マヒナだけずるいよ!」

「ご主人様! 落ち着いてください!」

「確かにお前は世界を救っているが、やらかしも多すぎるんだよ」

「あなた、浅草を壊滅させたのを忘れたんですか?(400話〜参照)」

「肉球島では、子供達を裏切って暴れましたの(340話〜参照)」

「うわあおおおおお! 私は悪くない! 私は悪くない!」


『あ〜あw』

『子供かww』

『精神性が受賞に向いてないww』


 チン、チリリリリン、チリリリリン。


「うわああああ! きた! 今度こそきた! うおおおおお! ガチャリ。はい、ロボロボ。黒ノ木黒乃です。あ、はい。あ、はい、はい、はい。あ、そうですか。へー、そうなんですか。あ、はい。あ、はい。伝えておきます。ガチャリ」

「ご主人様! どうでしたか!?」

「ロボベル児童文学賞を受賞したって……マリーが……」


『うおッ、マジだwww』

『テロップきたーww』

『すげーwww』


「マリ助ちゃん! おめでとうございます!」

「お嬢様は児童向け文学を出版していますのよー!(139話参照)」

「やったな、マリ助!」

「すごいですよ、マリ助」

「ありがとうございますのー! 嬉しいですのー!」

「う、う、う、う……」


『黒男がおかしいぞwww』

『あかーんwww』

『逃げろwww』


「うわわああああああッ! ぎゅぽぽぽぽ!」

「こら、黒乃山! 暴れるな!」

「ご主人様ー!」

「おとなしくしなさい!」

「なんですのー!?」

「てい!」

「ぎゃぴー!」


『あああww』

『あーあー、鉄拳制裁食らったwww』

『¥6000。もうめちゃくちゃだよ』


 画面にメル蔵が大写しになった。


「それでは、今日の配信はこれで終わりたいと思います。あ、制御性Tウイルスさん、今日は楽しんでいただけましたか? あ、勾玉ペンダントさん、次回もお願いしますよ。あ、ニコラ・テス乱太郎さん、ロボチャットありがとうございます。では皆さん、さようなら」


『さようならwww』

『また来年www』

『ばいちゃww』


(厳かなBGM)




 チン、チリリリリン、チリリリリン。


「ガチャリ。はい、ロボロボ。こちら黒ノ木黒乃です。え? 受賞? イグロボベル賞? え? メイドロボとおっぱいに関する論文が評価? あ、はい。あ、はい。あ、はい……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