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第9話「ベル・キシスとサクラモチルと過去と」

ありがとうございます。

 秋山夏男が城内に入るの確認して、

 ベル・キシスはサクラモチルからの返信を待った。


 12代秋山夏男~49代秋山夏男が駆け抜けた死地の一つ。

 トゥルーク王国。


 ベル・キシスもここの戦士たちの気質、

 誇り高い戦い方は嫌いではない。


 正々堂々とした戦士達のいくさは

 前情報を確認していたベル・キシスも見事なものだと感心した。


 だからこそ、

 秋山夏男は戦った。

 いや、立ち上がり戦うことが出来たのだろう。


 一人はみんなの為に

 みんなは一人の為に


 智と民のためにがむしゃらに前に進み、

 敵を屠る。


 過去の映像みるたびに泣きじゃくっていた秋山夏男は、

 励まされ、助けられ、認められて共に前へと進んでいくことが

 多かった。


 だが、今回は違う。

 最初から認められている。


 なら、血風吹き荒れる戦いは今回の夏男に何をもたらすか。


 ベル・キシスは目をつむり、

 連絡を待った。


 本来ならすでに返信を終えているはずのサクラモチルは

 膨大な資料の山に埋もれていた。

 659代秋山夏男の残した痕跡とその膨大な戦歴は

 幼かったサクラモチルの脳裏にも焼き付いている。

 

 運命に抗い、一人を救うために万を超える数の魔族と戦った戦士。

 魔族となった仲間を切り捨てた。

 共に生きた神獣達は夏男を包む光となった。

 数千を超える武器が夏男の為に敵を屠り、道を築いた。

 血の涙を拭うことなく、

 四肢を失おうと、その眼から意思が消えることなく

 ただ、一人を救うために全てを滅ぼそうとしたあの戦い。

 

 単騎で前を突き進む姿に神々は深い感動を覚え、

 神達が創造神に夏男と轡を!共に戦場をかける許可をと

 叫んだあの戦い。


 主だった神の大半が滅び、

 世界は少しずつ終息の時を迎えている。


 先代のベル・キシスと神達がほんの僅かな希望に全てを

 託した最後の秋山夏男。


 もしくは掻き集めた残骸とも言えるかもしれない。


 先代のベル・キシスは消える瞬間まで本に思いを込めた。


 廃墟に近い神の住む世界で、

 サクラモチルは返信を描き続ける。


 666億分の1の可能性。


 散っていったすべての生命の為に……


 夏男が愛したただ一人の想い人の為に………

今回の話に夏男は出てきませんでした。


申し訳ありません。

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