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うちのメイドロボがそんなにイチャイチャ百合生活してくれない  作者: ギガントメガ太郎


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第387話 ロボチューブ生配信です! その十六

「あ、はい、あ、はい。あ、始まりました。ヨガ。あ、ご主人様チャンネルのね、配信が始まりました。ヨガ。どうも、黒男(くろお)です」


 画面に白ティー黒髪おさげ、丸メガネの上からグラサンをかけた女性が現れた。どこかのお店のカウンターに座っているようだ。


『始まった!』

『きたー!』

『なに、ヨガってwww』

『ここどこwww』


「あ、ビーストヨビヨビさん、ここはですね、カレー屋さんですね。あ、飛んで平八郎さん、今日もよろしくお願いしますよ。あ、値下げさせておいて買わないさん、最後まで見ていってね、くださいね。ヨガ」

「助手のメル蔵(めるぞー)です!」


 黒男の隣の席に白いメイド服の巨乳メイドロボが座った。頭から紙袋を被っている。


「あ、勝手に出てきた」

「皆さん、ごきげんようですの。近所に住んでるマリ助(まりすけ)ですの」

「皆さん、ごきげんようですの。お嬢様の助手のアンキモですの」


 さらに金髪縦ロールにグラサンをかけた少女と、金髪縦ロールに頭から紙袋を被ったメイドロボが座った。


『メル蔵きたー!』

『でけぇwww』

『マリ助ー!』

『アンキモ! アンキモ! アンキモ!』


「あ、ではですね。あの、今日はあの、久々にね、ロボチューバーらしい企画をね、やっていきたいと思いますよ。ヨガ。今日はね、あの、ロボチューバーらしくね、あ、あの企画をね、あの……」

「デュルルルルルルル! デデン!」

「あ、激辛カレー食べてみた〜」

「パフパフパフ!」


『激辛回かwww』

『大丈夫なのwww』

『やばそうw』


「あ、今日はですね、このカレーハウス『RoBo壱番屋』のですね、ヨガ、20辛にチャレンジしていこうとね、思いますよ」


『20辛はきついwww』

『ヨガヨガうっせーよw』

『RoBo壱はインドカレー屋じゃないからなww』


「ご主人様! ゲストを紹介してください!」

「あ、はい。じゃあ今日のゲストはこの二人! はい! 出てきて!」


 紙袋を被ったメカメカしいロボットが席に座った。


「ミナサン! コンニチハ! シャチョーの部下のFORT蘭丸子(ふぉーとらんまるこ)デス! カレーをがんばって食べマス!」


『出たww』

『女の子要素ゼロwww』

『いつもは裏方なのにww』


「はい! もう一人!」


 グラサンをかけた銀髪ムチムチのアメリカンな女性が席に着いた。


「はぁ〜い。織田ルビ長(おだるびなが)ね〜。だーりんの主君(マスター)ね〜。べすとりが〜ず」


『うおおおお!』

『ムッチムチやないかwww』

『え!? マジ!? ルビー様じゃん! やば!』

『エロすぎてBANされるやろwww』

『¥4000。BANされる前に』


「えーと、あの、二人はね、凄腕のプログラマなんでね、あ、激辛カレーを食べてもらいますよ。ヨガ。あ、写真ちゃんドロップキックさん、ロボチャットね、ありがとうございますよ」


