第7話「スキルと盗賊とストッキングと」
ありがとうございます。
俺は本を開こうとすると
開かないページが多いことに気づいた。
開いたページも重要な箇所が黒塗りになっており、
調べることができない。
それでも
俺は開いたページのスキルだけでも受け継ごうと思った。
スキル【剣技Lv1】
スキル【武器レベルアップLv1】
スキル【防具レベルアップLv1】
スキル【スタミナ自動回復Lv1】
スキル【体力自動回復Lv1】
スキル【火魔法Lv1】
スキル【風魔法Lv1】
スキル【土魔法Lv1】
スキル【水魔法Lv1】
スキル【回復魔法Lv1】
スキル【闇魔法Lv1】
スキル【光魔法Lv1】
スキル【補助魔法Lv1】
スキル【吸収魔法Lv1】
スキル【バリィLv1】
スキル【道具レベルアップLv1】
苦労して手に入れた過去の自分に感謝して、
ページを破ると1ページずつ額に貼りつける。
一瞬、淡い光が俺を包む。
脳内に言葉が浮かび、
俺はスキルを受け入れた。
(城を目指すか…)
街に行けない以上、
北にみえた城へ行くしかない。
城なら城下町もあるはずだ。
俺は足取りも軽く、
山を下っていった。
ある程度、下ったところで
目の前を山賊らしき連中に襲われている馬車とすれ違った。
スキル【風魔法Lv1】→【疾風滑走Lv1】→【発動】
「おおおおおおおおおおおおおお!」
走りだした俺は盗賊達の馬を追い越してしまった。
思いっきり大地を踏み、
体勢を整えなおし、
もう一度【疾風滑走Lv1】を発動させると、
盗賊の頭めがけてドロップキックを食らわせた。
一瞬で俺の目の前にウィンドウが開く。
先制攻撃!
盗賊Aに88のダメージ
盗賊Aは吹き飛んだ。
地面に叩き付けられ22のダメージ。
盗賊×7は対応できない
(これならイケる!)
俺はうまく次のターンに移行できた。
スキル→スキル【火魔法Lv1】→【赤く鋭き炎の矢(全体)】→【発動】
俺の手から放たれた炎の矢が次々と盗賊達の体に突き刺さる。
盗賊×7に35のダメージ
盗賊は炎に巻かれ、攻撃できない。
盗賊全員が馬から転げ落ちた。
馬車がその間をすり抜け、
城へ向かっていく。
スキル→【土魔法Lv1】→【土牢Lv1(全体)】→【発動】
倒れ込んだ盗賊達が次々と大地から生まれた牢のなかへ押し込まれていった。
「よし!」
俺はガッツポーズをとる。
どうやらうまくいったようだと思った一瞬、
俺の頬を矢がかすめた。
「てめえ、死んだぞコラ?!」
盗賊Aの攻撃 夏男に1のダメージ。
俺は頬を伝わる血を拭い、
油断大敵という言葉を思い出した。
【スキル】→【剣技Lv1】→「ソードスラッシュLv1】→【発動】
一瞬で剣を抜き、横なぎに衝撃波が出た。
衝撃波が盗賊Aに当たり、
衣服を吹き飛ばされながら倒れた。
クリティカル!
追加ダメージ【装備破壊】→【発動】
盗賊Aを倒した。
兵士の剣×1
薬草×1
毒草×1
娼婦のストッキング×1
を手に入れた。
「よっしゃあ!」
アイテムを手に入れた俺は
もう一度ガッツポーズをとった。
(牢にぶち込んだ残りの盗賊を一人ずつ片づけるか)
剣、薬草!毒草!ストッキング!
ストッキング?
剣と草の他に女性が履いていたであろうストッキングが俺の手にあった。
捨てようとした矢先、後ろから多数の馬が走る音が響いてきた。
「そこまでだ、盗賊共!アッテンブル騎士団、ここに推参!」
振り向くとどうみても正義側の騎士団がいて、
俺は剣、草、そしてストッキングを落とした。
ありがとうございました。