第462話 政見放送です!
(日本おっぱい党の政見放送です。お話は、日本おっぱい党代表、黒ノ木黒乃さんです)
『始まったwww』
『なにこれwww』
『政見放送ww』
画面に白ティー丸メガネ黒髪おさげののっぽが現れた。
「日本おっぱい党代表の黒ノ木黒乃です。日本おっぱい党は、日本を元気にするための政党です。
今、日本から元気が失われています。失われた百三十年、失われた経済、失われた誇り、そして失われたおっぱい。我々日本おっぱい党は、失われたおっぱいを取り戻すことをお約束します」
『失われたおっぱいってなんだよw』
『やべーw』
『なに言ってんだ、この貧乳ww』
公約その一、貧乳税の導入。
「広がるおっぱい格差。苦しむ巨乳国民。今、日本では巨乳さん達が苦しんでいます。疲れる肩、曲がる腰、蒸れる谷間。貧乳税は、カップ数に反比例して税率が上がる仕組みになっています。貧乳が巨乳を支える、まさにおっぱいを支える社会。皆さんで作っていきましょう」
『え? 貧乳から巻き上げる税金なのw』
『貧乳になんの恨みがあるんだよw』
『お前も貧乳側だろwww』
公約その二、貧乳給付金。
「貧乳の皆様、ご安心ください。我々日本おっぱい党は、決して貧乳の皆様を見捨てたりはしません。貧乳税の負担を補うのが、貧乳給付金です。貧乳のご家庭に、一律で二万円を給付いたします。これにより、おっぱい高騰による生活の負担を軽減いたします」
『おっぱい高騰ってなにw』
『一家に二万円って、せこww』
『ばら撒くなら、最初から取るんじゃねーよw』
公約その三、乳育て支援。
「増える貧乳、育乳費の高騰に、我々日本おっぱい党は断固として立ち向かっていきます。育乳支援金の導入です。これにより、働きながらでも安心して育乳できる環境を整えます。また、ワンカップ育乳が進むごとに、特別育乳手当が支払われます。明るい未来、明るい巨乳。国民の皆さんと豊かなおっぱいを育てる、日本おっぱい党に、ぜひ清き一票をお願いします」
(日本おっぱい党の政見放送でした)
『支持しますwww』
『貧乳派に人権はないのかw』
『育てない選択w』
『最悪だwww』
(日本刺股党の政見放送です。お話は、日本刺股党代表、メル子さんです)
画面に金髪巨乳メイドロボが現れた。
『でけぇwww』
『これが日本の未来かww』
『今度は刺股かよww』
「日本刺股党代表のメル子です! よろしくお願いします! 激変する世界情勢、拡散する凶悪兵器。日本という国家は、この激動の時代において、未曾有の危機に晒されていると言ってよいかと思います。
そこで我が日本刺股党は提言をします。防衛こそ国家の要、防衛こそ未来への指針、防衛こそ繁栄であると!」
公約その一、全国への刺股の配備。
「防衛費を現在の二パーセントから五パーセントへ引き上げます。しかるのちに、全国の基地に巨大刺股を配備。攻撃に備えます!」
『巨大刺股ってなにwww』
『んなもん配備すなww』
『なにに使うんだよww』
「偵察刺股を三十基静止軌道に打ち上げ、地表を二十四時間監視します。地上に配備された巨大刺股と連携を取り、領空領海に侵入した輩は、三分以内に破壊されます。これをグローバル・ポジショニング・サスマタと名付けます!」
『こええwww』
『宇宙から刺股w』
『全地球測位刺股システムww』
公約その二、全家庭への刺股の配備。
「我が日本刺股党は、すべてのご家庭へ刺股の配布をお約束します。乱れる治安に対抗するには、刺股の力が必要です!
