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第170話 お嬢様ラジオです!

「ご主人様! そろそろ始まりますよ!」

「お、もうそんな時間か。いやー楽しみだ」

「ではラジオのスイッチを入れますよ。ポチッとな!」


 てん、てれれんてってれん、てれれんてってれん、て、てってれん、てれっ、ててってってーん。


マ『さあ始まりましたの。皆様ご機嫌ようですの。パーソナリティのマリー・マリーですの。マリーと呼んでくださいましな』


ア『皆様ご機嫌ようですの。アシスタントのアンテロッテでございますの。アン子と呼んでくださいましな』


マア『オーホホホホ!』


「始まった!」

「ドキドキです!」


マ『さあ、アンテロッテ』


ア『なんでございますの』


マ『この「うちのメイドロボが二十四時間イチャイチャしすぎてオーホホホホ!ラジオ」、略して「オホラジ」も今回で170回目を迎えましたの』


ア『さすがお嬢様ですの』


マ『170回を記念いたしまして、豪華なゲストもお招きしておりますから楽しみにしていて欲しいですの』


ア『お嬢様の人望のなせる技でございますわ』


「ご主人様! ゲストは誰ですかね!?」

「うーん。まあうちらではないことは確かだね」


ア『では早速最初のコーナーにまいりますわー!』


マ『どんとこいですわー!(裏声)』


マア『www』


「www」

「www」


ア『「お嬢様に聞いてみた」のコーナーですわー! えー、最初のお便りは、ラジオネーム、エスケーピングロボさんからいただきましたわ』


マ『ありがとうございますわ』


ア『マリーさん、アン子さん、ご機嫌ヨウ。ボクはマリーさんの大ファンなのデスが、マリーさんは家では普段どんなことをして過ごしていマスか? お風呂ではドコから洗いマスか?』


「なんかキモいメールだな」

「キモいですね」


マ『わたくしはいつも家ではアンテロッテと遊んでいますわよ。ゲームしたり料理したりお昼寝をしていますわ』


ア『お嬢様のゲームの腕前は達人級ですのよ。お料理はお勉強中ですわ。お昼寝する時はいつもわたくしのおっぱいを触りながら寝ていますのよ。可愛いですわ』


マ『触っていませんわよ』


ア『触っていますわよ』


マ『お風呂は足の指の間から洗いますわ。一番汚れやすい場所ですものね』


ア『正確には左足の親指と人差し指の間から洗っていますのよ。洗っているわたくしが言うのだから間違いないですわ。足が終わったらお尻を洗いますの。お尻のぷりぷり加減が美味しそうで三回に一回は齧りついてしまいますわ』


マ『痛いですの』


「私もメル子のお尻に齧りつこうかな」

「やめてください」


ア『次のお便りにまいりますわ。えー、世界一の美少女メイドロボさんからいただきましたの』


マ『ありがとうございますわ』


「ご主人様! 私のメールが読まれましたよ!」

「おお、凄い。マリーのラジオはメール職人が多くて採用率激低だからね」

「やりました!」


ア『マリーちゃん、ご機嫌よう』


マ『ご機嫌ようでございますわ』


ア『マリーちゃんは好き嫌いはありますか? こんな料理が食べてみたいとかあったら教えてください』


マ『わたくし好き嫌いはございませんのよ。どんなものでも美味しくいただけるのが自慢でしてよ』


ア『本当はエスカルゴが苦手ですのよ。あと魚の苦い部分もいつも残していますわ』


マ『残していませんのよ』


ア『残していますわよ』


マ『食べてみたいお料理は和食ですのよ。せっかく日本に来たのですから日本の伝統料理をたくさんいただきたいですわ』


ア『ではわたくしが明日おでんを作ってさしあげますわ。次のお便りにまいります。えー、世界一可愛い丸メガネさんからいただきました』


「やった! やった! 初めてメール読まれた!」

「やりましたね、ご主人様!」

「よっしゃー! うれし〜!」


ア『あ、間違えましたの。このお便りではなくてこちらでしたの。えー、エスケーピングロボさんからいただきました』


「ぴぎょおおおおおお!!! なんでぇぇぇえええ!!!」

「ご主人様! 落ち着いてください!」

「ちくしょおおおおお! エスケーピングロボとかいうやつ絶対に許さんからな!!」


ア『マリーさん、ご機嫌ヨウ。ボクはお仕事がしたくなくテしょうがないのデスが、マリーさんはしてみたいお仕事とかありマスか? 教えてくだサイ』


マ『してみたいお仕事はありますわよ』


ア『どんなお仕事ですの?』


マ『人助けですわ。世界中を旅して大勢の人を助けるお仕事がしたいですわ』


「はわわ、なんていい子なんだ」

「素晴らしいです!」


ア『お嬢様ー! 私もお供いたしますわよー! ではこのコーナーは以上となりますわ。ここで一曲聞いてくださいまし。マリーお嬢様で「お嬢様音頭」ですの』



 ででででーすの ですの お嬢様ですの!