『プログラマとカレー、関係ないだろwww』

『でも確かにプログラマは激辛強そうw』

『ルビー様! ルビー様!』


「あ、ではね、みんなで激辛カレーを完食できるようにね、あの、気合い入れていくぞー!!!」

「「おー!」」


『うるさっ』

『急に大声出すなwww』

『いけー!』


「あ、RoBo壱はね、トッピングが豊富ですから。トッピングは自由でございますよ。あ、水は飲むの禁止です」


『水禁止w』

『きついww』

『なんでww』


「あ、ではね、さっそく注文にいきたいと思いますよ。メル蔵!」

「はい!」

「注文して!」

「はい! 20辛メンチカツカレーに、チーズと半熟玉子をトッピングします! 油分のあるものを同時に食べることで、カプサイシンを溶かして辛さを和らげる作戦です!」


『なるほどなー』

『さすがメル蔵!』

『考えたな!』


「じゃあ、次、マリ助!」

「20辛メンチカツカレーに、おチーズと半熟玉子をトッピングですのー! 油分で辛さを和らげる作戦ですのー!」

「さすがお嬢様ですのー!」


『パクりwww』

『こらwww』

『さすがお嬢様w』


「はい、アンキモ! いって!」

「20辛メンチカツカレーに、おチーズと半熟玉子で辛さを和らげますのよー!」

「貴様らーッ! 被せるなーッ!」


『ひでぇwww』

『勝つためには手段を選ばないww』

『アンキモをトッピングしろw』


「じゃあ、FORT蘭丸子ちゃん!」

「ハイ! 30辛ソーセージカレーに、ライス300g、ほうれん草マシマシでお願いしマス!」


『30辛www』

『うそだろww』

『なんで辛さ足してんのwww』


「FORT蘭丸子ちゃん! お前、やれんのか!?」

「辛いのは得意デス!」

「お残しは許さんぞ! 次、織田ルビ長!」

「わた〜しは〜、2辛ポークカレーに〜、カキフライと、エビフライトッピングね〜」

「どうして勝手に2辛にしてるの!?」


『2辛てw ちょい辛じゃんよw』

『ルール違反www』

『自由の国アメリカwww』


「では最後、ご主人様、お願いします!」

「20辛メンチカツカレー! チーズと半熟玉子トッピング!」


『パクってるじゃねーかwww』

『黒男www』

『アホwww』


 テーブルにカレーが次々と運ばれてきた。


「みんな、揃ったね! ヨガ。じゃあ激辛カレーチャレンジ、スタート!」


 黒男はスプーンでルーとライスをすくい、口に運んだ。


「ゴフッ! ブバァ! 辛い!」


『きったねえwww』

『あーあー』

『一口くらいちゃんと食えw』


「あああああ! 辛い! なんだこれ!? 辛い! これ本当にカレーなの!? ああああ! あかーん! 水!」


『うるせーよw』

『水はないだろww』

『ダメそうだな、これ』


「ハァハァ、メル蔵!」

「はい!」

「辛さはどう!?」

「凄まじく辛いです! 味覚センサーが焼き切れそうです!」

「ゲホッ! ゴボッ! マリ助はどう!?」

「辛いですのー! でもおチーズのおかげで、なんとかいけそうですわー!」

「アンキモ!」

「辛いですわー! クサカリ・インダストリアルに伝わるマイクロブラックホールで、カレーを消滅させたいですわー!」


『ロボットでもやっぱり辛いのかww』

『がんばれwww』

『顔が真っ赤だぞww』


「FORT蘭丸子ちゃんはどうなの!?」

「美味しいデス! ソーセージの歯応えと、臭みのナイほうれん草が、ミズミズしいデス!」

「味は聞いてない!」


『FORT蘭丸子ちゃん、すげえ!』

『バクバク食いよる!』

『やべえ! 腹減ってきた!』


「ルビ長はどうなの!? あれ?」


 織田ルビ長は机に突っ伏した状態で、プルプルと震えていた。


「ルビ長? ねえ? 大丈夫?」

「これ〜、辛すぎね〜」

「いやいや、2辛でしょ! 小学生だっていけるレベルだよ」

「いでぃおっと〜、すてゅーぴっど〜、もーろん〜、まるめがね〜」

「なんて?」


『めっちゃ悪口言っとるw』

『もう無理そうwww』

『可哀想にw』


「ハァハァ、あかん。人のこと気にしている場合じゃない。マジで辛い。ハァハァ。少しずつでも食べないと。あれ? もうライスがない。ヨガ。辛さを減らそうと、ライスを食べすぎた」