男子は十八歳になったら刺股軍への兵役を義務化します! 女子は任意で刺股軍に参加できます! 日本は刺股で守る! 日本刺股党にぜひ清き一本を!」
(日本刺股党の政見放送でした)
『徴兵はいやだよw』
『刺股軍よわそーwww』
『刺股で投票すなww』
(日本お嬢様党の政見放送です。お話は、日本お嬢様党代表、マリー・マリーさんです)
「オーホホホホ! 皆様ごきげんよう。日本お嬢様党代表のマリー・マリーですの」
「オーホホホホ! 皆様ごきげんよう。日本お嬢様党副代表のアンテロッテですの」
「「オーホホホホ!」」
『きたーw』
『かわえーwww』
『中学生は立候補できないだろww』
公約その一、生活必需品の消費税廃止。
「国民の皆様が安心して暮らせるために必要なのは、もちろん食料ですの」
「お嬢様の言うとおりですの」
「高騰する物価に対応するために、特定品目の消費税を一律でゼロパーセントに抑えますの」
「さすがお嬢様ですの」
「わたくしが選びましたお品目は、まずおケーキでございますの。食後の優雅なひと時を楽しむのに、おケーキは必須ですの。次におプラム、おクレモンティーヌ、おフィザリス、おパンプルムッス、おリュバブルの税率をゼロパーセントにいたしますの」
「ベストなおチョイスですの」
『そんなん聞いたこともないわwww』
『いや、米がたけーんだよなあwww』
『米がないならケーキを食べればいいじゃないww』
公約その二、お嬢様語の教育。
「増える不登校、暴れる問題児、崩壊する学級。すべては言葉の乱れから始まりますの」
「お嬢様の言うとおりですの」
「日本お嬢様党は、小学校中学校に必須科目として『お嬢様語』の授業を導入いたしますの」
「さすがお嬢様ですの」
「お嬢様語の文法から始まり、お嬢様語によるディベート、お嬢様語による作文を徹底的に教育いたしますの。これにより、日本がお上品でお優雅な国に生まれ変わりますの」
「日本お嬢様党に清き一票を!」
「「オーホホホホ!」」
(日本お嬢様党の政見放送でした)
『オーホホホホじゃネンだわwww』
『ですのーw』
『日本総お嬢様計画www』
(日本キャッ党の政見放送です。お話は、日本キャッ党代表、チャーリーさんです。翻訳は黒ノ木黒乃さんです)
画面にグレーの巨大なモコモコが現れた。その後ろには、白ティー丸メガネ黒髪おさげののっぽが立っている。
「ニャー」
「ふんふん、なになに? 皆さん、こんにちは? 日本キャッ党のチャーリーです? 今日は皆さんに、日本の未来についてお話をします?」
『チャーリーwww』
『かわいいww』
『ロボット猫も政治をやる時代かww』
公約その一、動物ロボ愛護法の改正。
「ニャー」
「ふんふん、なになに? 日本の未来は、動物ロボとの共生にかかっています。動物ロボとともに暮らし、動物ロボとともに生きる。それこそが豊かで健全な社会なのです。
よって我が日本キャッ党は、動物ロボ愛護法を改正します。野良ロボにも餌は朝昼晩必ずよこすこと。よくわからんペースト状のアレは発売禁止します。ちゃんと固形物をください。
あとおやつもください。私が仲見世通りにいく前に、ちゃんと用意しておいてください。なるべく待たせないようにしてください」
『自分のことだろこれwww』
『ワガママやな〜w』
『ニャーの一言で翻訳しすぎだろwww』
公約その二、動物ロボとの触れ合い。
「ニャー」
「ふんふん、なになに? 人間と動物ロボが触れ合うのは、とてもよいことです。でも人間は触りすぎです。オレ様に触っていいのはメス猫ちゃんと、かわいい人間の女の子だけだぜ。あと、子供はギリギリ許してやるが、撫でるのは一回だけだ。何度も撫でるなよ。