 オホホオーホホ オホホ お嬢様ですの!


 おフランスから 来ましたの

 花の都は 幾千里

 東の果ての そのまた東

 朝日を追いかけ 来ましたの


 目にするものは 初めてばかり

 手に取るものは トゲトゲばかり

 足を上げて 進みますの

 顔を上げて 挑みますの


 だけど心配いりませんわ

 ひとりだけではございませんの


 ででででーすの ですの お嬢様ですの!

 オホホオーホホ オホホ お嬢様ですの!



マ『では次のコーナーにまいりたいと思いますわ』


ア『次は「ゲストとトークしてみた」のコーナーですの。本日のゲストはこちら!』


鏡『ご機嫌よう! 尼崎から来ました黒ノ木鏡乃(みらの)です! 中学生です!』


「鏡乃!?」

「どうして鏡乃ちゃんがラジオに!?」


マ『鏡乃さんは美食ロボさんに弟子入りするために浅草にいらしたのですわね?』


鏡『そうです! でも美食ロボ部は破門になりました!』


ア『どうして破門になったんですの?』


鏡『クロちゃん、あ、鏡乃のお姉ちゃんが美食ロボをジャイアントスイングで池に投げ飛ばしたからです!』


マ『とんでもないお姉様ですのね』


ア『いつも何かやらかしてそうなお姉様ですのね』


「こらこらこら〜なんてこと言うんだこいつら〜!」

「まあまあ、落ち着いてくださいよ」


マ『でもそんなお姉様のことが〜?』


ア『お姉様のことが〜?』


鏡『大好きです!』


「鏡乃〜」

「ご主人様、涙を拭いてください」


ア『ではここでお便りを紹介してみたいと思います。えー、ピーチノキピーチチさんからいただきましたわ』


マ『ありがとうございますわ』


鏡『ありがとうございます!』


ア『鏡乃ちゃんはどうしてそんなに可愛いのでしょうか。初めて見た時に衝撃を受けました。可愛さの秘訣を教えてください』


鏡『えへへ』


マ『どういうところに気を使っていますの?』


ア『お洒落の秘訣はありますの?』


鏡『秘訣は丸メガネです! 鏡乃の丸メガネは世界のクロノキメガネ製なので世界一可愛い丸メガネです! クロノキメガネの丸メガネは日本の丸メガネ市場の九割を占める凄い丸メガネです! 皆さん買ってください!』


「いいぞ、鏡乃!」

「ナイス宣伝です!」


マ『そういえば鏡乃さんは背がお高いですのね』


ア『わたくしよりも高いですわー』


鏡『はい! 背は170センチ以上あります! 中学校の女子で一番高いです! クロちゃんはもっと高いです!』


「へー、ちびっ子だと思ってた鏡乃も実は大きかったのか」

「超大型です!」


マ『どうやったらそんなに大きくなるんですの? 参考にさせてくださいませ』


鏡『はい! 黒ノ木家では生まれた時から丸メガネをかけます! 丸メガネをかけると背が伸びます!』


ア『そんなクロノキメガネを……』


マア鏡『お買い求めください!』


「あかんあかん! 誇大広告だよこれ!」

「嘘、大袈裟、紛らわしいです!」


マ『さあお送りしてきました「うちのメイドロボが二十四時間イチャイチャしすぎてオーホホホホ!ラジオ」、そろそろお別れのお時間となりましたわ』


ア『鏡乃様、番組はいかがでございましたか?』


鏡『楽しかったです! マリーちゃんとアンテロッテさんに会えて嬉しかったです! また来たいです!』


マ『是非またいらしてくださいましね。この番組は世界のクロノキメガネの提供でお送りいたしましたわ。それでは皆様ご機嫌よう』


マア鏡『オーホホホホ!』


「スポンサーだったんかい」

「ご主人様! 面白かったですね!」


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