「ヒック!」

「うわ、メル蔵どうした?」

「ロボしゃっくりが止まりません、ヒック!」


『刺激が強すぎて、胃が痙攣しているのではw』

『メル蔵、がんばれー!』


「お尻が痒くなってきましたのー!」

「お嬢様ー!」


『消化が早すぎではwww』

『中学生にはきついわなww』


「シャチョー!」

「どした……」

「おかわりいいデスか!?」

「好きにしろ……」


『マジかよwww』

『FORT蘭丸子www』

『辛味センサーついてないんじゃねw』


「ルビ長は……もうピクリとも動かなくなったな……」


『死んだwww』

『死因、2辛www』


 その時、店内に青いロングヘアの子供型ロボットが現れた。頭から紙袋を被り、売り子のように箱を抱えていた。


「……売店フォト三郎(ふぉとざぶろー)、オープン」


 その箱の中には様々なアイテムが格納されていた。


『フォト三郎ちゃん!』

『可愛いw』

『なにしにきたのw』


「……激辛中和アイテム、販売いたします」

「ハァハァ、フォト三郎ちゃん、なにが売ってるの」

「……えーと、アイスキャンディー、マヨネーズ、水、バター、特製スープ」

「アイスキャンティーをくださいましー!」

「わたくしもですわー!」

「……はい、『ロボン、とみかん』、一本二千円」


(お店の許可を得て販売しています)


『たっけぇ!』

『ぼったくりwww』


 お嬢様たちはマリー家の財力にものを言わせて、五本ずつ購入した。必死の形相でアイスキャンディーに齧り付いた。


「生き返りますわー!」

「辛さがスーっと消えましたわー!」

「ずるいです! 私はマヨをください! ヒック!」

「……三千円、まいど」


 メル蔵はマヨネーズのボトルに直接口をつけ、チュッチュと吸った。


「マヨネーズの油分が舌をコーティングすることによって、辛さを感じなくなりました! ヒック! いけそうです!」


『考えたな!』

『ナイス!』

 

「ボクは、特製スープを買いマス!」

「……まいど、五千円」

「イヤァー! 高い! デモ、美味しいデス! 口の中がサッパリ洗い流さレテ、リフレッシュされまシタ!」


『なるほど、リセット効果は一番ありそうだなw』

『単にスープ飲みたいだけw』


「ルビ長は? ルビ長? おーい」


 黒男がルビ長のムチムチの体を揺さぶったが、なんの応答も見せなかった。


「うわっ! 手がねちょっとした。汗がすごい!」


『きたねぇw』

『2辛一口で瀕死www』

『なにしにきたんw』

『ルビー様ー!』


「ご主人様はなにを購入しますか!? ヒック!」

「ふふふ、みんな戦略が甘いよ。こういうのは、一時的に辛さを消せばいいってもんじゃないんだ。ヨガ。完食までの道筋を立てて……特製スープちょうだい!」

「……まいど」


『FORT蘭丸子ちゃんのパクリwww』

『またパクったwww』


「うひょー! 赤くて美味そう! いただきます! ズズズ……ブー!」

「ぎゃあ!」


 黒男はスープを勢いよく噴き出した。真横にいたメル蔵の顔面が赤く染まった。


「がががが! これ! トムヤムクンやないかーい!」

「目が! 目にトムヤムクンが入りました!」


『だと思ったw』

『久々のトムヤムクンww』

『メル蔵とばっちりwww』

『ざまぁwww』


「ぐああああ! ゲホッ、ゴホッ! ハァハァ、でも意外と飲める。20辛が辛すぎて、トムヤムクンが普通に感じる。もうスープでカレーを流し込む! ぶばっ!」


 総員ラストスパートに入った。スプーンの金属音が、打楽器のようにリズムを刻んだ。


「マヨの味変が効いてきました! ヒック!」

「ロボン、とみかんの冷却効果でいけそうですわー!」

「完食は目の前ですのよー!」

「シャチョー! おかわりいいデスか!?」

「ヨガ」


『うおおお! いけー!』

『がんばれー!』

『すげぇwww』

『熱い!』


 全員同時に完食した。滝のような汗を流し、スプーンを皿の上に置いた。そして手を合わせた。


「「ごちそうさまでした(ごちそうさまでした)!」」


『おめー』

『やるじゃんwww』

『¥1500。次はこれで激辛担々麺を食べてほしい』


「ハァハァ、あ、無化調おじさん、来日楽しみにしています。あ、風呂キャンセル界隈さん、次回もね、またきてくださいよ。あ、ニコラ・テス乱太郎さん、ロボチャットありがとうございます。それでは皆さん、本日の配信は以上となります。また次回! ヨガ」


『ヨガw』

『ヨガwww』

『ヨガファイヤーwww』


(マハラジャなBGM)





「あの、アメリカのお客さん。こちらのお皿、お下げしてもよろしいでしょうか? あの、お客さん、そろそろ閉店の時間でして」

「……」


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