抱っこは餌を持ってきたやつだけだからな。変なペースト状のアレはダメだぞ。ちゃんとした固形物をよこせ。あの妙なドロっとしたのは発売を禁止します。抱っこするときは、ちゃんと持て。時々落っことすやつおるからな。許さんぞ。ペースト状のアレを持ってきたやつは牢屋に入れます。日本キャッ党に清き一票を。だってさ」
(日本キャッ党の政見放送でした)
『ペースト状のアレに恨みを持ちすぎだろw』
『子供には優しいwww』
『クソキャットwww』
(日本非労働党の政見放送です。お話は、日本非労働党代表、FORT蘭丸さんです)
画面に見た目メカメカしいロボットが現れた。
「ドウモ、皆サン! 日本非労働党代表のFORT蘭丸デス! 日本非労働党は、快適な労働環境を作り出す政党デス!」
公約その一、労働時間の短縮。
「日本人は働きすぎデス! 週休三日、一日六時間、正気ではありまセン!」
『いや、そうか?』
『二十一世紀よりはだいぶマシになったけどなw』
『お前が正気かwww』
「日本非労働党は労働法を改正しまシテ、週休七日、ゼロ時間労働を提言しマス!」
『ゼロ時間w』
『それは働いてないだろwww』
『思いきったなw』
「労働は働きたい人ダケがすればいいデス! 強制しないでくだサイ! 働きたい人は働く! 働きたくナイ人は働かナイ! メリハリが大事デス!」
『メリハリの問題じゃネンだわwww』
『どうやって社会を回すんだよww』
『日本が滅びるだろwww』
「労働ナンテ、人がやるものではありまセン! 人類の歴史は、労働からの解放の歴史デス! 働くことは偉くなんかありまセン! 働かない方が偉いんデス! 労働ナンテ、ロボットかナンかにヤラせておけばいいんデス! ワガ日本非労働党に清き一票を!」
(日本非労働党の政見放送でした)
『お前がロボットだろwww』
『お前だけ働けやw』
『ロボハラだろこれwww』
(月面革命党の政見放送です。お話は、月面革命党代表、マヒナさんです)
画面に褐色肌のベリーショートの美女が現れた。
「どうも、みんな。アタシは月面革命党の代表のマヒナだよ。よろしくな」
『セクシーww』
『腹筋すげーww』
『露出高すぎwww』
公約その一、月面旅行の義務化。
「アタシが提言するのは、全国民が月面旅行をすることだよ。みんな、月には興味があるだろ? 月面旅行したいよな?」
『したいけどwww』
『でも、お高いんでしょうw』
『宇宙エレベーターに乗っていくやつでしょw』
「まず、修学旅行を月面にする。月に集まった学生達には、特別プログラムを体験してもらおう。月面開発の歴史から始まり、いかに月が地球によって虐げられてきたかを知ってもらう。しかるのちに、低重力での運動性能を見させてもらう。合格点に達したものは、さらなる特別プログラムが待っている」
『なんかやべーぞw』
『あれ、これって……』
『なにをする気なんだよwww』
「一定の成績を残したものには、月の永住権を差し上げよう! 幹部候補生だ! いいか、幹部候補生になったものには、アタシのメイドロボ部隊『MHN29』と仲良くなる権利を与えよう! お前らメイドロボ好きだろ!? なあ!」
『いや、好きだけれどもwww』
『なあじゃネンだわw』
『ぜったいろくな目にあわんだろww』
「我が月面革命党は、いっしょに革命を起こしてくれる同志を募集している! 月面革命党に清き一票を!」
(月面革命党の政見放送でした)
『怖すぎて無理ンゴwww』
『ロバート・A・ハインラインww』
『革命って言っちゃってるしwww』
(日本バナナ党の政見放送です。お話は、日本バナナ党代表、ゴリラロボさんです。翻訳は黒ノ木黒乃さんです)
画面に二メートルを超える巨大な黒い塊が現れた。その後ろには、白ティー丸メガネ黒髪おさげののっぽが立っている。
「ウホ」
「ふんふん、なになに? バナナを国民食に……」
『もうええわwww』
『もう政見放送はこりごりなのんw』
『トホホwww』




